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最強メンバーのクラス召喚  作者: 柊さなと
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第十一話 出立

あれから俺はサリアさんを通してブラッド陛下に遠征の許可を求めた。すると驚くほどすんなり許可され、必要なものを手配してくれた。

そして一週間後。

「それでは、実り多き旅になることを期待している」

「有難うございます。それでは、われら勇者一行遠征に出発いたします」

 俺たちは旅の支度を整え、出発しようとしていた。

 この旅の大きな目的は、各地を周り魔族による被害を知り痕跡から対策を立てることと、強力な動植物と戦い実戦経験を積むことだ。

 大久保がご希望の研究メンバーやエルフはその過程で見つけられたら御の字だろう。

 その彼の希望もあり、この旅の最終的な目的地は、エルフの都市がある西部のサナレの森にしている。

 なんとも心躍る予定に仕上がったものだ。


 唯一の不満があるとすれば、

「それでは皆さん。気を付けて進みましょう」

「はい、サリアさん。この度はご同行有難うございます」

「いえいえ、私は皆さんの教育係ですから当然ですよ」

 敵であることが確定しているこの人がついてきてしまったことだろうか。王宮への連絡役は必要だろうし、この世界に不慣れな勇者だけで旅をさせるのはあまりに不用心だから当然のことではある。実際この人優秀だし、しょうがないね。


「皆さんもこれからよろしくお願いします」

「私共はこれから皆さんの身の回りの世話や御者などを務めさせていただくセバスチャンと申します。なんでも気軽にお申し付けください」

「私共?四人とも同じお名前なんですか?」

「セバスチャン家は執事の名家なんです。王家にも使えているほどで、実力は折り紙付きですよ」

「そうなんですか。それでしたら頼らせてもらいますね」

 なんともまあ、執事っぽい名前だこと。四人とも同じ格好をしていて雰囲気も似ているので、顔をよく見ないと区別がつかなそうだ。つける必要もあまりなさそうだが。


「それでは皆さん。馬車の中へお入りください」



 王が用意してくれた馬車は、華やかさには少々かけるものの、強靭な動物の皮を張られ、固くそれでいて軽い木材で組まれた実用性に特化したものだった。

 俺たちが見た目よりも性能を重視することをよくわかっていらっしゃる。

「ほう、これは何の皮なのかな?」

 見慣れぬ皮革に水無月の興味が向いたようだ。

「こちらはイカヅチクジラの革です。雨風に強く、魔法耐性も高く、刃を弾くので要人の乗る馬車によく使われます」

 そんな皮をもつ動物とは戦いたくないですね。名前的に絶対雷操るでしょ。



 俺が乗る一号車に同乗するのは皇さん、忍、水無月、サリアさんの四人だ。

 なぜここに俺が放り込まれてしまったのか。ほかにも女子はいるというのに。

 いや、確かにうれしいとも。可憐な女性たちに囲まれるのは本当に光栄だ。

 だが、この馬車はかなり大きめの物とはいえ5人も乗るとなかなかに窮屈だ。馬車が揺れたときに体が触れ合ってしまったことも一度や二度ではない。

 おかげで全く気の抜ける時がない。彼女らは雑談に興じたり、外の景色を眺めたりしているが皆一様に完全にリラックスしていてあまりに無防備に過ぎる。ここに男性がいるのを忘れているのではあるまいか。

 そんな益体もないことを考えるのはやめにして、俺は決死の覚悟とともに会話に加わっていくのだった。


それから十数分後、俺たちの視界に宮殿を囲うように盛り上がった大地と、その上に立つ城壁、そして大きく頑丈そうな門が見えてきた。


「あれが宮殿と外部の唯一の出入り口、『オリヴァス大門』です」

「このリカナ宮殿が霊峰オリヴァスのカルデラを利用して作られたと授業でやりましたね。この梺に王都アリヴァスがあります。皆さんはまずそこで数日間過ごしてもらいます」

「実はこの旅はもともと計画されていたのですよ。そうでないと一週間程度で準備はできません。皆さんはそこで式典に出て、武勇を示してもらいますから、覚悟していてくださいね」


 どおりであっさり許可が下りたわけですよ。準備時間のわりに馬車とか豪華だし。

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