青の間 再会
クリ&リリ久しぶりの再会です!
夏の暑い時期に恒例の催事が行われる。
リュフォーリルは大概的にカルネイア祭をアテネで行う事にした。これは昔より手詰まった時は緊張を緩める、また民衆の結束を自国に向ける意図もある。
「ふん。古代の神を讃えるなど無駄なことを」
「ヴラド様。民衆の娯楽も必要でしょう。また今回は多くの要人を呼びレグナム神国の方向性を示す時です」
「まぁよい。人の世の政治は任せる。儂は関係ない」
「…あなた様の望まれる世とは?」
「昔は吸血鬼だけの世を作りたかった。が、人間共が増えすぎて最早その様な夢物語はない」
「では今は何を望みで?」
「人同士争う世を楽しむと言った同胞もいたが。我は違う。遙か昔対した時の様に我を討とうとする物が現れるのを待つ」
思いがけない言葉にリュフォーリルは驚いた。
が、ワラキア公ヴラド三世の言う望みは解らないでもない。
「我が同胞は時に討たれ、また闇に生きるというが。一番多い死に方は自殺である。絶える事のない肉体が絶望を呼ぶ」
「ならば何故私を眷属に?」
「我に対した者は神の力を使う。立場などどうでもよい。そなたの周りに強きものが必ず現れると予言があった」
「神の力ですか。。でしたら私の息子があなたの苦悩を救うでしょう」
「そうなると良いがな。ふふふ」
◇◇◇
街は賑やかになり祭りが始まって三日目。
通常では三日だが今回は一週間と長く伸ばされていた。前後が伸びる形で街には多くの観光客も訪れ。
各国の重役もまた大勢を連れて来た。
世がふけるに連れ演劇劇場は盛り上がる。
実際の兵士達が役者をし”テルモピュライの戦い”を再現する様子は興奮を呼んだ。まるで模擬戦の様な殴り合いであった。
「ふむ。兵長、中々の動き。近衛とし仕えよ」
「御意」
髪が白くなって来た初老の騎士が台上で領主に呼ばれ賞賛される。こうした昇格は兵士の指揮を上げる事にもなる。多少の怪我も余興に過ぎない。スパルタの血を引くアテナイの部隊はこうした実力社会で育っていく事が誇りになる。
要人達を連れ懐かしい『青の間』に。
豪華きらびやかな立食パーティーの始まりであった。
その中央には三席用意され。
双子の領主より高い祭壇にリュフォーリルが足を組み座る。
どう見ても実権は私にあると言わんばかりに。
この二年の間まとめてきた気迫がそこにあった。
「本日は他国よりも大勢の要人が来ておる。此度はごゆるりお過ごしくだされ。カルネイア祭アポロンの加護に。乾杯」
「「「乾杯」」」
大勢が並び領主に挨拶をしていく。
西ゴードや近領アメディアの貴族。またフランク王国や南部アイユーブ朝よりも挨拶に。そしてオスマン帝国の大尉。カンディア王国の騎士など早々足る顔並だ。
ークリル、リリル、気に行った方が入ればいつでも言いなさい。他国ならどこにでも嫁げるよう手配しますー
これは母としてリュフォーリルが事前に言った言葉だ。どこなりとも嫁に行く事がこの子達の幸せにあると言葉足らずで伝えた。
本心であろう。少なくとも領主などにする気はないのだ。
レグナム神国は私の題で終わらせる―――
そういう思いも持つ複雑な親心でもあった。
帝国で洗脳を受け恨みが溜まろうとも。
子供を思う親心は同じである。
「…次はピレウスよりトランポ公爵がご挨拶に」
…またあの男か。
正直リュフォーリルはあまり会いたくない。
昔の事、幸せな事、お祖母様の事。
どこにでも繋がりがあるあの男は苦手であると。
…しかしこの様な場に来るのは珍しい。。
何か言付けがあるのか?周囲を見るがヴラドは興味なく蝙蝠に変幻し吹き抜けの屋根で休んでいる。
「よい。通せ」
相変わらず丸い図体でふてぶてしい男が前に跪く。
従者が二人白いローブを来て同様に。
・・幼いな変な趣味にでも走ったか?
「してトランポ。なんの様じゃ?」
「はい。リュー様。ご挨拶と双子様を頂きまする」
「!!なんじゃと!」
白いローブが二つバサッと空を舞う。
その右に居たのは紛れもなく。。。
我が息子シューリヘト!
―昔のまんまの背格好で消えた時より成長がなく。
相変わらず神殿服を来ている。髪が少し伸びたか。。。
―何故か目が潤む
「母上様。お変わりなくご機嫌麗しゅう。クリル!リリル!お待たせ♪」
「私にも紹介してくださいよ!カネラでし!」
「なんだと!」
「「シュー兄!!」」
あまりの衝撃で双子は立ち上がり、リュフォーリルはシューリヘトから目が離せない。近衛はいきなりの事でどうしていいか分からず奥方様の様子を伺う。そのチャンスを見逃さなかった。
「では♪母上はまた会いに来ます!『水球乱舞』!」
「『神の息吹』!」
少し高く上がった壇上より爆発的な祝福が。
以前『青の間』であった祝福の比ではなく地面にシャボン玉が埋め尽くされた。そして頭上にはきらびやかな金色のカーテンが覆う。
シャボン玉はすぐ割れ、一瞬の事であるが、視界は奪われる事になる。視界が戻る頃そこには何も・・いやトランポがいた。
「うぬうう!おのれトランポ!皆捕まえよ!」
「「はっ!」」
「ぶひっ!?みなどこに!?」
シューリヘトとカネラ、そして双子の領主リュクリルとリリルージュの姿はどこにもいなかった。
「リュフォーリル様!今の祝福は?」
「…ああ。余興である。賓客には脅かせすまぬと伝えよ。リリルとクリルは席を外した。。子供二人が王宮を彷徨っておる!逃がすな!」
「「ハハハッ!」」
ぶひーぶひーと牢に運ばれるトランポに聞いても何も言わまい。しかし何故双子の妹を・・?
バサバサと後ろに音がし。気配が広がる。
「なんだあれは?大道芸でも呼んだか」
「ヴラド様。我が息子が現れました。娘を攫いに」
「ほほう、面白い。長生きするものだな」
「ええ。本当に面白い。ふふふ。。葡萄酒を注げ!」
リュフォーリルは盃に波波とワインを注ぎ。一気に飲み干した。笑いが止まらない。私のシューが生きていた事を。
笑いながら一筋の涙が落ちる。
―――助けて シュー 開放 し て ・・
◇◇◇
「うぇ〜ん!兄様が、兄様がちっちゃくなった〜」
「どっちでもいいです!シュー兄はかわいいのです!」
・・悔しいが身長も抜かれている。
そしてこんな可愛かったかなー双子。まるまるしてたけど。。女の子らしくなっていた。
ここはエーリスが準備してくれた大衆食堂の二階になる。王宮も実はペカサスを出し空を飛んで逃げた。その為の撒き餌がカネラの空をキラキラさせた祝福だ。
「ごめんね、ちょっといろいろあって〜成長してないけどお兄ちゃんだから!」
「「シューにぃ!えーん」」
こんな様子だから話が続かない。
ちなみにテラス側はエーリスが見張りアレフレッドが側使えとし料理を運んで来る。
「まぁまぁ。リュクリル様もリリルージュ様もお変わりなく。食事を食べながらゆっくり話されるがいいでしょう」
スブラキとサワークラフト、パンが運ばれる。
「えっと?お知りあいでしたか?」
「えっと?どこかで見た様な?」
「…アレフレッドです」
えー!ひげー!ミドル!と盛り上がる双子はほっておいて、スブラギを食べる。うまぁ!スパイシーで付け合せのグリルトメトも合う♪
「アレフレッド、葡萄酒もお願い」
「シュー兄様!未成年はだめですよ!」
「お酒は成人の12歳からです!」
「僕13歳なんだけどね?」
いろいろ双子が混乱した表情であった。
構わず向かいのカネラは普通に飲んでやがる。
ギリシャ産のワインは酸味が少ないがコクがあり、アルコールは高いかも。。でも美味しい♪ぐびぐび。
「カネラは飲みすぎダメよ!寝るんだから!」ぐびぐび
「ギリシャ料理って美味しいわね!」
「あの。カネラ様はシュー兄の?」
「嫁です!妹たちよ!ぐび」
「えー!」「きゃあきゃあ♪」
おい。どうでもいいが話を進めたいのだが。。
黒潮衆の三人も側使えしながら話しに盛り上がる。
「アレフレッド。。お替りとムサカも食べたいかな。時間かかりそうだし。。」
「はい。お持ちします。妹君には果物ですね」
そうして久しぶりに兄妹でいろいろあった事を話す。
カネラは予想通りぶっ倒れヌジャビに長椅子に運ばれる。
話題は尽きる事なくクリルもリリルもここまでの流れを聞いてくれた。なんか本当に久しぶりなんだけど。大きくなっても変わらないうんうんと揃って頷く仕草にふふっと笑みがでた。
・・あれ?なんか忘れた事が。。ぐびぐび。
一方その頃。
「ぶひー!ひどいでぶひぃ!置いてかれたぶー」
地下の孤牢に捕まり繋がれたトランポ。
どうなる!?
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