目覚め 〜2章プロローグ〜
2章始動!
ぽこ.。..。ぽこぽこ.。..。
(ここは。。水の中。。?)
目を開けて見るが痛い様子はない。
なんだか。カプセルみたいなものに入っている・・きゃー裸!
「うぅぅおわぁあ!」
カプセルが開き。どしゃっと倒れた
。ごほっごほっ。。口から甘い液が落ちる。
「あら。起きたの?」
イレーネが浴槽から声をかける。
「ここは。。というより着るものない!?キャー」
「私の体は見ても、見られるのは嫌なのね。面倒くさいのね、はぁ〜そこに掛けてあるわよ?」
テーブルの上に神殿服が。綺麗になっているが、右側が燃え尽きていてない。
―そこで気がついた。バランスが悪いのも、もたついたのも。
――僕は右手が無かった。
「これ治ってるんだよね?」
「そうよ。少し生えてるでしょ?まあまあかな?」
パシャパシャと浴槽を叩きイレーネが話してくる。
聞けば回復専用の液で、使っていれば傷が治るらしい。
タコとかイカとか。生える系の特殊な体液の調合液と。。そう聞くとちょっと気分悪い。
確か右腕はざっくり切った記憶がある。
肩口から真っ二つだったのに、今は二の腕の半分程度。
傷跡はなく丸まっていた。
「ありがとう。イレーネが助けてくれたんだね?」
「・・あのまま死にそうだったからね。無茶しちゃって」
「もしかして結構。。長い間寝てた?」
…なんとも言い難い表情をしている。
「ここでは二日。。」
「そっか。安心した。。てかここはどこ?」
「海底の国。アトランティスよ?」
どうやらとんでもない所に来たらしい。
◇◇◇
よくよく見ると、壁は白くサンゴが集まっている様だ。
テーブルなど加工品も石や岩を削ったもの。
そして窓はあるけどガラスはない。
乗り出して外を見ると・・
めちゃくちゃ大きな街、いや大都市が。。
そこに埋め尽くす程サンゴの家やビルがあった。
「うぁ―――すごい!すごいよイレーネ!」
「フフン♪私達の故郷はすごいの♪てか、服着ないの?・・ふっ。年相応かわいいわね。フフン♪」
・・どこを見て言ってるこの娘は。
いそいそと服を着る。んーパンツないのでスースーする。
「エッチー」
それからゆっくりとイレーネは話してくれた。
クラーケンで運んだ事、召し使いに会って無事を伝えた事。
「死にかけだったから。。身体に無理ない?」
「う?超元気。お腹減ったくらい」
「一応、さっさと陸に戻したほうが良いわね。ここは特殊だから」
ここは海底の更に下、海底地下に当たる場所。どういう作りかわからないがずーっと昔からあるらしい。
天井が明るいのは光りゴケだと言う。ずっと明るい。そして人魚を含めた異種な種族が軒並み暮らしている。
半魚人、知能を持った魔獣、そして精霊達。普通に魚達もだ。
つまり人間はいない。
難破船で入って来たのも居たのだが、それはそれで今は骸骨で暮らしてると。。それは嫌だ。
「ここの一日。。は酷く曖昧なの。鐘がなれば一日。それは陸の感覚で。。1年らしいわ」
「うぎゃー何それ怖い。。帰る!帰ります!」
流石に出た瞬間、爺ちゃんになるなんて切ない。浦島太郎。。竜宮城??まぁ深く考えないことにした。
「シューよく聞いて。ここの土地や記憶は、精霊によって作られたものなの。だから出たら忘れるわ」
「・・イレーネの事は覚えているんでしょ?」
「そうね。ただ入る前後の事は忘れるの。だからシューが神殿での事。。忘れるかもしない」
そう言われて思い出す――
フューリは死んじゃったんだ。お婆様も。もう、いないんだよね?
ポツンと涙が出る。ここに来て記憶がすっきりしないのはそのせいか。
すると部屋の奥から誰か来た。
「イレーネ様。目覚めましたかのう?」
「今説明が終わったわ。カイザル」
うん。見たことある。ギャッビーに出てくるペンギンだ。眉毛がキリッ!としてる。
「では海神の加護に恵まれた子供よ。ここの事は忘れ、地の国戻るがよい」
「はい。ありがとうペンギンさん」
「・・撫でるでない。どこに行くかはノーチラスの気分次第じゃ。行くぞ」
道案内をペンギンにしてもらい。降りていく。
この国の家は半分が海に埋まっており、道路はない。
つまり水没した都市という所か。でも上の窓から水が出ていてあったり、もう海底に埋もれている家もあった。
もちろん普通に魚も泳いでいるし、イルカのタクシーみたいなのも。ヒトデの化け物みたいなのも。
少し大きめな海底公園につくまで僕はワクワクが止まらなかった。
「では子供よ。元気でな」
「シュー。また遊びに行くわ。ご馳走用意しててね?」
「ありがとう。イレーネに助けてくれて。こんな経験できなかった。また神殿で会おう」
水辺で別れ際にそういって握手した。感動の場面だが、この国はほとんど素のままだ。イレーネも当然胸当てを取っており、僕は豊かなおっぱいを凝視していた。
「どこに挨拶してんの?…エッチ。はぁ…アクよろしく♪」
「クー!」
アクという小さめの精霊?緑で目が3つ。
身体は小さく全身緑で透き通っていた。
「クークー」と呼び海に潜る。
そこにはでっかい。。アンモナイト?
6m。。いや、8mの貝の化け物だ。(オウム貝だった)
すると食手が一気に伸びて取り込まれた。
し、食手。。あ、中は空気がある。
少し潜って。。一気に海底トンネルを抜けていく。
目が・・目がぁ!廻りすぎぃ!
人生で一番めっちゃ廻った。。。
ヒュン ヒュン ヒュン ・・・
◇◇◇
「クークー?」
ザザーン。ザザーーン。
「ん?。。砂浜に流れ。。ついた?」
上を向くとギラギラと光る日差し。返ってきたのか? ヒュン
う、頭がズキンとする。
右腕はそう、ないままだ。アクは僕の周りをクルクル廻っていた。
まるで大丈夫?と言わんばかりに。
「…アクも着いてきてくれるの?」
「クー!」
よし。速くレグナム神国に帰らないと!兄上や妹達に。。 ヒュン
あれ?なんかいろいろ記憶がおかしい。
とりあえず町に行かないとね。ここはどこか確認しないと!
砂だらけの服を払い。
『ウォーターシャワー』うう冷たい。でも魔法は大丈夫。
砂浜をてくてくと歩いていく。
戦争は大丈夫だったのか。
まだ続いているのだろうか?
□□□
「良かったのですか?イレーネ様」
「手を貸したことがバレると大変と?」
「それもそうですが、イレーネ様は高貴な血筋。人間などに与えるなど」
・・シューに嘘ついた事がふたつある。
一つはあの液体にそこまで治す能力はない。
わたしの血を与えた。
傷は直ぐに治り後遺症も出ていない。
――権利は残った。
もう一つ。この街に入るには代償がいる。
街を出ると共に奪った。彼の名前。
”シューリヘト・オズベルタス・レグナム”
彼はしばらく自分の名前を思い出せない。
もちろん一時的なもので、思い出せば効果は消える。
これが最善だったのだ。
――精霊との取引は何か失う。
それは目であったり、声であった妹のように。
シューは既に腕を失っている。これ以上は可哀そうだ。
彼には家族もおり、婚約者もね?そして名を知るものは多いはずだ。
久しぶりに初めてあった場所に出る。
人気は。。あ、町にと。まだ住んでるのね。
懐かしい神殿の側の岩に座り。
「確か。こんな感じだったわよね?『シャボン・レター』」
ふわっとシャボン玉で包み浮かぶ。
誰がいいかしら?身内。。そう。妹がいたわね。
『クリル・オズベルタス・レグナムの元へ届けよ。風の神ゼピュロスの優しき西風にのり』
シャボン玉が風に流され飛んでいく。
その中には シューリヘトの仔証が入っていた。
それはまだ肌寒い初春の頃。。
―――物語は続いて行く
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