決戦のとき
遅れました。
祝90話です!よろしくお願いします!
すぐに行ってくださいまし…
し、しューリヘトさ。ま…
だ、いすき です…
「ふはっ!はぁはぁ………」
がばっと首を起こす。
不思議と体を起こそうするが動かない。
何故あの時の様な夢を……
寝台の上には双子の妹も一緒に寝ていた。
そうか、昨日一緒に寝ると言って入り込んできたんだっけ。こうして目をつむっているとどちらがクリルでリリルか区別つかないな。
「くー兄さま。。」
「むにゃむにゃ。。アクー遊んでー。」
ふぅ。。まだ時間が早く鳥の囀りだけが聞こえる。
本当だったらもうすぐ灯籠祭か。
アテネの気候はレグザとは少し違い、朝晩は冷えていた。
夢を見たのは久しぶりだ。
特にあの場面を思い浮かべるのは。
忘れた頃、暗示の様に思い出す。
同じ過ちはするな
そう伝えている様に。
大きく伸びをして窓を開ける。
今日もまたいい天気であった。
「エーリス、無事に手紙は送れた?」
「はっ。恙無くリュフォーリル様に」
「そうか。では準備をしよう」
振り返れば双子は仲良く寝ている。
さぁ、母上を戻さないと。
□□□
※※※※
双子を返して欲しければ神殿でお話しを。
日が落ちた後に決着をつけましょう母上様。
※※※※
時刻も詳しくわけでどこの神殿とも伝えていない。
それでも母上は必ずパルテノン神殿に来るだろう。
カルネイア祭の期間中は軍事的行動が全て禁じられている。また収穫の祝いの祭事で神官もまた中央へと繰り出される予定だ。
大勢の騎士が来る事がなく、またいつもいる神官達が少ない事も配慮した。
「それでも近衛や少なくない勢力がいると思いますが」
「うん。それを踏まえて協力プレイをお願いしたい。ヌジャビとエーリス、そしてトランポは同行を。アレフレッド達はクリル達を守る為にここで待機。カネラはどちらでも、どうする?」
「もちろんついて参ります!」
「…シューリヘト様。トランポは地下牢に捕まっておりまする」
「ん?。。ああ。黒潮衆で救出を。キリニが入れば大丈夫かな?」
「・・了」「主の望む通りに」
「あそこは慣れてるので任せてください!」
「ではそれぞれ準備を。一応神官服を準備しているので、皆着て行動を。僕は昼過ぎまで動かずここにいるから何かあれば教えて」
「「「はっ!はい」」」
皆食事を終えてそれぞれ散開し出て行く。残ったクリル達は心配そうに僕を見つめる。頭を撫でてあげつつ声を掛けた。
「大丈夫。心配しなくてもお兄ちゃんに任せて」
「「はい!」」
母上リュフォーリル。
どこか懐かしい吸血鬼の匂いがした。
ならばその操り者を倒すのみ。
その方法は自然と浮かび上がる。
□□□
パルテノン神殿
レグナム神国の正神殿とされその歴史は古く神殿のベースとされる。古来のペルシャ戦争にて壊されてはいるが、聖像や柱の形状など参考とされ多くの観光客や細工師が訪れた。
また、レグナム神殿教の教えである、修行施設もある。
その全体の規模は大きく保管庫も含むと首都の1/4を埋めるスペースで小高い丘に佇む。現在神殿長は空いており、神官長が祭事の代理を行う。
年は30に近くはあるが、老いることのない巫女の姿をし。幼の残る表情はまさに神の使いと評された。また内戦時周囲構わず爆破が起こる中、神殿区域では不思議と被害がなかった。
神官長マシュー厶・ストリープは更に魔力を上げていた。
「ふむふむ。リュー様から伝言か。。神殿に来られると。ならば準備せねば成りませんね。巫女見習いを数人選定します。処女である事が条件です故間違えないように」
「はい、神官長マシュー厶様」
にやりと口角をあげるマシュー厶は昔と同じように白いシュールを纏い聖書に祈る。その白いシュールの下には二つの牙傷があった。
「我が主人に捧げる生贄を。神に祈り給う。シュー君か、、成長したかしらね?フフフ」
冷たい視線の先には何を見据えるのか。
マシュー厶はいつもと変わらず聖壇に祈りを行う。
・・・
「この豚野郎!」
「ぶひー!鞭は痛いぶひ!酷いでぶひぃい!」
「フハハ!畜生めが!」
「・・キリニその辺で。脱出するよ?」
リュフォーリルの姿がヒュンと小さくなり近衛は兜を脱ぐ。鍵を開けて驚いているトランポに声をかける。
「私達黒潮衆。シューリヘト様の指示で救出に参りました。トランポ公爵では脱出をこちらに」
「…鞭はなんだったぶひ?」
「・・演出。面白かった」
「ぶひぃい!!酷いでし!」
半泣きのトランポは無事に脱出。この地下牢はザハロが何度か捕まっている分抜け道が多い。虫の見張りを使い、キリニがリュフォーリルの姿に変し簡単に入り込め任務は達成された。
□□□
「ふん。呼び出すとはいい度胸だ」
「ウラド様は隠れなくてよろしいですか?」
「何を怯える事もなし。驚くほどの事はあるまい。闇の亡者を見れば逃げるかもしれんぞ?ハハッ」
夜も更け辺りは既に暗くなった。
呼び出しをしながら長く待たされ、ウラドは変身を解きリュフォーリルと二人でパルテノン神殿の石垣に立つ。
丘からゆっくりとシューリヘト一向が上がって来る。
皆神官服を被りまるで修道士のように。
対峙する距離に近づき声をかけた。
「母上様。もう大丈夫です」
「…本当にシューなのか?生きておったのか」
「ええ。長く戻らずすみません。では帰りましょうか」
「何を言っておるのだ?この小僧が話していた息子だと?はぁ〜期待して損をしたなリューよ・・さっさと始末しろ」
「うぐぅ。。」
リュフォーリルの目が赤く光り口より牙が。
「ふん。始祖たる我が一族に歯向かえる「がっ!」き、貴様!名乗るくらい待て!」
シューリヘトの行動は速い。
右腕の義手より青と黄金の玉をだし。
左腕に三叉の矛を持つ。
とっさの行動をウラドは防いだが二色の玉が襲い、合わせ流れる操作で矛を突き刺す。止まらない所がペースが上がり玉はさらにオレンジも増えた。
「クッ!なんだこれは!」
ドゴン!グシャ!ザク!バリバリ!
止まる事なく切伏せ、殴り、叩き付ける。
防戦一方だが、次第に傷が増え黒い血潮が舞いだす。
「こ、こんなもので儂が死ぬとでも「グガッ!」クソ」
「なんでもいい。簡単に殺さないから。逃げれると思うなよ?」
キュピーン!
ウラドの首が舞い宙に浮かぶ。
既に七色になった玉が一斉に潰す。
「ぐぁあああああああ!」
頭部は粉々に弾かれ飛び散った。
ウラドの胴から再び首が伸び出し顔を作る。
「きっ。貴様!このワラキア公ヴラド三世だと知っての狼藉か!」
「誰でもよい。さっさと生やせよ?何度でも砕いてやる」
再びシューリヘトはウラドに襲いかかる。
その仕草を見て誰も動けなかった。
あまりに強引で、それでいて的確に玉をぶつける。そしてあのスピードは追いつくにしろ対応できるか。。リュフォーリルに指令する前なので、再び目も収まり見るだけに。
宙を利用し石垣を蹴り上げ容易く矛を降る。
光の玉は意識を持つように誘導しスキをつく。
時に雷を。時に爆炎を。あれは。。。『元素の玉』であった。
「シューリヘト様・・あれ程強く」
「あれは怒っているわね。私にも伝わるわ」
もはや人の動きではない。
いくら不死といえども。これ程魔力も血も流し続ければ吸血鬼だといえども・・復活することなく絶えるだろう。
半刻も立たない時。
ワラキア公ヴラド三世は立ち上がる事もなく。
数十回目であろうか。頭部が吹き飛ぶ。
再び胴から生えるでもなく。
首のない胴が足をつけ折り倒された。
是非ブックマークいただけると嬉しいです。
下の評価、レビュー、応援コメントなど、どれでも嬉しいのです。モチベーションが上がります!




