ガンダーラ
祝50話です!
ありがとうございます!
「ハァッ。ハァ。ハァッ・・」
…もうダメだ。持たない。。
「誰かいないのか!すぐに。うっ、すぐに鎖を。。」
爆発音がしてから時間が立つ。。門番の兵士も上がっていった。もう、ダメだ――
シャ―――ポトポトポト。。
私はお漏らしをした。
両手首を鎖で繋がれ、どうする事もできない!うぅ。。お尻冷たい。
・・出してしまえば問題ない。フンだ。
私は再び物語を思い出す。図書館でみた、東方の伝説の話しを繰り返し思い出した。
「大丈夫ですか?くっ!これは。。大丈夫でないですね。。」
「遅いぞ!悟空が!」
「はい?悟空って僕の事?」
ん?知らない顔の子供が。。まぁいいか。逃してくれそうだ。器用に壁に繋がれている鎖を外してくれた。
「我は至宝にして天竺に向かう三蔵法師であるぞ!」
「神巫女の服を着てるのに?」
「う、うるさい孫悟空よ!我を助けよ!」
「鎖で繋がれおしっこ漏らしてるのに?」
「こ、コラー!それは言わん約束でしょうが。。うぅ。。」
こうして小さい子供ながら助けてもらう。
神官服を着ているので敵ではないと思うが。。とりあえず着いていく。
「えっと。ずっと鎖で繋がれてたの?大丈夫?」
「バチカンも似たようなもの。鎖が見えるかどうかの些細な違いであります。逆に冷たい手首の感触が・・」
「なるほど。少し楽しそうだったし。まぁ趣味の問題か」
・・こやつ中々鋭い。
普通の地下牢と思ったが、古来の地下道らしい。子供はしっかり手を握ってエスコートしてくれる。幼稚園に送られる感じがシュールよね♪
歩いても歩いても中々出られない。暇なので歌を歌う事にした。
「そこ〜に行けばーどんな夢も〜かなうというよ〜♪」
「はぁ。。よりによってその歌。。」
構わずどんどん歌ってやる。暗いし怖いもん。
少し大きな広場に出たと思えば古い地下墓所だった。
流石に歌も止まり。空気が来ると行ってる。
「来るぞ!アンデットだ!」
子供はふっと飛びあがり、視界の奥に水球をいくつかぶつける。
確かにガイコツがワラワラ湧いてきたではないか。
やるな。無詠唱であの威力。
だがホネは落ちて他のものに付きだんだん大きくなる。
なるほど、打撃は効かないのか。
「悟空!合体してますよ?」
「その設定で行くのか。。はぁ。壊して時間稼ぎますから、お祈りお願いしますね?法師さまー」
うふふ。棒読みな部分は良いとして、祈りだけは任しとけ。
「我が神の子、三大天使ガブリエルの名の元にその陣を示す」
広間一杯に魔法陣現る。
「ガブリエルよ、この幻をその人に悟らせよ アーメン」
黄色い魔法陣が起動し、ガブリエル様のお姿と共に骨は砂に戻る。どうですか?えっへん!
「見ましたか?悟空。これが三蔵たる由縁です♪」
「アーメンとか言ってましたね?」
「・・さあ天竺へ向かいましょう」
「天使出てませんでした?」
「・・イン、ガンダーラ〜ガンダーラ〜愛の国〜ガンダーラ〜♪」
「ちょっと待てぃ!」
まったく。変な突っ込みばかりですね。プンプン。
その後、道筋を進むと崖際に出ました。あら、これは無事に帰れるパターンかしら?でも船もないし。。
「どうしますか?まだ牛魔王は倒していませんが」
「・・あの、あなたの救出が目的なので。とりあえず帰りましょうか。はぁ」
子供は何か祈りを唱えていますね。
よく感じれば青い髪が綺麗な。。まあ幼いですが。
新しい趣味に目覚めてしまいそうですね。
……我が元にメデューサの血よりその息子、ペカサースの恩恵を――
おお。何ということでしょう。
空から真っ白い白馬が降りてきました。
「悟空。これが。。筋斗雲なのですね・・感動します」
「いいから乗れ!」
だんだん雑になって参りました。もう。
潮風に流れ夜ですが心地よいです。
何故か私が手綱を握ってますが。
「自由なそのガンダーラ〜素晴らしいユートピア〜♪心のなーかーにー生きーるー」
「2番も歌えるのか。。くっ!騎獣が追ってきます!そのまましっかり持ってってください!」
「はい。悟空任せました」
「アク、よろしく!では参ります「空水!」」
何とまぁ。空に水鑑をいくつも出して駆け出しました。私もこれ程非常識は初めてです。
「悟空!頑張って!」
「はいー法師様。ご期待に答え・・いでよ!如意棒!」
なんと。右手が無いのに右手が生えそして青い棒が。。まさか。。本当に悟空!?空中をどんどん飛び出し追ってくる3つの騎獣に向かって行きます。
器用に棒を回し気獣が消え。気配が消えて行く。
あ、もう一人も落ちましたね。最後は。。上に逃げましたか。
「伸びろ!如意棒!」
その光景は衝撃でした。本当に棒が伸び。。最後の騎獣を突き抜け消しました。。なんと!
ペカサースは自然と落ちて行く主の下へ。。私感動しました。
「いろいろごめんなさい。あなたの名前は?」
「ん?西遊記は終わったのかな?シュリンプ。シュリンプ・リルですよ?法師様の名は?」
「知っていると思いますが、バチカン神巫女 カネラ・レ・ミゼラブルです」
「カネラですか。かわいい名前ですね」
「そうなのです!”シナモンちゃん”って意味があり、とってもかわいいでしょう!気に入ってまし!」
「・・喋ると残念なんで。歌でも歌って帰りますか」
その後は二人で仲良く光る街に向かって帰ります。
「何処かにあるユートピア〜どうしたら行けるのだろう〜♪教えて欲しい・・うっ。。うわーん!」
夜空がとても綺麗だからなのでしょうか。
天馬に乗って興奮しているからでしょうか?
・・牢から開放される事で安心したのかもしれません。
寂しい歌詞を歌いながら、内容が悲しくて。
泣いてしまいました。号泣です。ううぅ。
よしよしと頭を撫でてくれて。一言。たった一言で救われました。
『良く頑張りましたね?眼も見えないのに』
あぁ。。狙っていたのでしょうか?
潤んだ分。青い髪がはっきりと。
号泣は続き、俯きました。
しばらく何も声をかけず。
気がついたら手綱を握りつつ抱きしめてくれます。
泣き止まないので続きを変わりに歌ってくれました。
『In,Gandhara〜Gandhara〜They say it was in India〜♪』
私しか知らない筈の歌を。。解らずごまかしてたフレーズを。。子供の透き通る高音で。ああ・・この歌は男性のバンドでしたね。
私はこの時。
シュリンプに出会えた事を感謝しました。
え?神に?冗談でしょう。
神なんて信じない。
神の名を聞くだけでも吐き気がします。
港街が近づくに連れきらびやかに。
優しく視界が共有される。
ああ。。この世界はこんなに美しくあったのですね。
星空を睨むだけの天窓でしたから。この世界に感謝を。
ガンダーラ〜ガンダーラ〜愛の国〜ガンダーラ〜
▽▼▽- カネラの記憶 -▼▽▼
「あれ。。ここはどこ?」
――確か。夜中大きな地震があって。。ああ。マンション崩れたんだっけ……このまま死ぬの?私16歳になったばかりだよ?
――知識が足りない
誰?誰でもいい。助けて。。まだ、何もしてないんだよ?
死ぬくらいなら。どんな苦しみでも。。。神様!
――死より辛くても?
「死より辛くてもいい!死にたくない!まだ何も。。してないんだから!必死で生きる!恋もしたい!結婚だってするんだから!」
―――祈るが良い 救いの神を探せ
音が消えた
………周りはザワザワしていた。。あれ?ここはどこ?
「遙!気がついた?」
「和奏!和奏も。。生きてたんだっ!」
嬉しい。親友の和奏も。。ウッ ヒュン。
私の名前は。。カネラ・レ・ミゼラブル――
ふと頭が痛く。倒れた。。
「遥!遥ってば!起きて!死んじゃうよ!?」
うぅううん。。ここは。どこ?ううっ寒い。。凄く冷える。。周りは暗く。ザワザワしている。。あれ?何かおかしい。。
私。子供になっている?
手も小さく。。声も。。発音が変だ。
「遥。。良かった。。動ける?中に行こうよ?少しは暖かいから」
「うん。。。和奏も子供になったの。。誰?」
そこには見たこともない赤髪の女の子。
それも外人だ。少し小さな身体で眼にいっぱい涙をためていて。私につぶやく。
「やっぱり・・わかんないよね?ごめんなさい。遥。。ごめん!」
泣きながら走りさって女の子は居なくなった。
周りをよく見る。牢。。いや、工場に近いか。
窓一つもない。換気口だろうか、少し星が見えた。夜か。
油と共にいろいろな匂いが。。上から機械音が聞こえた。多くの子供が泣いたり寄り添って。。みんな。子供!?
――そこには300人程の子供が泣いていた。
何が。あったの?
何で。。こんなボロボロの服で。。寄り添うの?
一週間が過ぎたと思う。
必死で聞きながら言葉はわかった。私達は孤児だった。
否、私達は皆。親に捨てられた浮浪孤児。
日に一度神父が来て。エサを貰い取り合う。そうして生きて来た。
唯一飲める水は濁り。それでも必死に生きる。
そうしないといけない。毎日十数名が死んでいく。
匂いでわかる。匂いが着く前にボロ着を奪い。寒さに凌ぐ。
そうしないと生きられないのだ。
三週間後。少し大きな身体だったのが幸運だったのか。
私は何とか生きていた。少しずつルールがわかる。
減れば増える。
入って来たらカモだ。
比較的綺麗な服を奪い震えに備える。
ん?また誰か死んでるな。ボコボコだ。
ルールを守らなかったから仕方ない。
「こいつ。何か隠してました。食いもんと思えば。。ペッ!光ものですがよくわからないので。どうぞ」
「ああ。ありがとデキ」
デキに渡されたものは。見慣れた校章だった。
!!!!
……ボコボコになった小さな女の子は。。赤髪の。
遅かった。気づくのも。助けるのも。
既に何も言えない。動いていない―
「和奏!和奏。。。かずなぁあああああああ!!!!」
三週間目。
私の連れが親友を殺した。
私は躊躇なく。
おデキが目立つデキと名付けたガキを殺した。
校章で首をカッ切って―――
それが私のこの世界の初めの殺人。
神なんて存在しない。生きる為には強さがいる。
四歳から八歳まで。その工場にいた。
五歳のとき脱出未遂で死にかけた。
六歳の時魔法を覚え。
七歳になる頃地下のボスになっていた。
監視を殺すまで。何人殺したか。奪ったか。
もう私は頭がおかしくなったと思う。
それは神がしたのだから。仕方がない。
外に出て。
ここはチャウシェスクの裁縫工場の地下と知った。
逃げれば街で犯罪をするから。適当に押し込めればよい。それが政府の方針と。
どうでもいい。二度と来るか!
――私は外に出て。視力を失う。
太陽が残酷なほど熱い。
無情にも四年間暗闇で育った私の視力を奪った。
どうでもいい。私は魔力があるのだから。
人の気配と。風魔法がある。帰り血で赤い髪もどうでもいい。
既に衝撃で髪の色素が失われたのだから。
「そこ〜に行けばーどんな夢も〜♪叶うと〜いうよ〜」
大きな川に出て、川沿いを行く。
さっきの町で幾らか手に入れた。
久しぶりに満腹で気持ちいい。
川を上がれば何かあるだろう。
眼が見えなくても。日差しが気持ちいい。
私が次に訪れた街は。プラハと呼ばれていた。
それから三年後。教皇という人に攫われて。
バチカンに連れて来られた。
それが初めのこの世界での記憶。
神なんて祈りたくもない。天使は使うもの。
――神なんて信じない。
毎日投稿していく予定です。
本日2話目!2章もクライマックス!
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