魂の形
アタシの言葉に、金ちゃんは嬉しそうに胸を張ります。
「あぁ、あの曲か? そうだろ、いいだろ? シリーズ120曲目だぜ」
私は感心したように言いました。
「金ちゃん、凄いなぁ〜。120曲も続いているんですか? やっぱり自分の魂の色をちゃんと理解しておられるんですねぇ」
金ちゃんはさらに胸を張り、腕を組んで答えます。
「あぁ、そうだ。俺はこれこそが俺の生き方だってのを理解しているぜ。あんなAIみたいな、ポンカラポンカラ量産を繰り返すのとは格が違うよ。幼女ちゃんシリーズは俺の魂だ!」
胸を張り、腕を組み、自信に満ち溢れた金ちゃんの姿は、とても勇ましく見えました。
『あぁ、これこそ我々演歌歌手の姿だ』と、アタシは内心で誇らしく思いました。
しかしながら、皆さん、人間ってのは本当に醜い生き物ですねぇ。
アタシはこの格好いい金ちゃんを見ているうちに、つい嫉妬心が湧いてきてしまいました。
そして、余計な一言を吐いてしまったんですよ。
「まぁ、金ちゃんは幼女ちゃんシリーズは俺の魂だと言いますが……師匠の棒ちゃんは、確か『異世界転生して悪役令嬢』でしたよね?」
「……なっ!?」
金ちゃんの目が見開かれました。
いや〜、私もつくづく悪い男だ。
つい、追い打ちをかけてしまいました。
「流石、師弟でございますね!? 魂の形がそっくりだ!?」




