間話 コロンブスとジャック
少しずつペースを戻します。
お待たせしてすみません。
「おお賑わってるな〜相変わらず。。」
「すげえ!凄い人じゃないかクリス!」
「言っただろ?都会だって!ラカムは田舎もん出しな〜しかしこんな発展してたっけな?」
久しぶりの帰郷は嬉しい。まぁ今回うまく行かなかったが、それなりに収穫は合った。ジェノヴァの街は賑わい物が売れてる。
三年ぶりなんで店も変わるが。おおっ、あったあった。目印のピザ屋は潰れてないか。ん?結構流行ってるな・・
「よ〜マロウ!久しぶりだな。アネッテちゃんも色気が出たねえ〜腹減ったからなんかおくれ♪」
「を♪コロンブスか!生きてやがったな!待ってろ鍵と新作食わせてやるわ」
「うぉ!美味え!腕上げたなオイ!」
「クハ〜ビール最高!」
「へっへへ。マルガリータって奴だ。ワインも増えたぞ?今度目利きしてくれよ」
しばらくマロウと話し込む。普通のビザ屋だが二階に新しい商会が入りいろいろと提供してくれると。まぁ変な服飾だったしな。
ちなみにワインの仕入れもしてるのでその関係でマロウと仲がいい。三階に住んでいるがずっと入ってないからなぁ。
「んで、そこのイケメンは?水夫か?」
「ほぅ。イケメンは許すが水夫とは。やんのか!」
「ジャック、やらんでいい。まぁ家に帰る前挨拶するか。商会長いるか?」
「最近姿見せないか。まぁあそこは皆優秀だから仲良くしとけ。四候とも仲いいぞ?」
「マジか。。」
「おう。シュリンプ商会は今やジェノヴァで知らんものおらんぞ」
「ありがとな!マロウ!」
二階に上がる階段も絨毯が引きしめてあり、大きな商会だとわかる。恐る恐る挨拶しようと。。
「こんにちは〜」
「はい。いらっしゃいまし。ご予約でしょうか?」
「いえ、三階に住んでるものなんですが。ご挨拶をと。長く空けてましたので」
少々お待ちをと長椅子に通される。
これはいい生地だな。。さてさて。
「お待たせ致しました。只今主は席を外しております故、私が変わりご挨拶を。テソク・ガルシアと申します」
「よろしくお願いします。クリストファー・コロンブスと申します。彼は連れでジャック・ラカム。末永く宜しくお願いします」
それからしばらく離れていたので、街の様子や貿易について聞く。商人同士の挨拶だが、この最近かなりジェノヴァは発展していた。また商会長は幼く子供らしいが、魔力と大聖堂で祝福を行える程と。。すこし大袈裟に聞こえるがまぁよしとする。
困った事があれば広く貿易をしているので何なりと相談をと。
「邪魔するぞ。ん?その無精髭は。。コロンブスか?久しいな?」
「こ、これはジュゼッペ様!」
「珍しい所で会うものだ。その顔は・・無理だったか。まぁまた追って報告を聞こう」
「海賊が出なければ。。しかし!緯度も頭に叩き込んでおります故!次回は必ず」
「これはジュゼッペ様。お知りあいで?」
「ああ。コロンブスは今西大陸を目指しておる。いつになるのか。。はぁ〜」
―現在の主な航海は一月航海できれば良いほうである。大型船がすくなく、また食材や水の確保が難しいこの時勢であった。
ジュゼッペは新しい航路や島や貿易港を求め。若き後悔士に資金援助も行っていた。
ここにいるコロンブスもまた、その一人で在る。
西に諸島があると聞くが正確な位置は分かっていない。
「航海士様でしたか。主がいると話も盛り上がるでしょうに。もう次期船も完成します」
「なんと!シュリンプ商会は船もお持ちですか?」
「現在は二隻ですが、今新造中の重装ジーベックはとても速くまた容量も凄いですよ。一度参考までに見てもらいましょうか」
「ぜひ!是非とも!」
□□□
一向はマルコを案内にセストリ・ポネンテ造船所ヘ向かう。カンピを更に西に行った地域であり広い埠頭が視界に広がる。
この一帯は商船から軍船まで多くの大小造船所が軒並ぶ。海の潮の香りと。水夫達が削る木屑の匂いに囲まれていた。
白木綿を好むジャックはとても上機嫌で港に入る。
「通常ですと長さは30m前後ですが。新型は50mの竜骨を使用し幅よりも喫水を深く設計しております」
まだ建築中であったが、他の船に比べその大きさは目立つ。三本のマスト、そして高さがある立派なジーベックである。
「驚いた。。砲門まであるとは。。これは200は乗れるぞ…」
「商船ではないな。そこらの軍船以上。。くぅ!欲しいぞ、コロンブス!」
「ははは。主は船の知識が豊富でありいろいろ異なる部分もあります。横大帆、そして衝角は丸まっており波の抵抗を逸らすと」
この時代は衝角、船首は尖り体当たりの武器として扱われていた。バルバスバウ、この仕組みが世に出る前シュリンプは実験している。内部はまだだがなんと風呂まで準備させてある。
「風呂など水が持たんではないか?」
「ふむ。食在庫を多めに。そして配管をか」
「主は水魔法が得意ですので。。水はだし放題と。。いない時は塩水を沸かせば良いと」
「「そんな馬鹿な話あるか!」」
魔法で水は出せるものの常時航海士に使うのは不可能に近い。この時代海に出る事は災害二割、海賊四割と死ぬ確率が大きい。医療用白魔術士を雇う事はあれど魔法使いを常駐させる貴族はいない。
「まぁ。。主殿が常識外れは分かった。。まだ完成まで時間が掛かりそうであるな。しかし舵も立派で楽しみな船だ」
「船首像はやはり神系か?オールはどうしても時間が掛かりそうだな。しかし欲しいぞ!幾らかかるんだ。。名前は決ってるのか?」
説明をするマルコも嬉しそうだ。
確かにこのクラスは軍船であろうともその更に高く太いマストを持つのはこのジーベック船だけである。後に船速を測ると18ノットを超えた。帆船といえども平均10ノット、12ノット出れば優秀とされる時代である。
「はい。名前は『サンタ・フューリ号』です」
―――聖フューリ シューリヘトには忘れられない記憶。
「これは。。?キャラベルか?帆が横帆だが。。」
「昔活躍していた貿易船ですね。サンタ・クリリです。これは今整備であまり使ってないのですが。。シチリアをよく往復してました」
サンタ・クリリは中型でも小さく。
それでいてスピードが速いキャラベル・レドンダタイプに属する。通常と違い横帆に改造されていた。そして帆に紋章、三叉の矛が記載されていた。商会紋章である。
「帆に紋章か。。格好いいな、おい!」
「なぁ。シュリンプ商会。俺を雇わないか?もちろん予算に応じた権利を優先したいと思う。今二船だが、どうも足回りが遅く見張りが弱い。この船があれば問題はないと思う。そうだろジャック?」
「あぁ、小さいながら主マストは立派な高さだ。遠くまで見渡せそうだ」
少し困ったが、落ちついて商会で話を進める。揉めたくないので四候ジュゼッペも踏まえ打ち合わせる。
「俺はどちらでもいいぞ?他にも沢山航海士はいるし。コロンブスも五年の付き合いか。。西ゴード女王もお怒りだろう」
確かに西ゴード王より資金を提供され、怪しい噂しかない西に大陸を求め何度も失敗しているコロンブスには耳が痛い。
「…このジャックはカリブに漂流され。。生き残った海賊だ。少なくともカリブに島々は必ず見つける!」
「分かりました。これも何かの縁です。ご援助しましょう」
「本当にいいのか?」
「我らの商会のモットーは。『世の中を面白く!』です。プルトゥゲザ王国、西ゴード王国と繋がも多くありますから」
「まぁ某方もシュリンプに似てきたな。良かったなコロンブス。マデイラで子も出来たのだろう?資金は安心だな?」
「ありがとうございます!ぜひあのレ・ニーニャで新大陸を!」
「ん?ニーニャとはあの船の通称か?」
「ああ。主殿の妹より名前の由来あるんだろ?レ・ニーニャ、いい愛称と思うと思わないか?」
「なるほどな。フハハ!気に入ったぞクリス!」
この時代は船は神々の女神や女性の名前をつけるのが一般的であった。女性は探索船に乗ることは禁示とされ。男性だけで寂しさを紛らわすためか。天に祈るためか。願担ぎでもあるが。。それ以上に多くの航海者は海の藻屑となるのである。
まして外洋は魔獣の規模も強さも異なりまさに命掛けであった。
♧♧♧
その秋にマデイラに戻って行く。
必要なものはあるからと鍵を渡され、三階はほぼシュリンプ商会の部屋とし使える。遠方から客も来るので客宿として。
ジェノヴァからレ・ニーニャが出るときには水夫に女性が二人いた。力強そうな巨漢な女性と、美しいくもある騎士装飾。ジャックは思った以上にモテたようだ。
「行ってくる!主殿が帰ればよろしくな!」
「コロンブス船長、船をお願いしますよ?」
「任せろ!ラカム海賊団を作ってくるぞ!マルコー」
「…違う気がしますが、お気を着けて。ニーニャに海と雷の神ネプトゥヌスの加護を」
赤い光がポワ〜ンと。
ニコレは魔力があり独学で勉強していた。
「ありがと!ニコレ、速くマルコと子供作るんだよ!」
「ひゃあ!な、何を。メアリ!もう。。にやにやしないでくださいまし!マルコ様」
こうしてラ・ニーニャは旅立つ。
マデイラを経由してその冬12月の初め。
コロンブス達は初めてカリブの島に上陸を成功させた。
島にラ・ナビダッドという拠点を作り、周りの族長と友好関係を築いた。ときに争いも起こるが、ジャック達の働きによりカリブの大きな島を手中に収めた。
イスパニョーラ島と名前をつけ、西側アンティル諸島郡に欧州の力を知らせる事に。後に村、町、港町と発展を告げ。
欧州と貿易の拠点となるのはもう少し後の話である。
いつしかラ・ナビダッドは。
サントドミンゴと呼ばれる事になった。
ジャックはシュリンプの船に習いドクロ模様にカトラスを着けた帆を掲げ、カリブを中心と暴れる事になる。
後に他海賊達も真似を始め、海賊旗と呼ばれる紋章に。
『キャリコ・ジャック海賊旗』はカリブに近づく商船隊を恐れられた。これももう少し後の話である。
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