第147話 私、若君を絶賛する
「おお!本当にすぐにきやったか!」
私たちが術式陣から、次々現れると、人魚様が喜んで迎えてくれた。
人魚様は、ロウを胸に抱きつつ、相変わらず宙に浮かんでいる。
そしてさっきのセリフ、私を疑っていたのであるか?
私は、約束を守る人間である。心外である!
面と向っては、言えんがな!
このところ、言えない呟きが増えている気がするが、気のせいであろうか。
一瞬意識を飛ばした私を引き戻すように、ロウからも、熱烈な歓迎を受けた。
「おお!大海よ!迎えご苦労!」
ロウ、上から目線である!
もう人魚様に、感化されたのであるか?
後で、引き締めが必要なようである。
それにしても、なんであろうか?
さっきまで、残るの怖がっていたくせに、すっかり仲良しになったのであるか?
怖がりもせずに、人魚様の手のひらで、はしゃいでいるとは。
ちょろい奴め。いや、その評価はひどいか。まだロウも幼いのだ。
よく1人で待っていたと、褒めてやらねばなるまい。
若君は、片膝をついて、顔を人魚様に向ける。
三弥さんと私も、それに倣う。松也さんは、その後ろで晶露様をだっこしたまま、黙礼している。
「人魚様。我が一族の者が、人魚様と交わした約定を放置され、ご迷惑をおかけしたと聞きしました。一族を代表して、謝罪致します。申し訳ございませんでした」
そこで若君は頭を下げる。私たちもそれに倣う。
「早速で恐縮ですが、まずは、この彷徨いたる者たちを、浄化したいと思いますが、よろしいでしょうか?」
「それは妾の望むところである。疾くせよ」
おお、なんか私と話すよりも、若君丁寧である。
相手は神の眷属だ。敬意を払うのは当たり前か。
「三弥」
「は」
私の思惑など知らぬとばかりに、若君と三弥さんが進みでる。
そして2人は、死体の上に彷徨い立つ亡霊に、手を向ける。
「「包囲」」
2人のその一言で、亡霊たちが、光の檻にとらわれる。
「お!?おお!?お!?」
なんであるか!?あれは!?突然出現した格子状の檻である!
私が驚き、興奮している間に、2人は冷静に2言目を、告げる。
「「浄化」」
ぱああああとの、オノマトペが聞こえてきそうな程に、一際光の檻が、輝く。
と、次の瞬間、光の檻の中にいた亡霊が、光の粒となって消えてしまった。
本当にあっけなく、あっさりと、である。
残ったのは、腐乱死体だけである!
空気も何気げに、澄んでいる。
私は思わず2人に駆け寄って、叫んだ。
「うわああ!お2人ともかっこいい!素晴らしい!エクセレントです!!」
あの光の檻は、なんなのか?!どういったしくみか!?
2人とも同じ異能なのか?!
それとも一族共通のやり方なのか!?
私にも使えるのか!?
前世で見たことがない、亡霊への対処の仕方である!
こちらでは、これが一般的なのか!?
質問は次々と頭に浮かぶが、言葉にならない!
なるのは、単純な感動の言葉だけである!
「うわあ!すごい!すごい!」
とにかくスマートで、かっこがいい!
私は拍手をしつつ、感じるがままに若君と三弥さんを大絶賛した!!
「ふおおおおお!」
「もういい。だまれ」
若君は、少し居心地悪そうに身じろぎをしていた。
いや!照れなくてもよいのである!
まさに、絶賛されるべき技である!
よい!いい!ぜひ私もやってみたい!
私も絶対に、使えるようになるぞ!
絶対!諦めないのである!
私もスマートに、かっこよく、ありたいのであるからな!
大海、大興奮w
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