第26話 占い師藤堂理沙と鬼姫銀河との出会い
noteに投稿していたキャラクターのお話の新作を投稿しましたが他のサイトのものとキャラクターが被るのは好ましくないと考えて修正しました。よろしくお願い致します。
K市のあるビルの一室。
そこに藤堂理沙人生相談所はあった。
「理沙所長、おはようございます」
銀河がいつものように朝の挨拶をした。
「あら、おはよう」
藤堂理沙が挨拶した。
藤堂理沙は魔女だった。
彼女は神秘的な雰囲気を持つ女性であった。
若く美しく上品な空気感を漂わせていた。
理沙はコーヒーを飲みながら約3年前のことを思い出していた。
「銀河さんは3年前のことを覚えているかしら?」
「もちろんですとも、理沙所長に初めて会った時のことですわね」
約3年前のことだった。
理沙の事務所に鬼姫の銀河が現れたのだ。
彼女は背中に大きな赤いリュックサックを背負っていた。
銀河は山奥にある鬼の世界からやってきたのだ。
銀河は鬼の世界に住む鬼の将軍の愛娘だった。
鬼の将軍は人間界で暮らしてみたいという娘の願いを叶えるために知り合いの理沙に世話をお願いしたのだった。
まだ17歳で自分の能力に自信を持っていた銀河はいきなりこう言ったのだ。
「よろしくお願い致しますなんですが、私は自分より弱い者の言うことは聞けないので私と勝負してほしいのですよ。理沙所長が私より遥かに強いことを確認させて下さい」
理沙は思わず笑ってしまった。
「ふふふふふ。何て元気なお嬢様なのかしら。いいわよ。かかってらっしゃいな」
銀河が自分の頭を触ると角が1本生えてきて伸びてきた。
彼女は頭の右側に生えてきた角を引き抜いた。
長さは1メートルはあっただろう。
「この角剣で叩っ斬ってもよいですか?」
理沙はニコリと頷いた。
銀河は角剣を握りしめていたがピクリとも動かない。
理沙が魔法をかけていたので動けなかったのだ。
「参りました。ご無礼お許しください」
銀河が頭を下げると理沙が笑った。
「お嬢さん、戦う前に自分の実力を知らなければいけませんよ。よろしくって」
「はい。理沙所長。これからよろしくお願い致します」
その日から銀河は理沙の秘書として働き始めたのだが、人間界のことを知らなかったので失敗ばかりしていた。
理沙はまず銀河に日本語を教えた。
銀河は大好きな日本のアニメや歌に親しむことで日本語を覚えた。
銀河は頭脳明晰だったのですぐに日常生活用の日本語は使えるようになった。
日本語の次は礼儀作法だった。
理沙の所にやってくるお客様との対応を見せることで理沙は銀河に礼儀作法を教えていった。
数か月もすると、銀河は普通の日本人の娘として生活できるようになっていた。
銀河は鬼だったが、普段は角を隠していた。
怒ると角が出てくるのだ。
銀河は見た目は普通の美しい日本人の娘だった。
理沙の仕事は水晶占いだった。
水晶を見るとほとんどのことがわかってしまうのだ。
仕事はまあ順調だった。
理沙は魔法使いだったので簡単に大金を稼げるのだが、それでは面白くない。
人間らしく地道に稼ごうと思ったのだ。
何をしようかと考えた時に、水晶占いをしようと思ったのだ。
人間の世界で魔女の看板を出すわけにもいかないので占い師の看板を出すことにしたのだ。
占い師には魔女に通じるものがあると思ったのだ。
藤堂理沙人生相談所には色々な相談が持ち込まれた。
理沙はそれらに的確な判断を下して対応することで依頼者に信用されていたのだ。
理沙が人間として魅力的なこともあって自然と人脈は広がっていった。
理沙はそれなりの資産を持っていたので別に仕事をする必要はなかったが、人間社会というのは仕事をしていない人を変な目で見ることを知っていたのである。
いわゆる世間体というのを考慮して理沙は占い師をやっていたのである。
自分が主体となってやる仕事というものは面白いものでやっているうちに理沙は仕事の面白さがわかってきたような気がしていた。
それでこの仕事を続けていたのである。
お客はポツリポツリとやってきていた。
ある意味理想的とも言えた。
あまりにも相談者が多いと丁寧な対応が難しくなるからである。
あまりにも暇だと何のためにやっているのかわからなくなる。
ぼちぼち仕事をするのが理想なのである。
「理沙所長、今日は暇みたいですわね」
「そうね。今日はお客様はもう来ないから早いけれどもう閉店にしましょうか」
理沙の一言で『藤堂理沙人生相談所』は閉店となったのである。




