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鷹村さんがいきなり言い出した。


「今度の日曜、夕方空いているか?」


「日曜ですか?特に用事はないですが」


休日の予定を聞かれたのは初めてなので戸惑う、

私の休日など関係ないはずだけど・・・


「俺好みの味の店を見つけたんだ、

 俺の好みを知ってもらう為にも、その店の味を知って欲しい」


「食事ですか?」


「そう」


これは困った・・・

私はあくまで家政婦、料理を作りに来ている人間。


食事をご馳走になるなど、問題以外の何でもない。


その事が表情に出てたと思う、

こうゆう時に表情を取り繕えず、上手くかわせないあたり、

まだまだ未熟なのだなと自分で思う。


「とにかく決まり!予約するからな」


そう強引に決めてしまわれて、

とりあえず上司に相談だな、と一応頷いた。






「料亭での食事?」


「はい、今度の日曜日」


目の前にいるのは上司の佐々木さん。

料理の腕はもちろん、スタッフのフォローもこなす、

ばりばりのキャリアウーマンである。


3人の子供を育てながら、

趣味の映画やディ〇ニーに行ったりと、

とにかくアクティブで、

私が仕事を掛け持ちしても、この人には敵わないと

常々思っていて、キャリアウーマンを通り越し

スーパーウーマンでもいいかと思っている。


「先方からの招待なら構わないわよ」


「そうですか」


「嫌なら、私から断っておくけど?」


「いえ、嫌な訳ではないんです」


「それと、お金持ちには、お金持ちのネットワークがあって、

 できるだけご機嫌を取っておきたいの、

 私としては、食事に行ってくれると助かるわ」


「分かりました」


佐々木さんの言葉に、日曜食事に行く事を決意する。


確かに口コミは重要だし、

できるだけ機嫌は取っておきたい。


「せっかくのデートなんだから、おしゃれして、

 メイクも可愛くして行ったらいいわよ」


その言葉に私は過剰に反応する。


「デートですか?」


「あら、若い男女2人、デートでしょう?」


「いえいえ、仕事の延長です!」


「そう、その反応なら安心した、

 絶対好きになって、迫らないでね」


佐々木さんの言葉に胸がズキンと傷む。


あれ?なんで胸が痛いの?


相手が私の事を恋愛相手として対象外に見ている事は、

最初から分かっていたし、そもそも釣り合わない。


そう、好きになっても駄目な人なのに・・・


そんな思いを抱えながらも胸が痛み、

鷹村さんってどんな服が好きだろう?とか

いろいろ考えてしまっていた。

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