雪景色
少しずつ。不穏な感じが。。
秋より冬に入ります。
仮面大晩餐会は成功に終わった。皆初めは驚いていたが夜が老けるまで社交は続いたと言う。偽名を使う人は殆どいなく、貴族という肩書がアドバンテージである故だろう。四候達は偽名で逃げてたが。。
まぁこっちの思うまま進めて結構。外商なども多くいた為、貴族間で僕ら商会の名は一気に拡がる。その為の”空水”や祝福をしたのだから当然と言えば。。まぁよし。
という事で、ひっきりなしに人が。シクシク。。
ジュゼッペより頼まれていたモッツァレラチーズの工場を貴族側倉庫に設置をし、マルゲリータの指導でピッツェリアに。またレシピの管理を商会組合に申請。販売を行う。
その合間にもどんどん挨拶がつづく。晩餐会など招待は全部断った。無理ー!
ああ、一度スヴャトポルク様が訪れたらしいが、水牛の件でニューニュ村に行っていた。手紙にはキエフ大公国にいつでも来い。商会の紋章がとても気にいってたらしい。そういえばキエフの国旗に似てるな。
お土産の品々が置いて行かれた。。気にいったみたいだ。
赤カブ一箱。蜂蜜、ワインやウォッカも箱、そして羊三頭。。どうしろと。顔黒い羊初めてみたよ。。ニューニュに再び送る。
順調は順調なのだが、忙し過ぎる。ニコレも肌がカサカサだし目のくまが酷い。ジュゼッペに文句を言いに行く事にした。
「あ~確かに忙しいだろうな」
「他人事ですね。。(ジー)」
「分かった。何人か人員を送ろう。モッツァレラチーズ工場は足りそうか?」
「ギリギリですね。。というか!グレータ注文取りすぎでし!」
「売るとき売るのがフィエスキ家のやり方だしな。。グレータから送らせよう。今や大人気のシュリンプ商会。募集したらいいのでは?」
「めんどい」
眉間を抑えてはぁ〜っと。少しジョバンニを思い出す。
「・・分かった。護衛と、側使え一人。文官二人送る。条件などあるか?」
「綺麗系とかわいい系と癒やし系。」
「自分で探せ!!」
流石に怒られた。。仕方ないから貰い物のマトリョーシカをザハちゃんにあげて機嫌を取った。ぱぁ〜っと眼が光る幼女。チョロい。
「シュリ〜ありがと〜♪」
「どういたしまして。寒くなるから風邪引かないようにね?」
よしよしと頭を撫でて癒やされる。
それを悔しいそうにジュゼッペが最後に一言。
「シュリンプ、年明けには船で出る。。それまで何とか整えるぞ」
□□□
今シュリンプ商会にいるのはミア入れても四人。そしてそろそろニコレもいなくなる。貴族院に行くので。10月半ばくらいから。
「だからグレータも協力しなさい!」
「な、大分強気ですわね?」
長椅子を持ってグレータが訪れてる。僕はこの一月休みない。定期的に収入は入るし、仮面も注文が来てる。遠慮なく言う。
「はぁ〜仕方ないから優秀な会計探しますわ。結構儲かったですし」
「だめだったらソルバ貰うから」
「わ、私の側使えはダメですわ!こ、コラァ色目使うなー!」
可愛くにこにこしてるだけなのに。
オロオロしながらソルバはどうしたものかと困っていた。
「それでは皆よろしく!シュリンプです!」
「はい。収支報告などお待たせを。テソク・ガルシアです」
テソクは30過ぎの執事兼、会計長だ。大人の人がいるのは助かる。基本事務所で働いて貰う。ジュゼッペの紹介。
「私はメルツァ・ヘッセンリアです。まだまだ未熟ですがよろしくお願いします。シュリンプ様」
メルツァは16歳。元々会計を勉強にスチュアートに入ったが、僕の話しを聞いて乗り気らしい。グレータの友達でもある。主にニコレと同じ商会関連の事務や生産調整に。
「ドミノ・グリタリアです。細工はおまかせ下さい」
ドミノは学院より。仮面関連を任せたいので主に白魔術院と美術学院を任せる事になる。現在学生中の15歳だが既に授業を終えてる。
「皆よろしく。後ニューニュ村でトリアが水牛のミルクの販売、羊の養牧をしている。よろしくね。何でも聞いてください。特にマルコは知っているので良く聞くように」
「「はい」」
実際マルコは凄い。忙しいくなると調整し、無理ない範囲で仕事を振るのが上手い。おかげでニコレはボロボロだ。
ちなみに護衛は見つからなかった。まぁ最近たむろしているズッカもいるから心配しない。寝具がバレてから普通に寝てるが。。
最後に、パッソ35歳はマリアに無理を言い厨房でお抱えにしている。ご飯はもう作る余裕ないし、ピザばっかもキツイ。レシピも知っているからよく応援で出すけど。多分一番晩餐会でキツかったと思う。
「ではシュリンプ商会のモットーは!」
「「世の中を面白く!」」
新生シュリンプ商会の幕明けであった。
既に商会資金は白金貨10枚を超えていてお金の心配は無くなった。王族にも納品するので、商会ランクはAになった。。
□□□
季節は冬を本格的迎える。どの部屋も暖炉が必要になりシュリンプ商会は人も増え賑わっていた。休みも定期的に取れる様になったし、残業もない。にこにこだよ!
今日は一段と冷えるな。いつもより火を大きくし。
みんなにホットケーキを焼いていた。蜂蜜たっぷり〜♪採れたて新鮮バタートロリ〜カロリー高いけどいいか♪
「ぬぉおお!爆発的に美味しい!」
「これは。。ほっこりだな。。甘い」
「名前はエリサート・ケーキと名付けましょう」
冬になり暇になる三人組は相変わらず。。寒くなるので商人も往来が減り最近ずっと居座る。。おや?太ったかエリサート。
「ほう。カフェテリアに会いそうですな」
「蜂蜜が贅沢品なのだが。。採算が合えば」
「これは美味しゅうございます!グレータに自慢しますわ♪」
「・・みんないつもこんなの食べてるのですか?」
「相変わらず。奇抜なものを。。小麦ではないな?これは」
「そうですね〜まぁ暖かくなる春先に出しましょうか。ホットケーキと言いま『バタン!』・・あれ?神官長様?」
「シュリンプ殿、食事中に申し訳ない。ジュゼッペ様。今バチカンより通達が。。フィリップ教皇が亡くなりました!」
「本当か!」
「間違えなく。コンクラーベは通年通り年明けに。。更に。聖女が。。行方不明と。。。」
「なんだと!そんな事が。。クッ事実であろうな!?」
「私の同郷が枢機卿におります故。。すぐに四候にご連絡を!」
「分かった!魔法組合に参るぞ。ルカすぐに四候へ伝達を!シュリンプすまぬ。皆!今の内容は戒厳令とする!話せば命がないと思え!他言無用だ!」
「「「ハッ!」」」
・・幸せな時に何か起こる。
それはあの時と同じ。空が雲り嫌な予感する様に。
窓のカーテンを明け、ゆっくりと曇りガラスを吹く。
この世界に初めて雪が積もっていた。ああ。雪は久しぶりだ。この世界でない懐かしい記憶が蘇る。
チラチラと舞い散る粉雪は音もなく降り積もる。
『クークー・・』
アク。ありがとう。心配してくれて。
大丈夫。聖女もこの商会も。この国も。
まとめてみんな守るから。
うんフューリ 守るから安心してよ もう失うのは嫌だ
―――僕がフューリを忘れる訳がない
ずっと心の中で大切にしてる
「シュリンプ殿。お風邪を。。失礼しました。皆、食事を終えれば早めに上がるぞ?雪が降り出した」
「それでは失礼致します。良いお年を迎え下さい」
「私達も宿戻るか〜シュリ、またね」
そうか。もう年の暮れ。11歳になるのか。
「皆も風邪を惹かぬ様に。御自愛下さいませ」
「はい!シュリンプ様。また翌年」
皆が出て行った後。鍵を閉め階段を降りる。
久しぶりに青いストールを首に巻く。
既に雪は積もり、いつも賑わう中央広場もだれもいなかった。
ゆっくりと足を進め。ドアを開く。
「お待たせしました。私も事情をお聞きして良いですか?」
「ああ。是非お願いしたい。あとフェデリーコ候が来れば話しを進める。シュリンプ、よろしく頼む」
悲しい事があった時。いつも空は曇っていた。
□■□
あれから三ヶ月。表だって特別な行動はない。
私は公の任務を受けジェノヴァに残り情報を集めていた。
北部山脈に魔獣が増えたくらいで、大きな問題はない。
四候の力は大きく、ルクセンブルク公国、西ゴート王国、プルトゥゲザ王国など多くの来賓者がいた。特にグリマルディ、フィエスキ両家は既に王族と同等。
そして仮面晩餐会を成功したシュリンプ商会。どこで誰に聞いても皆答える。多くの流行を呼ぶ子供。隻腕の海老。要注意人物である。
報告を追えた後よりその動向を探る任務へ変わる。
神官長が走って出て行く事を踏まえ。。なるほど。情報が入ったか。
四候も魔法組合に集合。
さてどう動くか?しばし様子を見るか。
雪の降る大広場の見える宿場で窓を見張りつつお茶を飲む。今日は冷えるな。。ふとノックの音がした。
・・誰だ?この場所は部下にも知られてないはず。
「こんばんわ、エーリアさん。お話聞かせていただけますか?ずっと付けていた理由と、聖女の場所を。あ!お茶良いですね」
にこにこしながら窓から入った。。油断できん。
何故。。何故ここにシュリンプが訪れる?
その子供の手に。蛇がうねる青銅の盾があった。
二度と思い出したくない。
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