第8話 コンビニ強盗との対決
ある日天野がコンビニのバイトに行こうと道を歩いていると途中で弥生とばったり会った。
「天野君、いい所で会ったわね。今からコンビニのバイトでしょう。いい、よく聞いて。あなたのバイト先のコンビニに強盗が来るわよ。気をつけて、黄色い野球帽をかぶった男が来るわ。そいつよ、わかった」
弥生はそれだけ言うといなくなった。
天野は突然のことにびっくりしてしまった。
弥生は予知能力があるから当たっているのだろうが、そのことを聞かされた方はどう対応していいのかわからない。
警察を呼ぶにしてもまだ強盗は来ていないのだ。
店長に話しても信じてもらえないだろう。
天野はコンビニに着くと制服に着替えてその時を待つしかなかった。
40代の北島店長はこの店のオーナーだった。
今日は店長とパートの前野さんという中年の女性と天野の三人で仕事をすることになっていた。
『いいか、よく聞け。天野、まず自分の身を守るために念力で自分の周りにバリアを張っておけ、次に強盗が来たら念力で武器を手から叩き落とせ。そして念手で相手の体を拘束したら念糸で相手を縛って身動きできないようにしろ。わかったな』
天外屋法市はそれだけ言った。
天野がドキドキしながら仕事していると、『天野来たぞ』という天外屋法市の声が頭の中で聞こえた。
幸いなことに店には客はいなかった。
黄色い野球帽をかぶった中年の男が店に入ってきた。
「いらっしゃいませ」と天野が言うと、その男は直接レジにやってくるといきなり包丁を出して叫んだ。
「金出せ、こらあ」
前野さんがきゃっと叫んで床にうずくまった。
強盗に会った時の訓練通りに店長は冷静にレジからお金を出すと、黙って男に差し出した。
こういう場合は強盗を刺激してはいけないのだ。
強盗は持ってきた黒いバッグにお金を入れると逃げようとした。
天野は何だか腹が立ってきた。
みんなで働いて作ったお金を強盗なんかに持っていかれたらたまったものではない。
天野は念力で自分の周りにバリアを張って身の安全を確保すると、金を持って立ち去ろうとした男に向かって念力で男の手から包丁を叩き落とした。
男は何が起こったのかわからず立っていた。
天野は男が逃げないように巨大な念手で男を掴むと動けないようにした。
天野は呆然としている男をすぐに念糸でグルグル巻きにして身動きできないようにしてゆっくりと床に転がした。
念力修行のおかげでスムーズに対応できた。
店長と天野は店にあったさすまたで男を床に押さえつけた。
前野さんが警察に通報するとすぐに警察がやってきた。
強盗は警察に連れて行かれた。
他の警察官が店長に強盗が来た時の状況を詳しく聞いていた。
警察関係者が去った後、店の中に弥生が入ってきた。
「上手くいったようね。私がコンビニで暴れている男がいるって通報しといたのよ」
「だから警察がすぐに来たんだ。でも怖かったなあ。強盗なんて初めて見たよ」
「念力で上手く制圧できたようね」
「弥生さんが前もって教えてくれたのはいいんだけれど、もう緊張しちゃったよ。本当に」
「これも経験よ」
弥生はそれだけ言うと去って行った。
その夜寝ていると、天外屋法市が夢の中に現れた。
『今日は初めての実戦にしては、まあまあだったな』
『天外屋法市のアドバイスのおかげで上手くいったよ。もう寝るわ』
天野は初めて強盗を捕まえたことで興奮していたがすぐに寝た。




