蒼天の剣は空に輝く【前編】
この復讐は彼、グレイ・マッケンリーの物だ。
今回は私の出る幕ではない。
エマさんを奪われた 悲しみ 怒り 憎悪 グレイが幸せになれる未来を全て奪い去ったこの男、マルス・レインに制裁を与えるチャンスがどうしても欲しかった。
私の家族を苦しめた代償は、きっちり払って頂こう。
だから私は全てを託したのだ。
「どう足掻いた所で貴方は確実に死刑台に送ります。 ですが今回だけは私の役目ではありません。 グレイに因縁があるのでしょう? その役目はグレイにこそ相応しい!」
修練場の人々は騒然とし、膝を落としたグレイに注目を浴びせた。
「お嬢様、今なんと仰いましたか!?」
「グレイ、これは貴方の復讐です。 エマさんの仇を絶対に取って下さい! 貴方とエマさんの尊厳を守る為にもう一度立ち上がりなさい! 聖騎士グレイ・マッケンリー!!」
涙を流すグレイに、私は喝を入れ鼓舞させる。
「この様な御慈悲を頂いて本当によろしいのでしょうか…… 死罪とあれば多少は報われます。 出来れば私が引導を渡してやりたい!! ですが、私にそんな価値がーー」
「待て!!」
グレイの言葉を遮る様にその男。
白のタキシードに真っ黒のマントを靡かせて私とグレイの間に割って入った。
「ーー国王!?」
相変わらず服装のセンスは無いけれど、この事態に現れると言う事は只事ではないのだろう。
「久しぶりだなグレイ。 少し老けたな」
「こ、国王陛下!? どうしてこんな所に?」
「マルス・レインの処分は私の騎士団長に一任する! 部外者は去れ!!」
こんなのはあんまりだ。
国王はマルスがグレイの仇であると一番よく知っている筈なのにどうしてそんな酷いことが言えるのか。
「待って下さい国王! マルス・レインはグレイの仇何ですよ。 国王が一番良く分かっているはずですが何故そんなことを仰るのですか!!」
「いくらエミアの頼みでもそれだけは聞けぬ! 絶対に譲らん!」
そりゃそうだとグレイも力無く頷くが、信じられない言葉を国王は発言した。
「我が国王が命じる。 グレイ・マッケンリーを本日に限って聖騎士団並びに団長に任命する!!」
静寂の中で、国王陛下の言葉だけが強く響いている。
その熱さ、言の葉の重みに修練場の人々は心を震撼させたのだ。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました!
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