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転生忍者天外屋法市  作者: 萩武


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第10話 天外屋法市あの世へ行く

 ある夜、天野が寝ていると夢の中に天外屋法市が現れて言った。

 『おい、天野。ちょっと俺あの世へ行ってくるわ』

 『ええ、もういなくなるってことかな?』

 『あの世へ行く途中におまえの体の中に寄り道したわけだからな。あの世へ行っとかないと色々面倒なのさ。おまえも念力を使えるようになったしな。思念は時空を超えるから連絡できると思うわ。それじゃあな』

 そう言うと、天外屋法市は天野の体の中からいなくなった。

 天野は気のせいか何だかすっきりした気分になった。

 天外屋法市はあの世へ向かって飛んでいた。

 天外屋法市って何者なのだろうか。

 天外屋法市という忍者は超能力忍者として戦国時代に活躍したらしい。

 彼の念力は凄まじく戦う相手を常に圧倒していた。

 今回は彼が幽体離脱者として宿っていた人間が天寿を全うしたので、あの世へ行くことになったのである。


 天野は授業が終わったのでいつものように部室に顔を出すと、何だかいつもと雰囲気が違っていた。

 間忍を中心にみんなが輪になって座っていた。

 「一体何事ですか?」

 天野を見た弥生が小さな声で言った。

 「今、忍ちゃんが宇宙人とチャネリングしているのよ」

 「チャネリングって、あの宇宙人とかと交信するアレですか?」

 「そういうこと」

 間忍がチャネリングしていたのはヒラリ星に住むボンボンジュールという異星人であった。

 「あなたは一体誰ですか?」

 忍が訊いた。

 「私はヒラリ星という星に住むボンボンジュールという異星人ですよ。そこはどこですか?」

 忍が異星人の口調で尋ねていた。

 「ここは地球という星にある日本という国です。地球を知っていますか?」

 忍が異星人に尋ねた。

 「緑が美しい星だとみんな言っていますよ」

 忍が異星人の口調で答えた。

 突然間忍の口調が変わった。

 「おい、天野。俺だよ。天外屋法市だよ」

 「げっ、天外屋法市じゃないか。そこで何しているんだよ?」

 「いや、俺がさ、あの世に着いて周りの人々と話していると、いきなりここと繋がったのさ」

 忍が天外屋法市の口調で喋っていた。

 「なるほど、チャネラーの忍ちゃんが天外屋法市を呼んでしまったということなのね」

 弥生が納得して頷いた。

 「しかし、天野。おまえの隣にいる久野井弥生はいい女だな。おまえその娘と結婚するんだろう。幸せになれよ。それじゃあ、また会おうぜ」

 間忍がはっとして目を見開いた。

 「私何かいけないこと言いました?天外屋法市という存在がいきなり私の頭の中に飛び込んできて喋り出してしまったみたい」

 「へえー。天野君と弥生さんは結婚するのですか」

 山川大気がちょっと驚いたように言った。

 「いや、その何て言うか。私の予知能力ではそういうことになっているのよね」

 弥生が頬をぽっとピンク色に染めた。

 「よかったよかった。幸せになるっていいことだよ」

 異能が拍手するとみんなもつられて拍手した。

 天外屋法市の乱入によりチャネリングは終わった。

 間忍は間流の忍法を修行する過程でチャネラーとしての能力が覚醒したのだ。

 たまにこうやってチャネリングをやるのであった。

 みんな未知の宇宙人と交信したいと思っていたからだ。

 宇宙人がいるかいないかよりも未知の情報に接してみたいという好奇心の方が強かった。

 「僕はもう帰るわ」

 天野は忍のチャネリングで天外屋法市が出てきたことで少し混乱していたのだ。

 天野が歩いていると弥生が横に並んで歩いていた。

 「弥生さんを僕の両親に紹介する必要があるね」

 天野の言葉に弥生は嬉しそうに笑うと走って行った。




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