首都の洗礼式
再びアテネです!
見慣れた巨大な門はあいも変わらず立派だ。首都アテネの正門を抜けるとヴァシリキと数人、女性騎士が迎えてくれていた。
「お久しゅうございます。神の子様もお元気そうで」
「ヴァシリキも相変わらずお美しいですね。女神メデューサと思いました」
にこにこと皮肉には皮肉で返す。
ちなみにメデューサは本当にキレイの意味だ。
だが、アテネと反していたのでヘビヘビのイメージが強い。
街は相も変わらず賑わっているが、騎士をよく見かける。
「ヴァシリキが付いて頂けるのですか?」
「ハッ。表だってはいませんが。王宮外は油断できません。また冬も開け活気だってますので。。」
確かに平穏という感じではないな。
商人達は。。普通か。店も。。変わらない。あ、ギロ(ケバブ)だ!
「フューリこっそりギロを。。」
「いつでも頂けますから。馬車で大人しくしてくださいまし」
女性率は上がった馬車内だが、にこにこが怖い。
前と同じく母上の別邸に三日滞在の予定だ。
明日は自由で、明後日が洗礼式。予定の確認をしてると来客があった。
「お久しぶりですわね。シューリヘト様」
「これはこれは。フリーデリケ母上様。お元気そうで」
「用事は大した事ではないのですが。いくつか服をお持ちしまたの。そろそろ必要になるかと思いましてね」
針子と洋服を持った従者が後ろに躓く。なんといえば正解なのか、横を見ると「問題ないかと思います。警備はしっかりと」アレフレッドがつぶやくので、お任せした。
少し驚いた事があるので記載しておく。
僕自身、まともに自分の顔を見る機会はなかった。
鏡は高級で洗面所にはない。母上や婆様の所は小さかった。
・・青いと思ったが真っ青な髪。目は金眼でくりっとしてる。
整っており年相応の身体は小さく。。超かわいいなオレ。
かっこいいは遠のく。
「こんなかわいい顔なんですね。。」
「ぼっちゃまはいつもかわいいでし!」
「まぁ。お似合いですわ。私息子がいないので。。嬉しいですわ」
「この肩かけなら更に。。良い感じですね」
「うむ。深紅のベルトは強そうに見えてよろしいのでは。しかしやはり神の子。白地が髪の色にも合いますね」
・・なめていた。もう二つの刻が過ぎるまでずっと着せ替え人形。
うぐぐ。フューリやヴァシリキまでノリノリだ。
こうして遅くなり、フリーデリケ母上も一緒に夕食を取る。
久々にラインストーン兄上も来てくれた。
「あら。。?初めていただく味ですが、美味しいですわ」
「はい。今回は一人料理人を連れてきております」
「少し辛いですが、スープも美味しいですわね」
「シューは調味料に興味があるので、味が濃いか心配してましが。美味いですな」
食事は順調な様だ。フリーデリケ母上も喜んでる。フフン♪今回は移動人数に余裕があったので、ハッサを連れてきてる。
実は前別邸の料理人にレシピをと二人の兄上に言われていた。なら教えたほうが速い。
「フリーデリケ母上、小さい頃会いましたか?うーん思い出せないのですが」
「・・そうですね。会っています。五年前で小さいから覚えてな無いでしょう」
あまりいい話ではなかった。長男のが三歳で病死し、落ち込んでいる時期に、転移陣で母上と僕は王宮に用がありきたらしい。
1歳に満たない僕は大泣きをし、困ってた時にフリーデリケ母上がよく面倒を見てくれたんだ。
「うふふ。時に乳は出ませんでしたが、よく吸われてました♪シューリヘト様は。。」
何だそれ。。確かに胸は立派ですが。。
赤子の記憶が思い出せないのが惜しい。
また暗い歴史が誕生した。
ちなみにフューリは可哀そうな子を見る目だ。。
「でも、あのあと再び妊娠し、悲しい記憶がなくなったのは事実ですよ。その当時から神の子だったのかもね?」
食事が終わると仕立てができれば送りますと。
きっと根が優しい人なんだね。
□□□
翌日はゆっくりできた。
朝は王宮に行き、簡単に幼い兄弟に挨拶をすませた。
第七子 第二夫人イオアンナ姫、第八子 第一夫人スタウロス王子。共に五歳なのだがしっかりしていた。
クリルやリリルが四歳になったので比べしまう。
まぁ島国育ちと王宮育ち。その違いかな?
話は省略するが、神の子の影響は凄く、あってすぐに祈られた。。
異母兄弟なので微妙だ。しかし兄弟も多いね。
昼からは警備付きで市場を周れた。
神殿に行きたいと行ったけど、神殿長には近づかないようにと父上から命令があったらしい。
うーん確かに面倒になりそうかな。
師匠に会えないのは残念だけど。
昼からは商店を回る事でいい気分転換にはなった。
「明日は洗礼式ですね。緊張します」
「・・緊張という態度は一度も見てないのですが」
フューリさん失礼ね。
祝福したり神儀式してるけど、緊張。。してないかな?
「ちなみに祝福はどの様なものがあるのですか?」
「祝福は人それぞれですわ。私は”料理” ”格闘術”とかですね。加護はヘスティア神でした」
「私は”躾” ”隠密” ”速筆”とかです」
何それを怖い。言わない部分を含めまだまだ謎が有りそうなアレフレッド。
「ぼっちゃまは領主候補なので多そうですね。少なくとも、ネプトゥヌス神の加護はありますよ」
加護は12柱神から承るのがほとんどらしいけど無いこともある。
何が変わるって言うのはないけど、少し楽になったとか、技術が上がったとか。いい祝福が来れば嬉しいな。
◇◇◇
少し緊張する。今まで祝福してきたが、される事は少ない。
朝は天気も良くいい『洗礼式』が迎えれそうだ。
パルテノン神殿(中央神殿)でなくシンタグマ広場という場所で行うらしい。
人数が多くても大丈夫、また都役所の目の前なので、登録がスムーズなようだ。
既に広場には大勢が。。ていうかでっかいな、この広場!
基本洗礼式なので小さい子供しか入ってダメなようで、何ヶ所かの通路近衛兵姿が見えた。
「行ってらっしゃいまし!」
広場もでかいが、奥の役所もでかい。。さすが首都。
役所の真ん中に祭壇が設置されており、いつかの太っちょ神殿長が打ち合わせしていた。
参を告げる鐘が山の上の神殿より響く。
子供達は移動し、僕は領主一族なのでできるだけ前に集まる。
水色と、白絨毯が交互に。その上に並ぶ。
「それでは。洗礼式行う。お静かに」
声を増幅させる魔術具だろうか。四方向から聞こえる。
静かにみな躓く。
「成人を迎えし若人よ。此度パルテノンより給われしヴァシリオス・ケロ・パパドプロスが神事を行う」
「気高き全能ゼウスの化身よ。成長を司るシュプトリュームの加護に守れ賜わん。 神の名を持つアテネの街へ集いし者よ。 春の芽吹く神ゲルットヒルムに感謝を注げ給え・・では前列、順に登録を」
やるじゃん神殿長。一人一人ではきりがないので、12名の正装した神官の元へ並び登録を。何せ二千はいる。
僕も早い段階で神官の前に。
確かに皆受け取っているのは仔証だ。
査証の半分サイズの証札に手を当て魔力を。
すると、フッ と青い光光った。
一瞬だ。だけどみんな見る。。うぅ。。今の悪くないよね?
神殿長や周りの神官が「ギョッ」と見つめてる。。
もとの場所に戻り、人数が多いので時間がかかっていた。
ふと仔証を見てみると。
―――海と雷の神ネプトゥヌスの化身
一言だけ書いてあった。(?)あとで神官に聞こうかな?
「アテネの民よ そなた達は神に祝福された ゲルットヒルムの成長に感謝と この地を作りし全神ゼウスに祈りを告げよ」
片膝を崩し。上を向く 反唱の言葉を繋ぐ
- 生に感謝を 生け時 病む時 喜ばし時 親に感謝と慈悲を 今この時を持ち 春の芽吹く時と共に 洗礼終えき寿を刻む -
「アテネの民よ 神々は示された 繁栄と豊穣の神 ディオニューソスの祝福を」
人数が人数なので大合唱だ。
神殿長の手より緑の小鳥が空を飛ぶ
数は20匹ほどが僕ら子供上を飛び緑羽落とし消える
何故か。僕の手から青い鳥が飛び上がり。
青い羽を落としいた。まぁバレないと祈ろう。怖いのでみない。
「神殿長、退出」
再び下を向く。ふぅ終わった。帰ろう。
「洗礼はされたものはそのまま役所登録を。また、仔証の授与が終わっていない子達はは今より前へ。不備のあるものも神官へ。以上」
・・なんとも言えないお役所仕事だ。
後に聞いたが、貧乏な子は服もなく、入れない子もいる。他にも病気や、子供なので来れないものも少なくないと。なるほど。都会と島では違うよね。
「シューリヘト様!よろしいですかな?」
「これはこれはヴァシリオス神殿長。見事な神儀式でした」
「いくつか聞きたいのですが。仔証を見ても?」
「申し訳ございません。領主に止められております」
「……では、先程の青い鳥、して授与の際青い光は分かりますかな?」
「…詳しくは分かりませんが、魔力が入り祝福が漏れたのかと。。ほほほ」
誤魔化しが効くかどうか。だってわかりません!
「うむ。『神の子』ゆえの奇跡か。一度神殿で詳しく聞きたいですなぁ。。」
「あ、側使えをまたしております故、ご、ごきげんよう。神に感謝を!神殿長様」
逃げ出す様にその場を離れた。
側使えとヴァシリキがにこにこしてる。
「まぁ。。青い鳥。。想定内ですか。お疲れ様でしたわ」
なにその予想。。とりあえず無事に終わったようだ。
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