第13話 暴走族との乱闘
異能達人は研修を終えて正式にC級魔法使いになった。
魔法使いの基本は何と言っても呪文だった。
異能は魔法使いになるために今まで多くの呪文を学んできた。
ただ呪文を覚えるだけでは魔法は使えない。
その呪文の持つ意味と役割を理解していなければ呪文は成立しないのだ。
研修では呪文の持つ意味と役割を徹底的に学んだのだ。
ある日の夕方、異能が正式にC級魔法使いになったことと天野の入部と親睦会を兼ねて飲み会が行われた。
弥生の予知によると、飲み会が終わった後に超能力同好会のメンバー達と暴走族との接触があることになっていた。
飲み会の後、メンバー達が街の広場を歩いていると、広場の中に暴走族数十名がバイクに乗って侵入してきた。
「来たわよ」弥生が面倒臭そうに言った。
「おい、そこのかわいいお姉さん達、俺達と遊びませんか?」
サングラス姿のお兄さんが声をかけて弥生に触ろうとした。
次の瞬間、そのお兄さんは吹っ飛んだ。
弥生の空気投げをくらったのだ。
そのお兄さんはそのまま三秒間空中に浮いていた。
天野が自分の将来の花嫁に接触しようとした男に腹を立てて念力でお仕置きしたのだ。
暴走族達が天野に向かって襲いかかった。
天野は一般人を怪我させないように自分の周りに念力でバリアを張った。
天野に飛びかかった男達は訳がわからないままバリアに押し返されて首を傾げていた。
間忍も体に触ろうとした男をかわして立ったまま関節技を軽くかけて地面に転がした。
気功師の山川大気が乱暴な連中に腹を立てて手の平から熱気を放出すると、周りにいた暴走族達が熱い熱いと叫んで逃げ出した。
暴走族のリーダーみたいな2メートル近い大男が鉄パイプを持って現れるとブンブンと振り回し始めた。
それを見た忍が「想三郎、やっちゃいな!」と叫んだ。
紫色の着物姿の霞斬想三郎がゆっくりと歩いてきた。
想三郎は手にしていた木の杖をブンと振ると木刀に変えた。
「おまえは、誰だ!」
鉄パイプを持った大男が叫んだ。
「拙者、霞斬想三郎と申す。お主は」
「俺は鉄パイプの丈だ」
丈はそのまま鉄パイプを想三郎に打ち下ろした。
想三郎は鉄パイプを木刀で叩き切った。
丈は呆然としていた。
木刀で鉄パイプを切るなんてありえないからだ。
「魔剣敵意斬り!」
想三郎はそう叫ぶと木刀を丈の前で右横に振ってみせた。
丈は突然我に返ったようにはっとするとお辞儀をした。
「失礼しました。お騒がせ致しました。おい、帰るぞ!」
丈がそう叫ぶと暴走族達はその場から去って行った。
「何ですか?今のは」
天野が呆気に取られて叫んだ。
「相手の敵意を魔剣で斬ったのでござるよ。それでは御免!」
想三郎はそう言うと立ち去った。
「僕等も帰ろうか」
異能が言うとみんなその場を立ち去って帰って行った。




