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1ー2

 お昼前にお腹が空いて目が覚めた。頭痛はさっきよりずっとよくなってる。


「よかった。また吐くまで痛くなったらどうしようかと思ってたよ」


 家の中でひとり言を言う自分に笑えてくる。


 実のところ、あたしは頭痛のサラブレッドなのだ。


 なにを隠そう、おじいちゃんとおばあちゃんが頭痛持ちだし、あたしほどじゃないにしても、パパも頭痛持ちだからだ。


 そんな嬉しくないサラブレッドのあたしが、ようやく顔を洗うことができて、テーブルに目を向けると、レトルトのお粥パックと卵焼き、それにサラダが並んでいた。


 さらに、お味噌汁は温めて飲むようにとメモまであった。


 これを書いたのはパパだ。見慣れた字だし、なによりお味噌汁を毎日飲むのが日課だからだ。


 つまり、朝食とお弁当はパパが作ってくれている。


 ママはそういうのが苦手なのだそうで。洗濯や掃除なんかは積極的にやってくれてる。


 あたしもなにか手伝いたいけど、あたらしいママに対する嫌がらせみたいに思われたら嫌だなって思うとなにもできない。


 ガスに火をともしてお味噌汁を温める。同時にお粥のパックは電子レンジにかけた。


 あたらしいママができて半年が過ぎたけれど、なんとなくまだ馴染めていない。


 特に、今朝みたいに頭痛がひどかったりすると余計に神経にさわる。


 ママが悪いわけじゃなくて、家の中にパパとあたし以外の人がいるっていうのがすごく変。


 だけど、パパはママのことを好きだし、あたしもなんとか馴染もうと努力はしてるよ。


 高校卒業したら、一人暮らしするつもりだしね。


 だけと、なんだかなぁ。


 まだそういう実感がないんだよね。


 これまでずっとパパと二人きりだったから。


 そして時々ママの目があたしを睨んでいるような気がしてならない。


 パパはそういうところ、もう少し考えて欲しいんだけど。あたしもパパに甘えすぎているんだよね。


 だってもう、なんでも半分こして生きてきた人生が長いからさぁ。


 だから、パパがママを連れてきた日のことは鮮明に覚えている。


『ヒカル、紹介するよ。あたらしいお母さんになってくれるあかりさんだ』


 まさに青天の霹靂。


 この後あたしが熱を出して寝込んだことが人生の中での唯一の汚点だ。


 とにかく。今は食べなくちゃ。それからまた身体を休ませておいて、夜までに完全復活したい。


 そして地味に小テストのことが気がかりでならない。


     つづく

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