記憶
夕食は迎賓館のような高級感溢れる宮の離れで行われる。
てっきり宿でと思ったので以外だった。
庭は洋灯で照らされ奥には海が見えていた。
「捕まったぞ。レグナム神国より養子で来られたデ・ボルゴーニャ王族夫妻がもう時期お忍びで来る。リアコタス様と言ったほうがいいか?」
僕は他に来賓の豪商がいるのに関わらず椅子から飛び立つ。
「本当ですか!リアコタス兄上が。。」
小さくまぁ落ち着いて下さいと。別の離れがあるのでそちらにとルカが案内してくれた。樹木で囲まれたテラス付きのテーブルに座り落ち着こうとする。
――僕の事を覚えていてくれるだろうか?あれから四年半。。僕の記憶は戻るだろうか。。。
『シュー!シューではないか!良くぞ。。良くぞ生きていた』
『リア。コタス。兄上。。うぁあああん!』
何も心配する事は無い 顔を見れば全て思い出した
―――レグザの事。家族の顔や名前。四歳で転生した事。
僕の誕生日会。初めての祝福。マシュー厶師匠。魔法。灯籠祭。アテネの街。青い間。家族との紹介。クリスタ。アレフレッド。レグザ下町の死闘。右腕が燃えるまで戦っていた事。
そして僕の名前は。
"シューリヘト・オズベルタス・レグナム”
レグナム神国第六子であり”神の子”だ!
・・しばらく泣くしかできない。兄に抱かれて。
「しかし何も変わらんではないか。。背丈も顔も。髪は伸びたか?ん?右腕は。。?」
「神殿の戦いで失いまして。。義手です。お兄様はご立派に成りましたね。すっかり大人です」
「まぁ仲が宜しくて。私にも紹介して貰えませんか?リア」
「おお悪い。妻のエストリスだ。この子は三男。シューリヘトだ」
「エストリス・デ・ボルゴーニャで御座います。随分と年の離れた弟君ですね?シューリヘト様。ウフフ♪」
「シューリヘト・オズベルタス・レグナムです。良き出会いコルツァの導きに感謝します」
赤い祝福が義手より夜空を少し明るく照らした。
エストリス様は。。あれ?お腹が大きい!?
「・・あのもしや兄上のお子が?」
「ウフフ。小さいのに叔父様になるのね。シュー君」
「春には生まれる。レグナムの名はないが、お前の甥っ子になるな。ハハッ!」
ガクッとショックだった。
それから僕は今ジェノヴァで頑張っている事を話し。記憶が曖昧だった事。二年半記憶がなく成長して無かった事など話した。
「そうか。。それは辛かったな。何も出来ずすまなかった」
「いえ。兄上と会えたので思い出したのです。名前すら忘れてましたから」
「ほう。某方何と名乗っていたのか?」
「シュリンプ・リルです。ジェノヴァでシュリンプ商会は有名なのですよ?」エッヘンと言う。
「・・そういえば。ジェノヴァといえば、仮面晩餐会で空を跳ねる子に似てない?。。もしかしてシュー君だったの?」
「ああ。乾杯の祝福もしてたな。そうか。ククっ。神の子の恩恵は変わらないな。腕は上がったか?」
「そりゃもう。では久々の再開を!神に感謝を!」
光の柱が落ち。右腕で青に変わる
その光が海に向かい『ドーン!』と打ち上げられた
――海の神よ 海上に 咲華を咲かせ給う
冠菊と千輪菊の奇跡を
いくつか飛び上がる青い光は
海上に 花火を咲かせた この世界ない花火が。
隣の客室からもみんな乗り出し海を見上げる。
「まぁ。。綺麗ですわ。。」
「…やり過ぎだ。。しかしまぁ。海なら分からんだろう。。うむ綺麗だな」
僕は二人仲良く寄り添い花火を見る姿を見て。
本当に会えて良かったと。そしてホッとした。
「あの。。シュリンプ様?光の柱で皆が。。この部屋のドアの入口に集まり出してますが。。」
「て、撤収でし!兄上またゆっくり。しばらくいますから!エーリス飛びますよ!」
「ハハッ!」
「ま、待て!それでは私の所為になるではないか!」
僕とエーリスはテラスより飛び立つ。さらばじゃ。。
それからひと悶着あったが、王族であるリアコタス兄が上手く取り持ってくれた。勿論次にあった時こっぴどく叱られたが。
そうしてリスボンにいる時に。
教皇よりの手紙はここプルトゥゲザ王国にも届く事に。
□□□
「やはりそうか。ラインストーン兄上は既に。。」
「はい。1年と少し前に。決別の言葉を。。『母上の影』が気になります」
「そうか。シューは魔力も高く母上の血が濃いいかもな。。」
ゆっくりとリアコタス兄上が当時の様子を話してくれた。神殿に行き多くの人が救われていた事。その後レグザの復興を担当した事。将軍を倒して宣誓した事。私は戦場に行かされず次期を速めプルトゥゲザ王国に養子に来た事。
「正直私はあの後1年もレグナムにいなかった。今思うと、父上は既に病に秘しておられたのだろう。母上が戻ったと聞くが。。内戦中故に王族という立場もあり帰国できんのだ」
「はい。内戦に至れば首都アテネ周辺でのテロ行為が頻繁しておりました。橋の爆破、そして東国、ワラキアと繋がっていると。まぁ全て終わり。リュフォーリル様が復興を続けてると」
エーリスも詳しく知っているので助かる。
「そうだな。アレクシオスはその繋がりで新改革派を入れたと聞いておるが。。既に第一夫人一族は死んでおるぞ?」
「そうなのですか!?じゃあ。。第二夫人一族は。。」
「ああ。安心しろ。フリーデリケ母様とイオアンナはプルトゥゲザ王国にて保護している。バルセロナに近いので西ゴード寄りだが。元より大貴族の出。安心だろう」
「そうなのですね。安心しました」
「・・こうは何だが。イオアンナの方が背が高いぞ?シューよ。。コホン。シャンタルはヴェネチアの商人に嫁に行っておる。ジェノヴァだと近い。会いにいけよう」
ううっ。。腹違いの妹にも抜かされ。。これはクリ&リリは違う意味でショックを受けそうだ。
いろいろカルチャーショックを受けながら今度は僕の話しを。。面倒なのでマルコに丸投げした。
「・・お主。バチカンの聖女を助けて。。ジェノヴァが去年何事もないのは其方の加護か。。納得いった」
「プルトゥゲザ王国といえども難民の受け入れ、そして食料支援と間接的に苦労していますのに。。困った弟君ですわね」
ふむ〜事実ジェノヴァでは好景気にあった。人、物、金が入り乱れ強盗や誘拐も増えたが。基本安全でシュリンプ商会は船を持つほど富豪になっている。他国情勢は気になる所だが、ナポリやシチリア、ヴェネチアにまで勢力が伸びて余裕がなかった。本当だよ!
「緊急!リアコタス様。王がお呼びです」
「分かった。すぐに。。シューお前も来い」
「え。あ、はい兄上」
□□□
プルトゥゲザ王国の王宮は砦の様だった。
丘の上を取囲み街全体に城壁が軒並ぶ。
多くの戦乱で残った名城というとこか。
馬車で上がるサン・ジョルジェ城は優雅な感じである。
何処か懐かしく感じるのは。。
レグナムのアクロポリスに似ているからであろうか。
王族への挨拶は省略し、20名ほど集まる。
それは開けた城門の上にテーブルと椅子だけが準備されていた。
「うむ。揃ったの。では報告せよ」
「はっ!バチカン新教皇より各地手紙が送られ。内容を読み上げます!」
”我らは一神教会世界の解放者であり、混沌となる世を打ち砕く。今一度バチカンに集まれ。強きものよ。世界は救いを求め祈りを乞う。
救いの声に耳を傾け、弱き者の生を繋げようではないか。
此処に正式に十字軍を招集し、各地へ救援に出る。強きものよ。賢きものよ。医療に通じるものよ。春に旅立とうではないか。混沌の世へ。東小三帝国を解放に”
「何だと!教皇が収集だと!?」
「教会側の勢力が動くとは。。」
「ふむ。時間は少ないのぅ。春はもう先じゃ」
「これは。。神の思し得か」
「・・どう思う?シューリヘト」静かにつぶやく。
「間違えなく巻き込まれそうです。。ううっ」
「ではなくどう動くと正しい?国として」
なるほど。王族らしくなったではないか。
「まず参戦は避けられないと思います。教皇の力はこれを気に膨れ上がるでしょう。ポイントは海軍と修道士。言う理由分かりますよね?」
少し考えリアコタス兄上は発言をする。
「恐れながら。教皇の提案は疎かに出来ず。また我が国の力を見せ付けるが吉と存じ上げます」
「ほう。リアコタス続けよ。海軍は防衛の為動かせんぞ?」
「はっ!まずは白魔術士とし修道院に働き賭けを。今回黒死病が原因の東小三帝国が主です。よって。『聖母の語り手』ルシアが適任かと」
「うむ。問題ない。適任と思う。では誰が送るかの?」
「仕方なし。丁度帰ったばかりですが。私が参りましょう」
「・・という事は私もですかねぇ?はぁ海賊怖い」
「まぁ主が言えば問題あるまい。良きに計らえリアコタスよ。うむ其方はバチカン。いやナポリで情勢をとらえ送れ。良いな?」
「はっ!ありがとうございます。アルメイダ伯爵、ガマ船長。警備よろしくお願いします!」
南印より航海を終えたフランシスコ・デ・アルメイダ率いる20隻の艦隊と。天才航海士ヴァスコ・ダ・ガマのコンビはこれからも続く。
春を前に出港し、見事オスマンの海賊を打ちバチカンに登場した。
ここに新たな十字軍の集結。
その中には修道士も多くおり、ルシアもそこに。
□□□
ジュゼッペと話しをまとめトンボ帰りになる。
ううっ冬の天中海は低気圧多いのに。。
嵐は来ないが、荒れた海面は進むのが大変で時間がかかり三月の半ばにやっと戻れた。一度ジェノヴァにて打ち合わせに戻るが。
「ただいま。みんな無事帰れたよ」
「シュリンプ様!よくぞ。。ううっ」
あれニコレが心配してくれたんだ。よしよし。
(マフィアと抗争と勘違いしていた)
「マルコ、プルトゥゲザ王国の報告と・・ん?」
皆が奥の部屋を見る。
・・凄く嫌な予感しかしない。
ドアを開けると”聖女”がいた。
「ん〜?くんかくんか。この甘い匂いは…おっそーい!シュリ♪旅に呼びに来ました!さぁ!行きましょう天竺へ!」
「暇なのか聖女は。。みんないつからいたコレ?」
振り向くと皆気まずそうに。。
「三月の初めより食っちゃ寝してました。。」
「ほう。テソク済まない。請求は教皇に送ってやれ。イケっ!アク!」
『クー!?クー!』
「何?何スライムちゃん。。ちょちょっと!うわー」
ドン。聖女を窓から落とした。「イタイッ!」
「テソク鍵は閉めろ。では十字軍の打ち合わせを始める」
「はぁ。。聖女様はいいのですか?」
「あれはああいう生き物だ。終わったら入れてやれ。アクも行ってるし遊んでくれるだろう」
大広場で聖女の泣き声が聞こえるのはすぐだった。
「うわ〜んシュリがいじめるよぅ!入れてよぅ!」
静かになったと思ったら下でピザを貰い食べてた・・・逞しいがプライドとかないのか?
結局僕は十字軍参戦する事になる。。
嫌な予感しかしない!
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