第120話 私、はっと気づく
私はそこで遅まきながら、次の外出先が私の願望によるもので、晶露様の行きたい場所が入っていないことに気づいた。
しおりを作りきる前に、確認しておくべきであろう。
常日頃晶露様の為の口にしておきながら、自身の願望が前面に出すぎているのではないか?
との諸君の鋭い指摘が聞こえてきそうである。
全くその通りで、反論の余地はない。
私は今更ながらであるが、隣に座る晶露様に聞いてみることにした。
「晶露様」
「はい」
「もっと早くに聞かねばならなかったのですが、晶露様が行きたいところはないですか?」
「いきたいところ」
「はい。このしおりにない場所でかまいませんよ。パワースポットを調べているうちに気になった場所などなかったですか?」
私の興味は異能に大いに振られているが、通常であれば娯楽施設、遊園地なる場所に幼児は興味を示すのではないであろうか。とはいえ、まだ晶露様は5歳とまだお小さいので、遊園地に行ったとしても乗れる乗り物が限られてしまうかもしれないが。
晶露様はしばし考えたのち、お答えになった。
「ぼくは、ねえさまといっしょにいられるところであれば、どこでもよいです。ねえさまとロウがいて、おそとでごはんをたべられたら、とてもうれしいです」
そう言うと、にこりとお笑いになられてた。
「晶露様」
私は晶露様の望みを聞いて、胸が一杯になってしまった。
あまりにもささやかな願いである。
胸が苦しい。しかしここで涙をみせるべきではなかろう。
私の心は大人である。
「さようですか。わかりました!おいしいお弁当を持って、ピクニックもしましょう!」
「はい!」
そしてそのうち遊園地なる場所にもお連れしよう!
しかし今はパワースポットを優先させていただこう!
晶露様、ありがとう!
大海は行きたいところあり、晶露は人とずっといたい。




