第138話 私、亡霊の原因を見る
亡霊の出現原因、実は明確であった。
水際に死体が数十体、打ち上げられている。
これが原因であろう。間違いない。
ここは、死体が上がりやすい場所なのであろうか?
しかし、それにしても多すぎる。
そしてなぜにあの金の魚、私たちをここに落としたのであるか!
落とすなら、説明してから落とせ!
ここで何をしろと言うのか!
「ねえさま」
「おーみー」
2人が私の胸にしがみついて、不安げに見つめてくる。
「大丈夫ですよ。私がいますからね!」
根拠のない言葉である。
強がりともいう。
しかし、私は強いて、自信満々に言葉を発した。
前世で戦場にいた経験のある私には、死体など驚きはないが、妖退治を生業にする家に生まれたとはいえ、晶露様はまだ5歳である。この光景は衝撃であろう。
ロウに至っては、これだけの瘴気溜まりに長くいたら、弱ってしまう可能性がある。
まだ生まれたばかりであるからな。早く脱出方法を見つけないといけない。
とは思うものの、私とてまだ7歳である。
言葉で安心させるだけしかできない。
だから敢えて、自信満々に言ったのである!
しかし今に見ているがいい!
私はここにいる亡霊を、一気に処理できるほどに力をつけてみせるぞ!
2人を安心させるほどにな!
強がりではないのである!
それはおいておき、現在は力なき私である。
目の前の問題に、どう対応すべきか考えなければならない。
なぜあの金の魚が私たちをここに落としたのか、落ち着いて考えれば、おのずと答えはわかる。
この亡霊らを視ればな。
我が一族は、妖退治を生業にしている。
処理をしろということであろう!
くそ金の魚め!私たちちんまい2人と妖精の雛で、処理できると思ったのか!
それほど急いでいたのか!
もう少し我々を見て、判断して欲しかったのである!
それを嘆いても始まらない。
もう飛ばされてしまったのであるからな!
現状どう解決する?
私は今申し上げた通り、処理能力はない!くそっ!
晶露様はどうであろうか?
晶露様の力がどのくらいあるのか、不明である。
もしこの亡霊を消し去る力があるとしても、震えている晶露様には無理だろう。
そして力があっても、しっかり訓練をしないと、妖や亡霊に対応するのは難しかろう。
晶露様も訓練をしているとはいえ、まだ5歳である。
最後にロウ。
我が胸で震えている。
だめである。この光景に飲まれている。
本家から出たのも、最近であるし。
本家はいわゆる聖域で、邪なものは入れないからなあ。
いわゆるロウは箱入り娘ならぬ、箱入り妖精であるからなあ。
うーん。
さてどうする?
今のところ、亡霊はこちらに意識を向けてきていない。攻撃もしてこない。
ただ浮遊しているのみである。
今の段階では、放置しても問題なさそうであるが。
しかしいつ悪霊へと変化するか。
それを推し量ることは私には難しい。
これは逃げる一択でないか?
逃げる出口がなさそうなのが、また問題なのであるがな!
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