バチカンの混乱
メデューサは最強でし!
……何もできなかった。
「それは・・」
手足が固まる、無理だ、こんなの勝てな・・
『ぐるぅ。。。ああああ!』
(これは!この世の物ではない。あぁ。。なんと悍しい眼・・・)
絶対の恐怖を初めて知った――
》 》 》 》 》 》 》 》 》 》 》 》
「……さあ話せよ。時間がない」
ハァッ!ハァ。ハァハァ。。ッ!
眼から涙が止まらない。。私。。死んだ?
前に立っている子供の表情は無機質に感じた。は、話さないと。この子は、化物だ。。
「は。。はい。主スヴャトポルク公様の命令で、シュリンプ様の動向を探ることをしました。お許し下さい」
「晩餐会が終わってからか。複数居たよね?」
「国は違えど同郷の者。三名ほど。。始末しますか?」
「いや良い。狙われた訳ではないし。聖女については?」
「一般には行方不明とお聞きしています。が、誘拐です。神官経由で船に。マフィア、ミケーレ・グレコ率いる貨物船が深夜たったと。聖女は既にシチリアに居ると思います」
マフィアが絡んでいるのか。利害が絡まっているな。
「・・理由はどう見る?」
「はい。フィリップ教皇の孫娘と言われる程聖女様は影響が大きく。それを削ぐためかと。13人の枢機卿の内フィリップ派は6名。残りの枢機卿関係者と思います」
「しかし枢機卿でもない聖女が何故?コンクラーヴェに参加もできまい」
「・・正式に次期教皇が決まると、聖女様は若くして枢機卿に推薦されるでしょう。高齢が増える枢機卿はどう考えると?」
なるほど。聖女が入る事自体教皇になるのを諦める事になるか。。今の枢機卿も若くても50を超えている。しかしよく調べたものだな。
「分かった。エーリア今より私に付け。問題はあるか?」
「はっ!元主に連絡だけ。改めまして。私レグナム神国出身エーリス・バトロル。偽名エーリアでも構いません」
「・・エーリス明日に経つ。連絡などは自由に。ただここであった事は言うな。同郷はバチカンの様子を探らせろ」
「はっ。シュリンプ様!我が神ハーデスに誓って!」
黒髪黒目の彫りは深いがきれいな顔。
神国の運命の糸をクロートーが紡ぐ。
□□□
〜少し前 魔法組合八階〜
サルヴァトーレの話しは淡々と事の前後、バチカン宮殿の様子を手紙を見ながら語っていた。元より体調を崩した教皇は秋の頃。
一斉に枢機卿は地元に戻るもの、貴族に合うもの、王族に向かうもの、全てが資金を集める為のロビー活動という。選ぶのは全員一致なので様子見などしていれないのだ。資金多いものが勝つ。
宮殿内は多くの来客の訪れ、対応など神官は走り廻されていた。カメルレンゴによる死の確認は恙無く行われ、銀の鎚で確認の際は聖女様もその場にいた。それが最後に。
教皇葬儀は予定を新年より5日ずらし、コンクラーヴェは12日より行われる。
「分かった。四候は葬儀に参列。王族は間に合わないなら書物を私から送る」
「神殿長か、私も同行致します」
「問題は聖女だな。検討もつかんが。宮殿で行方を晦ましたのだ。枢機卿の派閥に巻き込まれた可能性が高い」
「バチカン宮殿他サン・ピエトロ大聖堂も厳重警備が貼られています。問題なくすぐに見つかればいいのですが。未だ不明です」
「神官兵が見張っているのに。か。抜け道を知るものがいる。。」
「聖女様がいないと問題がありますか?」
「ない。とはいえん。この数年神巫女にして祝福を行われていた。其方も知っての通り、大きな祝福は経済すら良くする。街に知れ渡り聖女まで言われたのだ。次期女教皇とまでと、な。その影響は新改革派に直結する。少なくともイタリシ全土に知れわたるだろう」
なるほど。負に落ちた。
それからは組合も通じ情報を仕入れる事くらいしかできない。
うんん。。まだ視てるな。。よし捕まえるか。
「では。聖女救出に行きますね」
「「!!」」
「おい、分かるのか!?」
窓を開けポーンと飛び出す。『空水』
このまま神の加護を辿れば。着くだろう。
トーン・トーン・トーン
雪に舞い青いストールが消えて行く。
□□□
シチリア島シチリア自治州
天中海のほぼ中央に位置し、要衝としてさまざまな勢力が覇権を競い合った地である。場所はイタリシ共和国の南。
南部より民族が流れ込み、古きからロマノ人も住み、またイタリシにも影響のあるマフィアの巣窟であった。シチリアの農地管理人がマフィアの起源に当たる。島内には多くのマフィア一族があり、沿岸には海賊の街シラクサが在った。
・・そして物事は首都パレルモで起こる。
「馬車で来たがこのガキ。んでグレコ隊長は何て言ってんだ?」
「殺すにはまだ早えと。隠せと言ってたな」
「んじゃ金なんのか。何にせよ遊んでかねえとなぁ。嬢ちゃん」
「おい。神官服はやめとけ」
「珍しいじゃねえか。『泥酔のマリシ』が喋る何てよぅ〜?皆、聞いたか?」
「ゲラゲラ」「喋んのか。んだやりてえのかオイ?」
――カトラスが空を舞う。
「グハッ!なに。。し。やがる。。」
一斉に海賊が立ち上がり。酒場は修羅場と変わった。
「このクソが!」
「足狙え!」「おい邪魔だ。ゲッ。。」
「対した事ねえなぁ。マフィアは。ん?単なるチンピラか?」
「おめえ。。海賊か?」
「海賊。。その名を呼ぶな!」
「お、おいこいつ。黒目の。。マリステンじゃねえか!やべえぞ!」
「おめえ。死んだぞコラ!」
ドアがカランと開き。十数名の一団が入ってきた。
「まぁ待てよぅ。威勢のいいおっさん。あぁ〜あ。ひい、ふうみぃ。こりゃ結構死んだなぁ。おい」
「・・誰だてめえは。」
「コルレオーネのリッジョって言えば分かるか?おい。ここは俺のシマだ。何企んでやがる?グレコは。女も海賊も連れてけ」
「し、知らなかったんだ!勘弁してくれ!」
バーン。乾いた音が響く。返事は無かった。
「んーんー」
「なんだよ?神官の嬢ちゃん。。おい猿ぐつわ、取ってやれ」
「ぷはっ!おしっこ!!速く!」
「・・便所連れてけ」
ジャー。すっきりとした表情で戻って来る。
「んでその神官服は。。バチカンか。お嬢ちゃん何しでかした?コカか?金か?」
「んー何にもしてないよ?攫われた」
「ほう。有名人か?こいつ。おう誰か知らねえか?」
少女はへらっと薄ら笑みをしている。その銀髪はこの世界でも珍しい。それに似た薄い銀の瞳。年は14,5だろうか。まだ幼さが残る。
「こいつ!聖女だ!『バチカンの聖女』間違えねえ!」
「・・と言ってるが?」
「リッジョ。お腹空いた!食べたら教える!」
「クッ。。おいアランチーナ買って来い。カルネとブッロ四つずつな。ああ俺はヌテッラ入りを頼む、デコ。ボニーおいビール。後は見張っとけ」
「「はい」」
「まあゆっくりしようぜ?お嬢ちゃん名前は?」
「カネラ!ボニーこっちもビール!ナッツも!」
リッジョは笑いが止まらない。久しぶりだ、この街で呼び捨てにされたのは。ああ。神官服だからか、司祭のおじを思い出す。
豪快に出されるビールを飲むこいつが聖女だって?
あぁ世も末だな。さてさてさて。幾らの価値がつくのか楽しみじゃねえか、グレコさんよ。
その後アランチーナを必死に頬張り。
「しちりあもよきばちょでちゅよね。もぐもぐ。んぐ。ぐぴっ、ぷはー!生き返る!神に感謝を!」
と手づかみで喰うこいつ。
本当に遠慮してほしい。
部下のケッチは心から思った。
こんな血生臭え所で良く食えるな。。。
酒場は計七名の死体が運び出され。
海賊らしきものも運ばれていく。客は既に逃げていない。
丸テーブルでガツガツ食べてる人質が其処にいた。
・・ヒロイン登場??
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