第146話 私、3度目のずぶ濡れ免れる
それでは早速向おう!ということになったのであるが。
そこではたと気づく。
さて、どう行くか。
むろん、今我らが使用した、術式陣を使用するのであるが。
その術式陣は、川の中である。
はっきり言って使いにくい。
若君を含め、我ら3人は、術式陣に手をあてる前に、溺れる可能性が大である。
それ以前に、異能の力が極小な私は、陣を使えないのだから除外であろう?
そこ!細かい突っ込みは、私を傷つけるだけである!
控えるように!
話を戻す!
金の魚が出て来てくれれば、彼奴に転移を頼むのであるが、故意か否か、全然姿を現さない。役に立つのか、立たぬのか、わからぬ魚である!今度会ったら、きっちり話をつけようではないか!
さてどうするか?
決まっている。
術式陣の起動は、大人に任せる。
コレ一択である。
私たちは再度濡れるのも構わず、川へと入った。
もう少し正確を期すなら、濡れたのは、大人陣の膝までである。
私たちは皆、本家子分ズに抱っこされているので、濡れなかった。
3度目のずぶ濡れは、免れたのである。
そして三弥さんに力を込めてもらい、転移をした。
ロウへの軽食は、濡れぬようにビニールに入れて持参するのを、私は忘れなかった。
残ってくれたロウへの感謝の気持ちである!
ロウ!もう少し待っててくれ!
私たちが金の魚に飛ばされた場所。
所在地はわからないものの、一度行った場所だったのか幸いしてか、うまく転移が出来た。
もしかしたら、細井川から飛べるところは、この海辺の洞窟だけなのかもしれない。
あるいは金の魚が、転移場所を指定したままであるか。
もしくは晶露様が、ご一緒してくれたせいかもしれない。
そう、薄々気づかれている諸君も、いらっしゃるだろう。
転移して来たのは、私、若君、三弥さん、本家子分松也さん、そして晶露さまである。
この地に向かうにあたり、晶露様は疲れて、うとうとしているので、そうっと置いて行こうとしたところ、
「ぼくもいく!いくのーーー!!」
と、泣きわめいて、手がつけられなくなってしまった為、若君は仕方なく同行を許可した次第である。
若君、晶露様には甘いのある。
私の話から、危険は低いと、判断したのかもしれない。
いや!危険であろう!人魚様は神の眷属に違いなく、亡霊もいるのであるから!
神のたぐいというのは優しげに見えて、容赦がない時もある。
そしてここにいる亡霊の攻撃性が低いにしても、万に一つと言うことも、ありうるのであるから。
自分と三弥さんがいれば、対処できると判断したのかもない。
9歳にしてすごい自信である。
「まったく、わがままを通す方法を見つけおって」
若君はぶつぶつと不平を零したが、晶露様はまだ5歳である。
わがまま上等である。普段はお利口さんなのだから。
きっとまだ不安が残っていて、若君と離されるのをいやがったのであろう。
それに、ロウの迎えもある。
けれど、松也さんにだっこされて移動したところで、限界だったのか晶露様は眠ってしまわれた。
敵地とは言わないまでも、亡霊がいる場にいるのに、眠れるとは大物である。
それだけ若君を信頼しているということか。
若君それほどの強さなのか。
‥‥悔しくなんかない!
いつもお読みいただき、ありがとうございますv
もし少しでも続きが読みたいっと思っていただけましたら、☆をぽちりとお願いいたします!




