ひとつの結末
時間がかかり遅くなりました。
何が起こっているのか―――
ヴラド・ツェペシュは今恐怖を覚えた。
敵うものなどいない。人は弱きモノ。
惨殺に飽きて都会に出たとしてもやる事は変わらず。
偶に同胞に会うが、キャリアが違いまた考え方が異なるので争いになる。どれも一刻もたたないうちに朽ちる。
得た血の数が異なるのだ。
気がついた時には私より若い物しかおらず。
鼻が聴くのか十字架の使徒が何度も襲いかかるが、組織事潰せばそれまでのこと。
忌々しい神殿服を見につくこの子供は。
徐々にスピードを上げて回転を速める。
半月といえども回復が上昇しているこの夜中でも間に合わず。
ザクッザクッと削られる。
目は感情もなく矛は雷を纏い。
切られる場所より神傷が広がる。
何者なのか。。!?
そして。。私も朽ちるのか。。
徐々に指先から灰に変わる。。あの同胞と同じく。
嫌だ。。こんな、こんな終わりでは・・
「うぐぅうううぁああああ!」
眷属を。最後に眷属の血を。。。
こい。こちらに。。血がほしい
「抗うな。これは兄より贈り物だ」
子供の手から豪炎の剣が。
あれは魔剣ティアマト。
瞬時に全身が炎で被われる。
何故・・ぐぁああああああああああああ・・
燃えだす肌より痛みが消える。
あぁ・・儂は消えるのか・・これ が 死か ・ ・
□□□
シューリヘトは誰も手を出すなと事前に伝える。
情報より上位の吸血鬼の可能性が高いことを考慮して。
「それならば私の神の力で一掃しましょう」
「うん。。母上は救えるなら救いたいんだ。カネラ神殿も壊しそうだしー」(ウググ。。)
「しかしシューリヘト様一人では危険です」
「いや、大丈夫だよ。もう皆を悲しませる事はないと思う。力もどの程度か試していたいし」
確かに復活してからのシューリヘトはなんというか。魔力が殆ど溢れていない。それだけ完全に制御支配していた。神力というのか、奥にとてつもなく強い力を感じる。エーリスは特に負の神なので、時折怯む事さえあった。
「…もし危険と感じればいつでも行くぶひ」
「ありがとう。周囲に同じく眷属たる者がいるかも知れない。神殿周囲は任せるよ?」
「「はい!」」
神殿に入る時にマシュー厶とカネラの戦闘があった。
既に神の加護を持つカネラには敵うはずもなく。
オリーブの檻に閉じ込められたマシュー厶は獣の様な声を上げ罵る。
「くそ!この小娘が!食わせろ!」
「変な人ですね。ほっときましょう、どうせ出れはしません」
この戦闘は後日また。
□□□
吸血鬼に血を吸われたものは大きく二つに分かれる。眷属として主に忠誠を近い俄な不老不死を得るもの。能力が低くそのまま干からび闇の亡者となるもの。どちらにしろ禄なものではない。
眷属は吸血鬼が死ぬからといって共に滅びることはない。ただ、それまでに致死量の傷があったり、死ぬべき事象を吸血鬼の血で補っている場合は死に至る。抑えていた吸血鬼の血は単純に活性化されるだけで、他者の血が身体の中で補助する。
リュフォーリルは前者になる。
捕まる時に腹を貫通され、致死量の傷を追う。
ゆっくりと傷口が腹部から広がり。
吐血を吐いた。これがウラドの血である。
血は交じる様に体内にいるが、けして混じることはない。
「母上!傷が。。」
「・・シューリヘト。。あぁ。そなたなのですね。。」
手を取る腕の脈が弱まる。
どくどくと。止まらない血が溢れ地面を浸す。
―――あの時と一緒だ。
―――あぁ。僕が。足りないから。
―――大事な人を失うんだ。
ふざけんな・・
「我は神の子!シューリヘトだぁ!もう失うのは嫌だぁ!」
首元の青い線が光る。
「・・シューリヘト。。」
「アク!出て来い!いるんだろ!母上を救え!」
変化はない。
リュフォーリルは既に気を失う様に目を閉じた。
「アクっ!いや出よ!水の精霊我がアクアリングよ!」
すると 首元の青光が 実現化した
ああ より三目は力を放ち
眷属を連れて浮かび上がる
『クークー!イヤシノミズヲ・アタエタモヒ・・
我が主に変わり舞えよ!水精アクアフェレル!!』
アクアリングの子供達が無数に舞い。
リュフォーリルの腹部の傷が塞がる。
「こっ!これは。。」
リュフォーリルは静かに目を閉じたままだが。
それは穏やかに。
口元に生のあることを示す呼吸音が。
『クークー♪』
「ありがとう!アク!記憶も奪っちゃえ!」
するとアクアリング達がリュフォーリルの頭部に固まり水球で頭部を覆う。少し眉をひそめ再び眠りにつく。
少しばかり大きくなったアクがシューの胸元に飛びつく。
やさしく。ゆっくりと撫でる様に。
「ありがと。アク。助けてくれて。母上の記憶は返さなくていいよ。僕も生きているのはアクのおかげだね?」
『クークー♪』
こうして。ひとつの家族の決着がついた。
神殿の地下には数人の灰と多くの屍が散乱していた。
操られ血を吸われ隠された死骸達。
それは若き神官見習いと配置されたものであった。奇しくも神に使える為に入り、鬼に食べられる。
この数年の間に首都アテネでは失踪、行方不明を含め多くの人が犠牲となった。
数人生きているもの中に。
師匠マシュー厶・ストリープの姿もあり一命をとりとめた。
「ほら師匠。起きて?帰りますよ」
「…ん。。あれシュー君?ああ小さいままだから夢か〜おやすみ。。」
「もう!起きなさい!」
「ぎゃー聖女。。貴様許さん!」
ドコーンとはり倒されマシュー厶はトランポに担がれ。。また夢を見る。リュフォーリルは棺に入れられ黒潮衆に運ばれる。
王宮についた時は既に深夜になっていた。
「お帰りなさいませ。シューリヘト様」
「お帰りなさいまし。。ああシューリヘト様。。ううっ変わりない姿。。長くお待ちしておりました!」
執事のビスフェノとソムが迎える。
懐かしい白い大理石。
王宮が見える窓よりは大きな柱がそびえ立つ。
事前に連絡しアレフレッドは説明を終え。食卓にはかわいい双子が心配そうに待っていた。
「お兄様!母上は?」
「兄様!ご無事でしたか?」
「クリルもリリルもよく頑張ったね。母上はしばらく寝むる事に。なるけど。大丈夫だよ?ね、アクー」
『クークー♪ダイジョーブ♪クリルリリル、ヨロシクダクー♪』
二人の目がぱぁ〜っと輝く。
たぶん初めて見た精霊なのであろう。
口調はあの時と同じスライムのアクであるが、実際に話をするのは初めてであった。
「これが。。アク?」
「あのトランポリンのアク様?」
「まあ詳しくは明日説明しようか。とりあえずアレフレッド〜後は食べたい〜」
「ぶひ!お腹ペコペコぶひ♪」
楽しく深夜遅くの晩餐が始まった。
レグナム神国の異変は終わる事になる。
だがまだまだ問題は多岐に渡る。
バラバラとなったこの国をまとめ、そして他国との関係も再び築くと課題は多い。いつ戦争になる事も解らない。
だけどこの場は。
懐かしいシャンデリアの下。
少し老けたビスフェノやすっかり女性となったソム。
懐かしい面子が揃い賑やかな晩餐となった。
聖杯編もう少しです!
是非ブックマークいただけると嬉しいです。
下の評価、レビュー、応援コメントなど、どれでも嬉しいのです。モチベーションが上がります!




