第111話 私、晶露様と就寝する
風呂の後は、私の部屋で、日記を書き終え、晶露様と2人で、私のベッドで眠りについた。
本家子分が客間で眠るように晶露様に進言していたが、私は初めての外泊において、晶露様を1人で寝かせるなど出来る筈もない。
寂しすぎるだろう!
最初は居間に3つ布団を敷いて、真ん中に私と晶露様、左右に両親で、就寝しようと私は考えていた。
うむ。日本の古き家族での眠り方である。川の字、一本多いが、である。
しかし風呂に入って居た時に、思い直したのである。
いかな私の両親とはいえ、晶露様も落ち着かないのではないだろうか。
寝るイコール、無防備になることである。
ならば、私と2人で眠るほうがよいのではないか。
私は本家子分に、以上の思考の経緯を話した。
すると、渋々ながら、後者の案に頷いたのである。
なお、前者の案を聞いた時の両親の顔が、こわばったのを、私は知っている。
どんだけ本家の威光が染みついているのか。
護衛と割り切ればいいだけだろうに。
ああ、護衛は横で眠りはしないか。
なお、私の説得により、晶露様はたいそうお喜びになられた。
客間に布団を敷いて、2人で仲良く横になる。
隣の部屋には本家子分ズが控えている。
2人いるのだから、順番に寝て欲しい。
「ぼく、おとまりもはじめてだし、だれかとこうしてねむるのもはじめてです」
「晶露様、初めてお会いした日に、一緒にお昼寝していたではないですか?」
もっと言うなら、平日、晶露様が寝かしつける為に、ベッド横でお話ししている間に、私が寝落ちしてしまった分も含めれば、かなりな回数である。しかし、寝落ち後の翌朝には、客間で目を覚ます私である。
「あ、そうですね!でもあのときは、ぼく、ひっしだったので」
そう言いつつ、ぎゅっと抱きついてくる晶露様。
「だれかとねむるのは、こうもあたたかいのですね」
可愛さと切なさが私、の中で交錯した。
私はなんとか言葉を絞り出した。
「また1つ新しい気持ちを知りましたね」
「はい!ねえさま、おやすみなさい」
「はい、おやすみなさい。よい夢を」
なお、晶露様は、お風呂をともにするのは躊躇したが、ともに寝るのは抵抗がなかった。
どこら辺が境界なのであろうか。
悩むところである。
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