閑話 宣戦布告
短めですがその後の情勢を。
「おお。よく戻った。リアコタスよ」
「ハッ。領主様。被害は大きく町は壊滅でしたが。多くの島民が救われました」
「追って葬儀を行う。レグザの民には申し訳ない」
軍議は既に何度か行われている。方針も固まった。
今回リュフォーリルが連れ去られたのは痛いが、そんな事も言って入れない。
「では!イメディングを逆貼り付けにし、バイエルン帝国にわからせる。任したぞ」
将軍の死骸はレグザですぐ分かった。真っ二つに袈裟斬り、そして腹には見える程の大きな穴。苦悶の表情で見つかる。
将軍は国にもよるが多くはいない。その軍事最前線、作戦のトップを失う事は国の戦力に直結する。
逆貼り付けは侮辱を表すものであり。
神に刃向かうものへの当てつけだ。
今回戦果と思える事は3つ。
・全滅していないレグザの民
・敵の総大将イメディング将軍の首
・魔剣ティアマト
他にも騎獣に使われた魔石も数点あるが、町の被害に比べれば微々たるもの。
そして敵国の鎧が数点手に入ったのは大きい。
これを持って宣戦布告とする。
領主の表情は怒りに満ちていた。
□□□
レンツァ率いる騎獣隊はすぐに乗りこなした。
そして最小限、隠密である特殊部隊、エーリス率いる闇の神ハーデスの加護を持つものが向かう。
北欧オスロに特殊な魔法陣を使い。
海路ギリギリを通り知られる事なくバイエルン帝国へ。
深夜、中級都市ハンブルグの中央広場に設置。
正十字の布をかけ、エーリス他3名見張らせる。
「帝国よ。レグナム神国の裁き受けるがよい」
エーリスはにやりと笑みを浮かべた。
翌日大騒ぎになるのを見て昼には海上を走らせていた。
その時間はわずか。レグザが襲撃されてから8日だった。
こうしてレグナム神国はバイエルン帝国に「宣戦布告」を叩き突きつけた。
ハンブルグは街は一日大混乱になる。
中央大噴水に逆さに立て掛けていたのは、誰もが知るイメディング将軍だった。十字架が痛々しく映り、人々は怯えていた。
戦争で攻める事はあっても、攻められたのは初めてだ。
この街も攻め込められるのではと。恐怖が植え付けられた。
■□■
「クソが!警備は何をやっていたのだ!」
荒れ狂う第九代皇帝ベルヘルム2世の第一声だった。
何より全てが狂わされた。先に情報を調べ、支援している事突き詰めた矢先に。だ。
もちろん即戦争などは考えてはいない。
が、援助している事を知った以上無下にはできない。
見せ知らしめる為のリュフォーリル誘拐だったのだ。
それが戻ったのはわずか8人。80の精鋭一個部隊のほとんど殲滅。何よりイメディング将軍が痛い。
将軍と呼ばれるものはどの国も多くない。イメディング将軍は、5人いる将軍の中でも上位二位だ。
それだけの戦歴、指導力を失うとは。痛手過ぎる。
レグナム神国は古来より古き国。
中規模の国であるが、不思議な魔法を使うという。
得体の知れない寒気が襲った。
ある程度、魔石や最新技術あってのこの国の有利差が。あの様な国に敗れるのか?
レグナム神国をなめていた訳でもない。
しかし、考えを改める必要ができてきた。
「軍議を!東ゴードからハイリンヒを呼び戻せ!すぐにだ!」
風向きが変わる。
それはヨーロッパに起こる全ての国に影響する。
□■□
「さっさと入れ」「くっ!」
鎖を引っ張られ押し倒される。ここは。。何処かの部屋か。
「こいつがレグナムのリュフォーリルか。ふむ。顔は良いが、薹が立っておる」
顔を持ち上げられ見定められる。
「本当はすぐに殺して、首をレグナム神国に送ってやろうと思ったのだが。。予定が変わった。運がよいぞ?某方」
「殺しなさい。こんな所で生きて行く気はありませぬ」
「なるほど。領夫人だけはあるな。面白い。我が名はクラウス・フォン・シュタウフェンベルク伯爵。仲良うしようではないか?」
椅子に座らされ。机の前に複数の洋灯が軒並ばれ。
「何をする気だ。下郎が!ぐっ。。」
洋灯はつけられ、目の前が真っ白に変わる。
「安心しろ。死にはしない。すぐに慣れるだろう。神の光を」
なんだこれは。。魔力が。。吸われる。。
私は五分も持たず意識を失った。
「ふん。上々だ。下女。世話をしろ。殺すでないぞ」
こうして一一
一年半もの間。
リュフォーリルはバイエルン帝国に監禁された。
10ヶ月後の夏。部屋を与えられ、側使えを与えられた頃には。
身体はやつれ見る影も無かった。
自由が多少与えられ、食事も豪勢に変わった。
――だが既に別人だった。
その後、洗脳教育を受ける毎日が繰り返される。
約一年半後。。
人質釈放とし、再びリュフォーリルがレグナム神国に戻った時。
身体は元に戻っていたが、眼が違った。
彼女の優しい表情は。戻るのだろうか?
毎日投稿していく予定です。
本日第2章開始予定でし!
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