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1ー1

「ヒカル、おはよう!! 朝だよ。ほら、起きな」


 パパに起こされるのが日常なんだけど、あたし今日頭痛い。


「頭痛いの? どれ、熱計って。どれくらい痛いの?」

「頭のうえにスフィンクス乗せてるくらい痛い」


 我ながらお馬鹿な答えだなと思いつつも、パパはそれでも心配してくれる。


「三十七度か。微熱あるね。学校休む?」

「ん〜? そこまででもない」

「ヒカルちゃん、おはよう。あら、どうしたの? 具合悪い?」


 意地悪な継母ではなく、あたらしいママまであたしの心配をしてくれる。でも、視線がちょっと痛い。


「あの、頭痛がして」

「本当? 病院行く?」

「そこまでじゃないです。あたし、頭痛持ちなんで、少し寝たらよくなるかも……」


 と答えながら、スマホで天気図を調べる。低気圧七つ。


 お手上げだ。


「やっぱり今日は学校休む」

「それがいいね。薬はあるの?」


 パパはいつもあたしが頭痛薬を入れているケースを開く。


 普通の女の子だったら、ここで嫌悪感出るところだけど、うちはこういうのご普通だから、薬を見つけて持ってきてくれたパパに感謝。


 ついでにコップに水注いでくれたママにも感謝。


「それじゃ、学校にはお父さんから連絡しておくよ。無理なようだったら、電話してね」

「はい。色々ありがとう。お仕事がんばってください」


 こうしてあたしは薬を飲む前に、部屋に置いてある小型の冷蔵庫の中からゼリー状の栄養補給液を飲み込んだ。


 この食感、いまだに苦手なんだよね。それから薬を飲むと、氷枕を持ってきてくれたママにお礼を言って、しばらく眠ることにした。


 けど。あれだな。小テストあったじゃんっ!! 


 おのれ、気圧めっ!!


 こうしてあたしは、こめかみに梅干しを貼ることもなく眠りについた。


 え? こめかみに梅干しを貼るのはなんでかって? それは昔の人の言い伝えみたいなものがあって、頭痛の時はこめかみに梅干しを貼りなさいっていう謎のうんちくがあったりするのだ。


 とにかくそれで一度眠りについたあたしだけど。


 ピコ。


 ピコピコ。


 ん〜。パパが心配してちょくちょくメール送ってくる〜。寝ていられないよぅっ。


     つづく

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