第123話 私、山歩きをなめていた
「申し訳ありません」
私がなぜに本家子分に謝罪をしているのか。
諸君も疑問に思うであろう。
一言でいうと、私が山をなめていたせいである。
私と晶露様は、山歩き用の靴ではなく、スニーカーで、山に挑んだのである。
前世の私からみれば、山歩き用の靴でなくても、スニーカーで十分立派なものであると、賞賛に目を輝かせ、これで問題ないと判断したのである。
が。それが間違いであったのである。
私は大人の目線、自分がまだ幼児であることへの考慮が不足していたのである。
その為、黒き森人の井戸にたどり着く前に、私と晶露様はへばってしまったのである。
私はどうも自分がまだ小さき子どもであると失念しがちである。
十分留意しなければならない。
「いえ。問題ございません」
本家の子分たちはこうなることを予想していたらしく、すぐに1人ずつ私たちを抱き上げると、歩き出したのである。
くう。屈辱である。
今日に限り、本家の子分が3人だったのは、こういう理由であったと推測される。
2人は私たちを抱き上げ、運ぶ為、1人は念の為の護衛としての付き添いであった。
本家の子分たちもわかっていたなら、進言してくれたらよいものを!と一瞬恨み節に思ったが。
経験から学ぶ、それに重きをおいたのかもしれない。
確かに。私は今度山歩きをする時には、決して同じような間違いを犯さないであろう。
ぐぬぬ。
短っ!




