第112話 私、新たな春を迎える
こうして無事に晶露様の初お泊まり会が成功?に終わってからは、毎週末殆ど、我が家への晶露様の来訪が続くことになった。
晶露様は限定的とはいえ、外出が許可されたことで、元気を取り戻してくれた。
外出禁止にさせてしまった私としては、名誉挽回できたと思ってよいだろうか。
ただ、我が両親にいたっては、どうにも本家のご子息を、家に招き入れることに、緊張感を拭うことができないらしい。
それは誠に申し訳なく思うところである。
ともあれ、平日は学園から戻った後、本家に晶露さまと戻り、晶露様が就寝するまで過ごした後、帰宅。土日は晶露様が我が家へとお越しいただくというローテーションが組み上がった。
かなり縛りのある生活で、自身の気の研究などできぬのでは?と諸君は思うかもしれない。
安心して欲しい。
私は自身の気の量を増やそうという目論見は諦めてはいない。
晶露様に協力を仰ぎ、晶露様のパソコンを使って、未来に解禁されるであろう外出許可を目指して、パワースポットなるところを厳選し、決行できると仮定して、旅のしおりを次々と2人で作っている。
またロウについても、観察を続けている。
ロウ自身の能力、晶露さまとの連携。
これらの事象も興味深いが、それらが、私の能力の増加に繋がるヒントになりえないか?と、日々考えているのである。
ロウもまたパワースポットに行きたいと、テレビでの情報収集に協力してくれている。
単純にテレビを楽しめなくなったと、少し不満に思うロウであったが、晶露様の為にもなるのである、との印籠をかざせば、妖精の幼子などちょろいものである。
誤解しないで欲しい。私は私益目的だけで動いている訳ではないのである。
併せて本家の書架も大いに活用している。読み込みにも抜かりはない。
ただ、許可されたものは、序列下位の者が閲覧できるものだけであるのが不満である。
筆頭許嫁候補といえど、そこは序列下位の者には厳しい世界である。
本家の当主や前当主が私に求めているのは、子を成し、私の能力を本家に取り入れることのみであるのが、透けてみえる。
前世の貴族社会を彷彿とさせる考えである。理解はできるが気分のよいものではない。
私は家に縛られるのは、前世で十分であるので、ぜひとも他の許嫁候補には、頑張ってほしいものである。
いつおまえが家に縛られた!という前世の親友の声は、無視したいと思う。
なお、前世の友の声は、あくまで私が脳で勝手に再生しているものであるからな。
ともあれ、多少の不満はあるものの、時間を無駄にすることなく、私は外出を全面解禁に向けて、ちゃくちゃくと準備を進めている。
また我が家への外出で、平穏無事に過ごしているという実績も積み上げているのである。
そして月日は流れ流れて。
小学部に上がり、1年。
私、灰咲大海五識学園小学部2年に進級した。
これは大きな区切りであり、更なる外出禁止の緩和を進めるべき頃合いであろうと考える次第である!
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