崩壊 弐 〜混乱〜
バトル場所がどんどん変わります!
・・使えるものは使いまし!
「こ、これは!一体・・」
転移の間に待機している兵士は、音がして様子を見ると、幼子二人と二名の側使えがしゃがみ込んで。。これは。。!?
「兵士様!すぐに!領主様に合わせてくださいまし!奥方様が。。レグザが襲撃受けております!」
涙を流しながら、下唇を噛みメイド服の側使えが叫ぶ。
「は、はうぇ。。えーん!」
「かぁさまーかぁさまー!ひくっ。。」
ただ事ではない!
「誰か!すぐに客間の準備を!そして伝令だ!」
□■□
温かい部屋に通され、長椅子に座された。
入口は厳重に兵士がバタバタと行き交う様子がわかる。
ヴァシリキが気を聞かせ女性陣だけにする。
「少しお休みください。今温かいものをお待ちします。領主様もすぐ来られますわ」
「…ありがとうございます。クリル様。どうぞごゆるり」
「ヒックヒック。母上。。母上。。」
ドアがバタン!と開く。
領主カルツァ・オズベルタスとリアコタス兄だ。
「クリル!リリル!無事か!」
「リア兄うえ。。うっううーははうえが。。ははうえがぁ!」
二人が一斉に飛びつく。
なんと。。
所々煤が着いているではないか。。擦り傷も。ぐっ!
「ヨシヨシ。大丈夫。良く頑張ったな。。」
「ちちうえー。。うぁわあああーん」
「リリル怖かったか。すまん。本当にすまんのぅ・・」
双子は既に眼が真っ赤だ。ずっと泣いていたのだろう。
しばらくあやしてやると安心したのか、倒れる様に寝ていく。
「ロンド。詳しく話せ」
「はっ!レグザ下町より爆音がし、屋敷内で固まり避難しました。町の門兵より襲撃の連絡があり、炎の筒で空より帝国空騎兵団小隊60名程が攻撃。現在町の北を襲撃!また同時に八船、海賊船が港に。海賊その総数約400との事でした!」
「まことか!空騎士が。。。レンツァ!二個小隊飛竜隊を率いてアテネの上空の警備!すぐだ」
「ハッ!」
「・・それより先は私が。町の皆は避難の為神殿にと、屋敷から見るレグザの町はもう。。火の海でした。。それを聞き、シューリヘト様が神殿に向かい海賊撃退を。追ってアレフレッド様フューリ様が向かいました」
「な。なんだと。リヘトはリューと一緒でないのか?」
「申し訳ございません。屋敷に空騎士団が攻撃、三階は吹っ飛び、ボリネスク様は屋敷の結界室に向かいました。。残された私達を。。うっ。。奥方様が、転移陣でアテネに送って頂きました。。誠に!申し訳ございません!」
「・・分かった。リュフォーリルはその様な女子だ。気にするでない」
□■□
少し落ち着くまで場所を変えさせ子供達を休ませた。・・まだ何も解決していない。方針を決めなければ。
「父上。。母上は。。」
「言うでない。まだ分からん。。しかしなぜレグザを?」
「西ゴード王国で何かあったか、援助している情報が漏れたのかと。レグザに攻め込む理由はリュフォーリル様でしょうな」
「!ロンツォ。何故か?」
「シューリヘト様が『神の子』と知られる可能性はありません。また第六子に人質の価値はありません。妹君も同様と存じます」
確かに跡継ぎが確定しているならともかく、戦時で子供の人質は価値が低い。洗礼式前なら特にだ。他国に嫁ぐものと同様に交渉にならない。首を突き出し煽る程度だ。
「狙いはリュフォーリルか。・・すると殺される事は少ない。か。しかし第三夫人だぞ?」
「おっしゃる通り。正妻ならまだしも、挑発にしか思えません。どの道確認が必要でございます。ただ、この天候ではすぐは難しいかと。近くの島からでも半日はかかります」
ヴァシリキが冷静に判断する。
確かに夜襲であり嵐が着ていた。この辺りも風が強い。どれだけ急いでも、明日の昼以降でないと近づけれない。
「父上!私に確認に行かせてください!」
「・・辛いものになるぞ?」
「はい。少なくともシューリヘトは。あいつは簡単にくたばる奴ではありません!」
横目でヴァシリキとロンツォを見る。仕方なしか。。
「分かった。。今より中個隊を連れピレウスに迎え。船はトランポ公爵に用意させる。カロミラ、護衛を」
「ハッ」足早に部屋を出ていく。
「よろしかったのですか?民が全滅している可能性もあります」
「・・仕方なし。私でもそうする。首都に集まる貴族をねこそぎ起こして来い!軍議を始める!今すぐだ!」
「「ハッ!」」
□□□
〜神殿〜
畜生、外れか。しかし動きにくい。
―――あれから屋敷に戻るか、港で追撃か考えた。
共闘なら一度港に戻るはずだ。
空を飛べれても長時間は怪しいと判断したからだ。
少なくとも移動に船は使うはず。
結果8隻あったガレー船2隻は逃げ、4隻全焼。2隻半壊。
ほぼ港には海賊のほとんどは無力化できた。。ただ。。街も半分以上焼けてる。もちろん死者もたくさんいる。もう懲り懲りだ。好き勝手しやがって。。
魔力はまだ1/4も使っていないが。。
右腕の感覚がやばいな。。今は神殿に戻っている。
「シュー様!。。な!」
「な。。はこっちのセリフだ。フューリ何故ここに。。」
「遅れすみません。着いてくると。。止められませんでした。シューリヘト様。右腕は大丈夫でしょうか?」
「問題ない。自分の魔法に耐えれなかっだけだ」
嘘だ。既に右腕全体が真っ黒で炭の様になり、一部はめくれ赤い肌が見える。
「港は撃退した。空騎士団は屋敷だな。。神殿の様子はどうだ?フューリ、アレフレッドから離れるな」
指示出さないと緊張の糸が切れる。
神殿を見ると、みんな避難できてるようだ。母子が抱き合い泣きあっていた。
―北門であの年くらいの死体を思い出す。。クッ!
もう。絶対に死なせない!
〜屋敷内〜
「やれやれ。。疲れたわい」
「母様!ご無事で。。良かった。良かった。。」
「良くないわ。ほれ。結界ができてうちに送るぞぃ」
「・・魔力は大丈夫ですか?」
「無事にかわいい孫を送ったんじゃろ?お主の魔力が減っておる今しかできんわ」
その時、ドアの外で激しい剣の音がする…グサ。。ゴト。。
「なんじゃと?結界内でだれが。。」
「グハッ。。おく、がた様 逃げられ。。」
「お、いたいた。あんたがリュフォーリル様かい?」
扉が開くと複数の黒い兵士が。。
!ツ、ツィーター。。なんて酷い。。
「どの様にして入った!小童!」
「ん?婆さんには用がねえな?まぁ冥土の土産で教えてやるよ。おい」
「ハッ」
黒い水晶の置物を持つってニヤついている。
「あ、あれは隠蔽の法玉そして共有の首輪。。何故?」
「魔法使いに何も考えずに来やしねえよ。こっそり結界入ってたのさ。じゃあな婆さん」
その騎士は当たり前の様に剣を上げたたきつけようと。。
『ウィンドカッター!』
風の刃が複数の黒い兵士を襲う。血飛沫が舞う。
「こ、このババァ!魔法か?」
「なんじゃ?みみが遠くてのぅ?すまんのぅ小童」
〜屋敷上空〜
「ダメです。あの緑の結界では炎筒も、剣も効果ありません。。」
「面倒だな。グリスアが入っているから任すか。第四部隊。集まれよ。後方も全て連れてこい!」
「ハッ!ここに」
「大分風が強くなってきた。地上に降りグリスアを待て。また結界が収まれば手伝え。リュフォーリルは殺すな。あとは好きに殺せ」
「ハハッ!聞いたな降りるぞ!」
「残ったものは着いて来い。ったく海賊は何してんだ?神殿を蹴散らすぞ!」
「ハッ!神殿はすぐそこだ!一気に叩く!」
〜神殿〜
「シューリヘト様。来ます。。北西約50越え。。空より!」
「便利な能力だな。分かった。武器はあるか?」
アレフレッドの祝福”索敵”は200m程の距離なら、殺意のある者がわかるらしい。助かる。
「私は石でもなんでも。フューリは弓を使いなさい」
「はい!」
「僕は拾った剣を使う」
「しかし距離が。。。」
「神の子の様に舞うだけだ。武器のないものは神殿奥に!兵士!盾を構えよ」
「「ハッ!」」
「守備隊は盾を持ち、神殿に一切入れるな! まず私が蹴散らす!」
―――空を飛ぶ?そんな必要どこにあるの?
シュー。。できるんじゃない?
そう。できる!
「巨人タァタンの強さを我が腕に 灼熱の風ノトスの加護を給わり授かる」
久しぶり感覚だ。。良し右肘も曲がり。指に力が。動ける!
『海の神ネプトゥヌスの加護を給えたもう』
行くぞ。 さあ足場を作る新しい魔法。
「空水!!」
目の前に30もの薄い水でできた足場が空に伸びる。
魔力を足先に。。全集中!行くぞ!
踏み込むスピードは速く。
沈む前に次の足場へと。水飛沫だけが飛び。
それは天に向かって駆け上がる。
「神の子が。。空を舞う。。」
「あれは水龍様か?」
風がかなり吹き付ける。
時刻は既に玖の刻を迎えようとしていた。
■■■
「ん?なんだ。。やる気か奴ら?」
「フハハ!剣で何をすると言うのか?おいおい」
「…油断するな。港は全滅と聞いた。魔法使いがいるのかもしれん」
「は?海賊共が。。。あの野郎ども。。」
「ぐはっ!」
それは一瞬。下から風に舞ながら水の剣を持った何かが。
「おい、切られたぞ!?後ろだ!」
息を整え足場を作る。集中しろ!道を作れ!
「空水!!!はぁあああ!!」
辺りが一気に騒ぎ出す。
剣に波が溢れる。上空は風に抗い空騎馬は浮かぶだけで精一杯だ。空を舞うように。風の中に流星の波が襲う。
次から次に出ては消える水鏡と波飛沫に翻弄され、帝国軍空騎馬は何もできずにいた。
もっと。もっとだ。速くそして確実に馬を狙え!
「や、やばいこれは!」
「ぐふっ。。。」
「うわー!」
「騎獣が、、切られた!?落ちる!」
「いかん!上昇、上昇せよ!射程を取れ!」
「一時避難だ!」
「馬を切らすな!魔石に戻るぞ!」
「イメディング将軍!一時上昇を!」
「くそが。。一度引く!上がれ」
ふう。。一度降りるか。。いい感じに集まってるな?
出し惜しみはしない!
身を空に任す。
自然落下しながら空に手を伸ばし。
『ファイア〜ボルト!』
いっ。。。けぇえええええええ!!!!
一瞬だ。嵐の風が止み闇の空に赤いものが向かう。
炎球の渦が夜空に吸い込まれていった。
次の瞬間。
爆発音と共に火が舞う。
―――まるで花火の暴発の様に。
固まりにいた空騎馬は爆破に巻き込まれ焦がされ、または落とされていく。
上空には数人しか残らなかった。
神殿前の大広間には苦しむ姿が。。
周囲は酷い匂いに籠もった。
空より再び雨音が周りを包み込む。緩やかに雨が燃える火を消しその場は白煙が登る。
―――しばらくすると40ばかりの黒い死骸がそこに合った。
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