第九十一話 もう少し粘ってくれと思ったけれども
―――人は考え事をし過ぎると、うまくいかない。
そう、たとえその状況が自分の望まぬものだとしても、やるべきことがあるのならば、それに達成するためにはシンプルにしなければいけないもの。
「たとえそれがゴスロリの衣装を着せられていたとしても‥と言うか、何でこんなものがあるんだよ!!」
【ご主人様の防具作りの際に、残っていた素材を色々と使用して、気が付いたら出来ていたものデス。残念ながら、サイズの関係で私たちは着用不可ですガ】
【うむ、似合っているぞ、主殿】
【ふふふ、良いですよ、主様。お人形さんのようで、抱っこしたくなりますね】
「ちょ、クロハやめて」
”わぉ、なんかいい光景…”
”いつもとは違った、男の娘がいる景色か…ありだな!”
”理想郷はここにあったか”
わちゃわちゃともみくちゃにされている、異土…いや、今その姿はいつものモノではなく、食堂にいた女子生徒全員による監修の末に着用させられた、ゴスロリ姿になってしまった哀れな配信者。
しかしながら、単なる衣服ではなく、その中身は超合金もびっくりな頑丈さと、様々な機能の付いた超強力なマジックアイテムの装備品にもなっていた。
「とはいえ、こんな配信でかかってくるのかな…エリーゼの姉妹機とも言えるような相手がさ。流石に、こんなゴスロリ男の娘が映っているだけで、やってきたらどんだけの大馬鹿になっているのかとツッコミを入れたくなるよ」
【問題ありまセン。確実に、この愛らしいご主人様の姿を見れば、釣られてしまうでしょウ。ええ、人の趣味嗜好にはとやかく言うことはないのですが…ナイスでしょウ】
「絶対に私利私欲でガッツリ楽しんでいるよな!?何その、バズーカみたいにでっかいカメラは!!」
どさくさに紛れて、カシャカシャと大きなカメラを持っていることに異土はツッコミを入れた。
あんなもの、今までの配信で見たことはないし、どう見ても単なるカメラじゃないのはわかるだろう。
【マジックアイテムではないですよ、コレ。こういう時のために、ご主人様の姿をより鮮明に記録できるただのカメラデス。記録媒体部分だけ、ちょっと改造してテラバイト…いえ、そこはまぁどうでも良いデス】
普通のカメラならば、そこまでの容量は必要ないはずである。
いや、それでもこれはまだ、控えめな方なのかもしれない…ガチ目のだと、多分もっとやばいだろう。
それを控えているのも…
ドォォォォォォォンッツ!!
「っ!?」
【おっと、思った以上に…効果があったようですネ】
突然、鳴り響いた強烈な音。
地面が揺れ動き、見れば何かが堕ちてきたような粉塵が立ち上っている。
…どうやら想定以上に、エリーゼの仕掛けたこの罠は見事な効果を発揮してしまったようであった。
できれば発揮してほしくなかったと思うが…
飛んで火にいる夏の虫
爆速でぶっ飛んできて爆炎に飛び込む災害メイド
…何にしても釣れたから成功と言うべきか…次回に続く!!
…ちょっと新作やりたいな
あと少し決めたいのだが…




