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転生忍者天外屋法市  作者: 萩武


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第22話 アンドロイドのマーシャ

 天野は授業が終わったので部室に顔を出すと見知らぬ美女が立っていた。

 美女の横に一人の青年が立っていた。

 部員のみんなが珍しそうに二人を見ていたのだ。

 「ああ、天野君紹介しよう。工学部の学生の鉄山さんとアンドロイドのマーシャさんだ」

 異能がそう言うと、

 「はじめましてロボット工学科の鉄山浩二といいます」

 いかにも秀才そうな銀縁眼鏡をかけた青年が口を開いた。

 「私はアンドロイドのマーシャです。よろしくお願い致します」

 「アンドロイドって何ですか?」

 天野は訳がわからなかった。

 「僕達はロボット工学科でアンドロイドの開発をやっていましてね。このマーシャは僕達の作品なのですよ」

 「どうやらマーシャさんが超能力に関心があるみたいでね。超能力同好会に遊びにやってきたというわけですよ」

 異能がニコニコしながら説明した。

 「あの、マーシャさんてどんなアンドロイドさんなのですか?」

 天野が質問した。

 どこからどう見ても人間の女性にしか見えないのだ。

 さらさらとした黒いロングヘアとダイヤモンドのように輝く瞳、そしてスラリとした曲線美を持つ体。

 女性として完璧とも言えた。

 女性タイプのアンドロイドに触ったらセクハラと言われるかもしれない。

 「マーシャは最新の人工知能を持っているので知能は人間と変わりません」

 「あの今はどういう生活をしているのですか?」

 弥生が好奇心で目を輝かせてじっとマーシャを見て言った。

 「今は女子寮で女子学生達と一緒に過ごしています」

 マーシャが日本人のように流暢に日本語を喋った。

 「まるでSF映画だな」

 山川大気が感心していた。

 「とうとう日本の科学もここまで来たか」

 大空航一が夢見るようにマーシャを見ていた。

 「あの、お友達になってもらえますか?」

 間忍が言うと、

 「こちらこそよろしくです」

 マーシャが今度はアンドロイドっぽくぎこちなく答えた。

 「お風呂とか入るのですか?」

 鈴木圭が訊くと、

 「お風呂大好きです。銭湯にも行ってみたいよね」

 マーシャが答えた。

 「へえー、アンドロイドもお風呂に入るんだ」

 弥生は感心してマーシャを観察していた。

 「これだけ素晴らしいアンドロイドを製作したのですからメディアが大騒ぎするんじゃありませんか」

 天野が素朴な疑問をぶつけた。

 「おかげさまで色々な所から取材依頼が来てびっくりしているところです。大学なので慎重に対応していこうと思っています」

 鉄山が役人みたいな言葉で返事した。

 「あの何か超能力を見せてもらえないでしょうか?それが目的なので」

 鉄山が異能に向かって言った。



 「ああ、そうでしたね。天野君、何かやってみせてよ」

 「ええ、僕ですか。それじゃあ、行きますよ。マーシャさん」

 天野は巨大な念手でマーシャを軽く掴むと宙に持ち上げた。

 「わお!何てこったい。くすぐったいぜ。このセクハラ野郎!」

 マーシャが思わず叫んだ。

 こんな変な日本語どこで覚えたのかね。

 「あたいの体が宙に浮いているぜ。どうなっているのよ?」

 天野は女性タイプのアンドロイドの体を掴むのには抵抗があったが、念力だからしょうがない。

 天野はマーシャを下ろすと部室の外に出た。

 部室の中は狭すぎたからだ。

 マーシャはなぜかファイティングポーズをとっていた。

 「さあ、かかってこいや」

 マーシャが空手の動きをしてみせた。

 パンチ、キックどれも速すぎてよく見えなかった。

 「いやあ、アンドロイドって凄いパワーを持っているのですね」

 異能が呆れて見ていた。

 マーシャに蹴られたら大変なことになってしまうだろう。

 「ちょっと、鉄山さん。マーシャは僕と戦うつもりなのですか?僕は怖いな」

 天野が不安そうに鉄山を見た。

 「マーシャ、落ち着いて。戦わないよ」

 「わかっているさ。ちょっとからかっただけよ」

 マーシャはそう言うとウインクしてみせた。

 天野は今まで女性タイプのアンドロイドにウインクされたことがなかったので感激して思わず涙が出た。

 「人間の男って単純ね」

 マーシャが笑った。

 弥生も忍も鈴木圭も女子はみんなつられて笑った。

 「何だか、マーシャさんてユーモアのセンスがあるのではないですか?」

 天野が鉄山に言った。

 「そうなんですよ。マーシャはお笑いが大好きなんですよ」

 マーシャは学習のために色々なものを参考にしていたが、なぜかお笑いにはまってしまっていた。

 「マーシャさん、今僕があなたを念の力で持ち上げましたよね。それが念力です」

 「なるほどね。触らずに物を動かす力ね。わお、素晴らしいです!」

 「じゃあ、これはどうかな」

 大空航一が空飛ぶ棒に乗って空を飛んでみせた。

 それを見たマーシャが軽くジャンプしてみせた。

 5メートルほど宙に浮き上がったのだ。

 「マーシャ、凄いわよ。あなたのジャンプ力」

 弥生がびっくりして叫んだ。

 「まあ、日常生活を送る上では力の調整とかを学習する必要がありますね」

 鉄山が淡々と喋った。

 「そうですね。マーシャもみなさんと会って興奮しているようですし、今日はこの辺でやめておきます」

 鉄山とマーシャは軽く頭を下げると自分達の研究室へ帰って行った。

 「僕達も今日は終わろうか」

 異能が言うとみんな帰って行った。

 天野が歩いていると弥生が横に並んだ。

 「でもアンドロイドって凄いわよね」

 弥生が独り言のように呟いた。

 「しかし、マーシャの喋り方は面白かったなあ」

 天野と弥生は顔を見合わせて笑った。





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