精霊様・・・水龍に会います
小説本文 「でも、この意味って何だろう?」
「我に会いたければ・・・自分の力を示せ・・
すべての生命の中に含まれる聖なるものを・・・我に示せ・・
・・・・生命の中に含まれる聖なるものってなんでしょうね?」
「生命・・・全ての生きている者の中にあるもの・・・」
「んー、なんだろう?・・・爪?いやでも魚にはないし・・・
血液?・・・あぁ血液か・・・魚にもあるし私たちにもある・・・」
「じゃあ一回やってみて・・」
武器・・ナイフを取り出し指を軽く切って岩に血をかける
・・・・しかし何も変化はない
「んー違うか・・」
「でも、近いと思います。血に水分が含まれていますから」
「そうだな・・・たぶん地に関連していると思うよ・・違う方法で再現してみれば?」
がっかりとしている私に慰めの言葉をかけるルナとウィン・・・
「たとえば?」
「・・・水をかける・・・または水の魔力を岩に流してみるとか」
水ね・・水はないから魔水でもいいかな・・
魔水を取り出しかけてみる・・が変化は何もない・・・
水じゃない・・・なら・・
「魔力か?」
手の方に魔力を集めつつ魔力に水の属性をなじませる・・・
魔術が使えないだけで放出はできる・・
「魔力の放出っと」
手から魔力を出し岩に魔力がつくように近づける
・・・ゴゴゴ・・ゴゴ・・・ゴゴゴゴゴ・・
と大きな音を立てながら、くずれていく大きな岩・・・
時々、ゴロゴロと岩のかけらと思わしき石が私の足元に転がってくる
大きいのも転がってきたので当たったら危ないということで
『保護の領域』という魔法で結界をかける
『保護の領域』はその領域の中にいる場合は完全とは言い切れないが、
ぶつかってくる岩を防ぐことはできる
転がってきても結界に当たり砕け散る・・
「さて・・もういいかな?」
岩が完璧に崩れた後に残ったのは・・・
地下につながると思わしき階段・・・
どこまで続いているかわからないほど薄暗く、夜かと感じさせてしまう。
「行こうか・・・ウィン、ルナ」
ルナを抱きかかえ、ウィンが私の肩に乗る
「しっかし何にもない・・それに暗い・・・」
『点灯』明りが歩くと同時に動き出す・・
歩いたらその分だけ光も動くから便利だ・・・
ランプが自分についてくると表現したらいいのだろうか・・
光が明るく照らし、暗かった地下が私たちの近くだけ明るくなった。
しかし、それより先は、道がわからない・・・
500歩ぐらい歩いただろうか・・・
奥から水が流れるような音が聞こえてくる・・
川が流れているんだろうか・・
「分かれ道?」
2つに分かれてる分かれ道・・・
「どっちに行く?」
「どっちに行ったって一緒だけど・・・選んだ道が違うかもしれないね・・・」
「んーなら二手に分かれましょう!」
「そうだな・・・。なら、手の向きだな。グーとパーで・・・」
「じゃあ行くよ!・・・・グーとパーで分かれましょ!」
私が出したのはグー、ウィンもグー。ルナはパーだ・・・
ルナは右、私とウィンは左の道を行くことになった
「ルナ・・・一人で大丈夫?」
「大丈夫です!任せてください!」
「何かあったら叫んでね?」
ルナが立ち去ったのを見届けてから、私はウィンとともにルナとは別の道を進んでいった。