グリマルディ家の恐怖
長くなりました。。
戦争の内容もありますので、ゆっくりでどうぞ!
「それでは行ってきます!」
「まぁ小さいのに似合うじゃないか。噂に聞く”神の子”みたいだねえ」 ヒュン
バイバイと手を振りグリマルディ家に向かう。う、なんか思い出し。。た?朝は神官服を引き取り、久しぶりにオシャレな感じであったのだが。
少しずつであるが、記憶が繋がりだした。
今から訪れる所でも貴族らしい態度は可能であろう。
「うーん。いいとこの子供だったのかな?アクー」
『クー?』
「まぁ今日はよろしくね。アクが主役だもんね」
『クークー!』
初めて入る貴族街は少し緊張する。
内門に騎士も立っているし、道路は更に整えられていた。
路地も少なく、どちらかといえば後で作られた豪邸という雰囲気だろうか。
「む?そなた何用か?」
「はい。本日グリマルディ家次期当主、ジュゼッペ・グリマルディ様とお約束がございます」
「ふむ。名前を聞いても?待合室まで案内する」
「はい。シュリンプ・リル。冒険者でございます」
門の端を抜け待合室に通される。伝令はすぐ行ったのだろう、騎士はすぐ戻ってきた。
「わかった。旦那様より客室へと御案内を。一緒によろしいでしょうか」
言われるまま着いていく。身元がはっきりしたからか、態度が変わるのを感じる。子供相手なのに大変だなぁ。
外から思っていたのだが、流石に屋敷の中は広い。青い絨毯が印象的なのと、正階段別れにある大きな紋章旗が目につく。二階に案内され内廊下一室通される。40畳はあるのではないか。正面の大机、左右は6人ずつ兵士、扉付近にメイド複数人とまさに小さな謁見の間のようだ。
――ジュゼッペ・グリマルディ・ファン
年は30前。グリマルディ家の三男にして正式な次期領主を勝ち取る。その類まれな気質と先物取引を見る目、まだ未開の地スミュルナ(トルコ西部の都市)を開拓した当本人である。その金色の髪、左右のオッドアイは色濃異なる天色と紺藍色。幾千も航路をした証拠、肌黒い顔は挑発的に思えた。
「良くぞきた。シュリンプよ。遅かったな?」
「はっ。シュリンプ・リルでございます。改めまして、良き出会いコルツァの導きに感謝します」
躓き、左の手の甲からほわんと赤い光が。祝福挨拶だ。
「ほう。丁寧にな。そういえば神官服か。いろいろありそうだな。こちらに座れ」
ニヤリと微笑むあたり嫌な予感はするが、、
丁寧に。ゆっくりと歩む。
(ぼっちゃま、足元より相手の胸元を)
顔を上げ見ると後ろには重臣が2人、近衛兵4人。変な緊張感はそのせいか。少し離れた位置に椅子が用意されていた。
「ふむふむ面白い。某方は教会の出の者か?」
「いえ。私はとある船事故があり、この国に来ております。出身はレグナム神国ですので、教会のお世話に服を借りております」
「…ほう。右腕がない理由は想像がつく。某方はレグナムか。なるほど。。では神殿派なのか?」
「どちらを選ぶ訳でもございませぬ。ただ、知っての通り神殿の教えしか祖国にございませんので。強いていえば神殿派なのでしょう」
「ふむ。冒険者と聞いているが、本当なのだろうか?」
「もちろんでございます。御心配でしたら冒険証を見せましょうか?」
「いや、それには及ばん。さてと。。この者を殺せ」
「ハッ!」
騎士が一斉に抜刀する。重臣は止める気はない。
(は?何だと)
「抗うが良い」
「いいのですね?」
ニヤリとした顔を見る前に騎士が襲いかかる。
『シャボンガード』
体からゆらゆらとシャボン玉を飛ばす。
構わず騎士がシャボン玉ごと袈裟斬り襲いかかる。本気か。だがシャボンは割れない。
「何――ッ!」
騎士が次から次に切り伏せるが、シャボン玉はひとつも割れない。
「く、くそ切れない!なんだこれは!」
ゆっくりと椅子から立つ。
あぁ。あったまきた。
「アク。お願いしていいかい?」『クークー!』
――我が愛しきメドゥーサに祈り給う
海の神ポセイドンの名のもとに
この盾に輝けり宝石の目を
右手のアクに盾が出る。その風貌は恐ろしく歪だ。
頭髪は無数の毒蛇で、その歯は牙のように。盾に埋め込まれた生首は生々しく、未だ血管からは赤血が流れて落ちていた。
『ぐるぅあ。。ぐる。。ぐぅ。。。ああああ!!!』
そしてそれは生きていた。苦悩の声が響く。
「しばらく大人しくしてろ」
「うっうぁ・・」
「盾を見るな・・」
「これは・・」
シャボン玉は落ち、見るもの全てを石に変える。
盾をかざせば周囲が石像だらけに変わりだす。
もちろん上座の近衛兵、そして呼んだ本人すらも。
「ひっ。ひぃい・・」
見てないから盾のメドゥーサの顔は分からない。
ただ、石騎士の表情は。全て恐怖に怯えていた。
》 》 》 》 》 》 》 》 》 》 》 》
ゆっくりと歩き、右側の血管の血を浴びせる。右側だ、左は殺してしまう。
血が掛かると同時に石化が溶けた。
「くはっ!はぁはぁはぁ。。。はぁ。。。うっ。。生きて・・おるのか?なんだ、何なんだお前は!?」
「何を驚いている?ジュゼッペ。聖書にも書いてあるではないか?『神を試すな』と?」
ゆっくりと周りに血をかけて戻さす。
戻ったものは皆過呼吸を戻し混乱していた。こちらを見るかけらもない。
全て血をかけ終わると盾を戻し、ゆっくりと前に立つ。
「それでは。お話を伺いましょうか?」
その表情は初めニヤリと口角を上げた、ジュゼッペ・グリマルディの表情に良く似ていた。
□□□
「改めて申し訳なかった。某方を試す様な事をし。償いは何でも行う」
ちょっとやり過ぎた感が凄い。。
場所は三階のテラス席に通された。ここは景色も良く、必要な側使えも一人しかいない。ルカと名乗りお茶のお世話をしている。
「いえ。私もやり過ぎました。ただ、何故いきなりあの様な事を?」
「教会はともかく、神殿関係者には商売上いいイメージがないのだ。。それは解ってもらいたい。また、殺せといった方が素がわかると判断したまで。少なくとも本気では無かった。申し訳ない」
これは本当だろう。冒険者が貴族に試される事は実際に多々ある。あの場所に通した事も、ある程度準備をしていたと思う。
「なるほど。では少し情報を聞きたいのですが?」
「なんなりと。解る範囲でお答えします」
「私、ある理由にて記憶少し失われてます。およそ3年間。時勢などざっくりお聞きしていいですか?レグナム神国を含めて」
こういう事は国のトップいる方が解りやすい。
歴史を間違えないように認識する必要な事だ。
「わかりました。帝国と東ゴード王国情勢ですが……
――東ゴードは今よりも2年前に滅びる。帝国が軍事占領を行った形になった。しかし、その被害は大きく、多くの住民が惨殺された。
残ったものは西ゴード王国へ避難、亡命をし、1/4程が西ゴード王国へ脱出移住する。その後何度か停戦合意が行われたが、やはり国境沿いでは争いが続いていると。
西ゴードは国の国力も人員も増えた為、帝国軍は攻める事より守りを主に東ゴート側へ展開している。
3年前秋にレグナム神国も帝国に加戦宣誓がある。本格参戦したのは翌年の春から夏にかけて攻征をかけていた。場所はアメディア小国が戦時の中心となり、帝国軍に対し優先に推し進めていたらしい。
しかし、その年の冬場にレグナム王、領主がご病気に。翌年の夏まで優勢と拮抗していたが、両国共に互いに疲弊していた。冬には人質だった第三夫人が返され、帝国がアメディア小国から撤退を及する停戦合意を結んだ。僅か2年であった。
隣国もその報道は衝撃的で、帝国軍の初の大敗とみなされた。
事実上レグナムは押し勝ったのだが、明ける春。つまり去年の春より第一夫人が新教会派を取り込み、領主の病気もあり、次期領主同士の内戦に至ると。敵は帰って来た領主第三夫人率いる家族と旧神殿派らしい。今も続いている。。。
噂では領主は亡くなっていると聞く。
帝国は攻めあぐね既に取得していた東三国を植民地とし、現状維持に。国は大国になったが、混乱はあると聞く。東ゴートより5年に渡る大戦争なので、西側に進行も去年より止まる。
このあたりの共和国は繋がる繋がらないがあるにしろ、基本中立だという。一番戦線に近いフランク王国、スイルス中立国との国境は再び緊張が高まっていると。
ジェノヴァ共和国も安全と言い難いが、イタリシ共和国がある為北部が抜けられない限りは安心だと。元東ゴートとイタリシの国境は高山が軒並みまともな道もない。周り込むにも東は多くの小国、西は西ゴートがある。
「ありがとうございます。後ひとつお願いを」
「なんなりとも」
「貴方も立場があり、私もこの国は好きなのです。大事にしたくありません。今日あった事は内緒にお願いします。盾を含め秘密にお願いします」
「ハッ!。恐れながら。。質問よろしいでしょうか?」
「はい。どうぞ」
「貴方様は、もしや『灰色の片腕ライト』様いや、賢者様でしょうか。。?」
ん。。。?何処かで聞いた様な?
「違います。確か有名な魔法使いで暴走したと聞いてますが。。昔話ですかね?」
「いえ、300年立ってもまだ健在しているとお聞きしています。西側都市エルグランドを壊滅したのはライト様と。。」
「ええ、全然違います!壊滅などしません!しさせません!」
「あぁ。良かった。。。無礼をした私の命は良いのですが、この国は我が一族の全てなので。。ジェノヴァ共和国が無事ならよいのです」
なんかとんでもない人物と同じ扱いなのか。おれ!
「ふぅ。長くお話お疲れ様でした。では参りましょうか?」
「はい。えっ、と、どこへ?食事なら用意させますが?」
「約束したではありませんか?娘にスライム見せたいと。私はその為に来たのです!」
ジュゼッペはルカと顔を合わして驚いた。
そしてだんだん笑顔になる。
改めて椅子の前に跪き、左手を返し、差し出す。
これは最上の感謝の仕草だ。僕は手を取り立ち上がる。
「ありがとう御座います。。娘には、いえ、娘は楽しみにしていました。よろしいのですか?」
「では参りましょうか。いつもと同じ言葉に戻して置くように」
立ち上がるジュゼッペを引き起こし。右手をスライムに「くるッ」と戻す。ブカブカになった右の袖より金箔ちらし、肩にアクを乗せて歩きだす。
その仕草は神々しく見えたのだろうか、二人とも着いて来ない。。
「えと、何処へ向かえば?」
廊下に出たはいいがもちろん分からない。
慌てた様に急いでルカが案内する。。
なんか題なしな感じが。。う。
□□□
ザハ姫のお部屋に来られたシュリンプ様は不思議な御方でした。
「どなたかしら?お客さまーちちうえ?」
「ああ。ザハリ、私の大事なお客様だよ?」
「あら?小さい神官さまーごきげんよう」
「ごきげんよう小さいお嬢さん、今日はお友だちを連れて来たのです」
「お友だち?どこですか?」
「仲良くしてくれると誓いますか?そうですね。神に誓って?」
「大丈夫です。ザハ、優しいもん。誓いますわ!」
にこにこ頭を撫でて。
「では紹介しますね。スライムの、アクです」
『クークー!』
シュリンプ様の空いた右手から飛び出したアクは、ザハリ様の前に飛び出して踊るように近づいて行きます。
「ふぁーーースライムさん!触っていい?」
「いいですよ?」
「キャーキャー!!とおさま、すべすべして冷たいですわ!」
「良かったな。ザハリ」
何とも言い難い幸福感でございます。
未知なる物と出会いは怖さあるもの。
見てください。あのかわいい表情を。。旦那様も涙ぐんでございます。
スライムさんはいろいろな姿を見せ。
ちょうどいい大きさでザハ様の両手収まっております。
「ちちうえーちちうえーあくは目もあるよ?」
「そりゃスライムだからなぁ〜目もあるさ」
「ぷにぷにしてる〜ほっぺみたいだねえ〜」
ああ目がキラキラしてます。これは良いものですね。
しばらく見ていても飽きません。
すると、シュリンプ様がおっしゃいました。
「よし、手品を見せようかな」
「まだ何かあるのですか、小さい神官さまー?」
「ちょっとアクを借りるね〜アク、いいかい?」
『クークー♪』
するとシュリンプ様の左手から水の輪が、空に浮かびます。
スライムさんもタイミングを見て輪をくぐり抜けて行きます。
もはやみんな見とれていました。
だんだんと輪が増えてきて、上下に動いたり難易度は上がるのですが、器用に抜けて行きます。
「最後だ!アクー」
輪が重なり合う7つの輪を綺麗に抜けた時に。水の輪は弾けシャボン玉が降り注ぎました。何ということでしょう。
『クークーク〜♪』
「うぁーー凄いよ、あくすごい!きれー」
「これは。。本当に綺麗だな」
「ああ。私夢を見ているのでしょうか。。」
「すごいー!あくも神官さんもありがとー」
「うんうん。いい子にしてたら、また遊びに来るからね?」
「うん!絶対いい子にしとくよ〜あく〜かわいいね」
またね、と言ってシュリンプ様は戻って行きました。後ろを跳ねるスライムさんも可愛く、欲しくなります。
側使えとしても、いいものが見れました。
しばらく興奮が続きそうですね。
・・興奮のしすぎでしょうか?今晩は寝付きが悪うございます。ザハ様に熱が出ないとよろしいのですが。
心配な側使えのアネッサの報告でした。
素敵な話しになるよう頑張ります!
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