閑話 親子と故郷
閑話を何点か。。登場人物まとめも。。。
おおすぎる。。
ううっ。。体が重い。・・ここは?
長く寝ていたのかしら?目は開くけど手足が石の様に重い。
・・ここは。。ああ王宮の別邸ですね。
新婚当時よく過ごした場所。窓からは懐かしい柱の影が見えます。
久しく懐かしい気がします。
―――ズキン
ううっ!頭が。記憶が思い出そうとすると痛みが走る。。
「お母様!目が覚めましたか?」
「お母上。大丈夫ですか?」
くりくりとした双眼で二人が覗き込む。
ああ。クリル、リリルこんなに大きくなって。もう立派なレディですね。
「うふふ。良い子にしていたかしら?クリル、リリル」
双子の頬に手を当てると、目を細くしてじわりと目から涙が落ちる。クリルは右手を持ち、リリルは左手を持ついつもと同じ。
「「ふぇーん!母さまー」」
「あらあら。小さい頃と同じね?成長したのかしら?よしよし」
布団にしがみつく二人は幼く思えた。
リュフォーリルは島暮らしの時を思い出す。
・・私なんで王宮にいるのかしら?
――ズキン
□□□
リュフォーリルが目覚めてから一週間。
身体は長く寝ていたからかすぐに動かす事はできなかった。
側使えが補助リハビリをし、なんとか歩ける様になった頃。
「母上様!目覚められたのですね!」
「へーシュリのお母様か。ごきげんよう」
「まぁ!シューですよね?・・夢でも見てるのですか。何か幼いシューが居るきかします?」
「母さまー!シュー兄は年を取らないのです!」
「シュー兄は小さくてもシュー兄です!」
何かよく解らない説明でリュフォーリルは理解していないが、それでも近くによって優しく抱いてくれた。
「あなたが救ってくれたのでしょう?シューありがとう」
「ううっ。。母上ー!」
それは理屈などではなく。
いろいろ私が巻き込まれたのは聞いている。
双子の娘にそんな力強いはない。
小さくかわいい私の子。
シューリヘトはその姿同様に泣きじゃくっていた。まるで屋敷で怒られた時の様と同じく。
「なるほど。ではカルツァはもういないのですね…」
「はい。病気には領主様も適いませんでした」
この世界では病気で亡くなる人は多い。カルツァの直接な死因は肺炎であったが、それ以外にも合併症を起こしていた。神の癒やしは基本怪我や肉体的な治療にはなるが、病気の類は稀である。
また、白魔術士など食業が多いことが医療の発展を遅らせていた。
「そうしてアナソフィアの反乱。フリーデリケの脱国。新改革派のテロ行為。。多くの事件がこのレグナムを蝕んだと。。」
「時政は人の意思だけで動くものではありません。きっかけになろうとも。レグナム神国は安定していましたが、その分西欧州より遅れをとっております」
「シューリヘトは多く学んで来たのですね。言葉遣いもしっかりして安心しました」
「…僕一応14歳になります」
冬も既に深まり新年がもうすぐにという時期である。この辺りは雪が吹くことは少ないが、それでも寒さを感じる時期である。
母上との話しは終わることがなかった。神国の近況の報告から抜けている内容を補足し、また自分がどんな事をして来たのか長く話し込む。
「それはそうと。そちらのお嬢さんは寝かしててよくて?」
「カネラは良く寝てるので。いいです」
「あらあら。女の子には優しくしないとダメですよ?将来の伴侶になるかもしれませんし♪乗り気でしたわ」
「・・カネラですよ?」
「人は類い稀で合う運命は出会いコルツァもそう言っているでしょう。傍にいる人を大事にしなさいと」
神の話しになると生き生きするのは婆ちゃんと同じだ。それから話しはそれて運命の神モイラの生き様を聴く羽目になった。。
□□□
「師匠。大丈夫ですか?」
「シュー君!ひどいわ!こんな所に閉じ込めて。。ううっ」
マシュー厶・ストリープは地下牢に閉じ込められていた。他と違うのか、吸血鬼と相性が良かったのか半人半吸血鬼という稀なケースであった。力が上がった分街中に出すのは危険という意見があり、またこのまま生き血を吸えば吸血鬼となる事を危惧してだ。
「理性はしっかりしているようですね?さて。幾つか質問を答えていただけますか?」
「ふんだ!」
質問はいつそうなったか、何人の血を吸ったか、能力がどこまで使えるかだが、マシュー厶は答えない。
「もうしばらく反省したほうがいいですね?」
「ううっ。美味しい血を頂戴。シュー君ひとかぷさせて♪」
「やですーちなみに今神々してるから吸うと消えちゃいますよ?師匠。えい」
「ぎゃああああ!」
マシュー厶が変わったのは目の色と碗力強化が主なところである。まだ変化などできないので牢でも問題ない。精神として好戦的になってるがまあ。神力が当たると火傷する様に煙を出す。
「ひ、ひどいあんだけ可愛がって上げてたのに〜ううっ」
「まだまだ神の力は受け入れないですね。反省しておいて下さい」
聖水と聖書を置いて去っていく。
デトックスの様なものだ。
少しづつ戻る事を期待しつつ、シューリヘトは地下牢を上がる。
大丈夫。きっと戻る。
僕の師匠だもん。
□□□
レグザに屋敷が戻ったと報告があったのは春を過ぎ様とする頃だ。懐かしい丘を上がり屋敷を見る。
前より少し小さく、そして屋根の形は円形に変わったが懐かしい風景がそこにあった。もちろん多くの犠牲で門横には墓石が並ぶ。
屋根が壊れていたのでガラス格子になった食堂と。
バラバラに散らかっていた書斎も整えられ。
懐かしい双子の子供部屋はおもちゃがそのまま。
ベッドや初めて起きた部屋から空を除く。
「ぼっちゃま?大丈夫ですか、ぼっちゃま?」
ビクっと振り返るとそこにソムがいた。
「ああ気に入ったよソム。いい屋敷だねここは」
「はい!いろいろ要求通りに。食事の準備ができております」
ゆっくりと歩いて部屋を出ようとする時、風がビューっと窓が開いた音がした。ゆっくりと閉めに戻る。
―――ぼっちゃま。おかえりなさいまし!
「うん。ただいま、フューリ」
空はキラキラと海の反射と青空が埋め尽くしていた。
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