第4話 超能力者達の雑談会
天野は超能力同好会のメンバーの能力に圧倒されていた。
異能が天野の気持ちを読んだのか笑って言った。
「なーに、最初はみんなこの場の空気に圧倒されるのよね。気にすることはないよ。このクラブの目的は異能を持つ者が抱える悩みを雑談をしながら解消することなんだからさ」
「みなさん、やっぱり悩みがあるんですか?」
天野が率直に質問した。
「千里眼って何かわかる?」
鈴木圭が試すように天野を見た。
「遠くにある物を見る力なんじゃないんですか」
天野が素直に答えた。
「いつもみんなに言ってるんだけどね。何でもかんでも見えてしまうのよ。困ったことにさ。でも成長していくにつれてこの力をコントロールする方法を体得したわけなのよ。だから今は見たくないものは見ないようにできるのよ」
鈴木圭がパチリとした瞳をキラキラさせて言った。
天野がなるほどと頷いていると、鈴木圭が言った。
「あなたのことを見てもいいかしら?」
「ええ、何ですか?」
「あら、あなたの中に誰かいるわね。どういうことかしら」
「いやそれはまだ勘弁して下さい」
「わかったわ」
鈴木圭にはもう何かが見えているのだろう。
うっすらと微笑んでみせた。
天野は話題を変えることにした。
「あの、魔剣って何なんですか?」
天野は今度は霞斬想三郎に向かって質問した。
「うん、僕は木刀を使うんだけどね。僕は木刀を真剣にする力を持っているのよ」
「はあ」
天野はいまいちピンとこなかった。
『この人は何を言っているのだろうか?』
天野の正直な気持ちだった。
霞斬想三郎がすっと立ち上がると、白い紙切れを宙に投げて木刀を軽く横に振ってみせた。
白い紙切れがスパッと二つに切れて宙に舞った。
「こういうことだよ」
木刀が一瞬真剣に変わったのだ。
天野の額から汗がたらりと落ちた。
『何なんだ。この人は』
「そのうちメンバーの能力を色々な場面で見ることになるよ」
異能が頷きながら笑って言った。
「みんな今日はもう帰ろうか」
異能の一声で雑談会は終わった。
自分のアパートに向かって歩きながら、天野も自分の超能力を自由に使える必要があると感じたのだ。
「ねえ、天野君さあ、ちょっと歩こうか」
気づかないうちに弥生が横に並んで歩いていた。
「天野君さあ、私の能力が何かわかる?」
「あの、くノ一さんじゃないんですか」
「そうだけど。私はね、色々とわかっちゃうのよね」
「はあ、どういうことですか?」
「そのうち、わかるわよ。それじゃあまたね」
弥生はそれだけ言うと走って行った。
『わかっちゃうってどういうことなんだろう』
天野はそんなことを考えながら自分のアパートに歩いて帰った。
その夜夢の中で天外屋法市の超能力講座が行われた。
『千里眼の鈴木圭さんが僕を見て誰かがいるわって言っていたけど、天外屋法市のことが見えたのかな』
『そうだな。千里眼なら見えるだろうな。別に俺のことがわかっても問題はないよ。信じる者もいれば信じない者もいる。まあ俺のことを話しても問題はないよ。もうすぐあの世に行くんだからな。それよりもおまえ集中的に特訓した方がいいな』
『明日は授業がないからそうするよ。もう寝るわ』




