神の子誕生
1章で一番好きな回です!
応援よろしくです!
王の間には正式な公儀を表すだけの準備がされていた。
謁見場に白銀鎧の近衛騎士、左右には国務を務めるもの。軍事を司るものが並ぶ。
例え七歳と言えども西ゴード王国よりの賓客である。
「西ゴード王国〜より〜第二王女〜クリスタ・フェアリーズ・ゴード様〜入場!」
この国の正装である青い神官服を着た案内役を先頭にクリスタが入場してきた。
その背格好は幼いが、髪に負けないきらびやかな深紅のドレス、備えを二人つれカーペットをゆったり歩いて領主の前で躓く。
「西ゴード王国 第二王女 クリスタ・フェアリーズ・ゴードでございます。此度の謁見、首都アテネにて嬉しく存じます」
「うむ。遠き道のりご苦労であった。レグナム神国領主 カルツェ・オズベルタスである。こちらに」
「はい。恐れ入ります」
準備されている席につき一息着く。
もちろん周りはピクリとも動かない。
「してクリスタ姫、アラリック国王より神儀式を頼まれておった。実際に見た感想はどうかの?」
「はい。神国の神儀はよく噂で聞いておりました。粛々と長き歴史で行われいると」
「ほう。して如何でしたかの?」
「私は初めて神の奇跡を見たと思います」
「・・なるほど。慣れない祝福は神の奇跡と呼ぶに久しいと」
「いえ、違います。あれは紛れもなく本当に神の祝福でした。その場にいる誰もが。神の子に感謝を!」
思い出した様に椅子を降り、躓き祈りのポーズする。
周りがその光景にザワつく。
「コホン。なるほど、合い分かった。無事に儀式が行われたようで安心した。暫しアテネの滞在を歓迎しようではないか」
「ありがとうございます、領主様。父アラリックより手紙とささやかですが、贈品お取りくださいまし」
「うむ。分かった。ロンツォ預かって置くように。では歓迎の晩餐に参ろうでないか。青の間に案内せよ」
多く時間を取らすのも何なので、晩餐でゆっくり話ができればよい。
しかしあの場で「神の子」は。。ふむ、晩餐で盛り上がるのぅ。リヘト。。
□□□
「青の間」中規模の晩餐会場で有り、その名の通り透き通る程の青い光が溢れていた。
大きく四方は高い壁に囲まれ、水路が周りを流れる。
暑い国ならではの冷却方法だ。
広間には複数のテーブルが設置され天井吹き抜けになり、空の星が見えた。壁には円筒型通路が左右隔たりなく当感覚で通路に。
中央北部が三段程高くなっており、王家が座れる長椅子、休憩場、そして王専用の席がある。この空間は後方水に囲まれており、王族以外は挨拶しか階段より登れない。
ギリギリまで行くのを遅らそうと思ったが、アレフレッドが「始まれば不義理になります」と言うので会場に向かう。
基本貴族もドレスコートしているので神殿服が。。目立つじゃん。兄上のウソつき。
今はまだまだ暑い次期だ。
しかし会場入るとフッと温度が落ちる。おお。涼しい。
正装に着替えているアレフレッドに手を預け、ゆっくりと中央へ入る。中には民族衣装ではないけど、まさに布を巻くだけの人もいた。神話で出そうな格好。。シュールだね。
僕は連れられて階段を登って行く。あ、クリスタだ、にこにこと笑顔で合図。ラインストーン兄上が待つテーブルへと進み着く。
「気を抜くなよ。シューほらグラスだ」
宝石が埋め込まれている金杯。
ふぅ。一息つくかと飲もうしたら怒られた・・
「馬鹿!乾杯の合図待て!それに酒だぞ!」
・・危ない危ない。
領主兼お父様が数人の近衛を連れて入る。
最後なのは格を見せつける為らしい。。遅れないで良かった。
「それでは皆のもの。此度西ゴード王国よりクリスタ姫が来られておる。歓迎を祝い、盃を交わす」
皆が杯を上に掲げる。
「豊穣と酩酊の神バッコスの祝福を!」
「「祝福を!」」
乾杯をし皆食事が始まる。クリスタの側近はロメスリードとリアが付き、少し後ろでアレンツァが目を見張る。挨拶に行こうかな?と思ったがさすが大国の賓客、次から次に人が挨拶に集まる。
テーブルが高いので料理がわからない。
ソムに適当に取ってとお願いする。
「いいか。社交場の挨拶は短く。シューリヘトでよい。私も側にいたいが、挨拶が多すぎる。できるだけ動かずここにいろ」
コクっと頷き大人しくする。
んー料理来ないな〜んぐんぐ。
ドレスだけでなく衣装多いな〜んぐんぐ。
中世の後期。。んーんぐんぐ。あ、おかわりありがとう♪
。。ってこれワインじゃん!まぁ美味しいしいいか。
ボルドーぽい味付けだね。
んぐっ!くー空きっ腹に染みるぅ〜
「…ぼっちゃま。酒は成人からでし」
「こっそりね。美味しいですねこれ。フューリもどーぞー♪」
「…こっそりですよ」うちのメイドはチョロい。
すると神殿服を着た一向が父上に挨拶をし、こちらに近づいてきた。太っちょな神殿長だな。
「これはこれは。この様な小さき子が神殿服を着ているとは。坊や迷子かな?ここは王族や重臣しか入れない事を知らないのかな?」
後ろの神官達もにやけている。これは挨拶だけで聞いてないな。。。説明面倒だな。んぐんぐ。
「初めまして、シューリヘトと申します。よろしければ出会いに祝福を」
「ぷははっ!いいだろう。私が見本を見してやろう。パルテノン神殿長ヴァシリオスだ。出会いコルツァの導き感謝を!」
片手をこちらに向けふぉわん、と大きめの赤い光を飛ばす。こいつ祝詞をハショって言ってやがる。む〜神への冒涜だ。
「坊やこれでいいかい?神の祝福初めてかな?綺麗だろ?」
子供相手にニヤついて。。やれやれ。本気出すか。んぐんぐ。
「ありがとうございます。では私も。運命の神モイラが糸、紡ぐクロートの導きを。その関係を末長く、神ラケシスの祈りと感謝を」
――天から一本の金の糸が落ちる
それは軽く両手を組んだ僕の手に繋がり回る
糸が繭となりそこから一本の糸が再び神殿長に伸びる
神殿長の周りを何周か周り 糸が相手の手に落ちる
次の瞬間 赤い花火が弾けて
金と赤い螺旋を組ながらまた天の星に戻っていく――
何が起きたのか!?会場シーンとなり。。やばい、目立った。
・・・つまりやりすぎた。
神殿長は固まっている。
いや、後ろの取り巻きも。
…あ、みんな止まってる。
「そ、それではごきげんよう。。ソ、ソム料理ありがとう、あっちで食べるね?」
そそくさと長椅子の裏に隠れようとしたが、ラインストーン兄上捕まった。
その光景を見ていた領主は。
「コホン。あ、ああ、今のは、よ、余興だ。素晴らしき神の祝福に盃を!」
『うううおーーーー』
歓声がなり響く。父上が誤魔化してくれた様だ。
僕はラインストーン兄上に片手で運ばれ王の後ろに連れて行かれる。う…兄上優しく運んで。。酔う、酔うから。。気分が、うぷっ。
◇◇◇
その祝福が起こる様子の少し前。
師匠であるマシュー厶・ストリープは『青の間』の奥の席にいた。
久しぶりの美味しい料理に舌を包む。んー美味しー♪
この所神儀ばかりだったし。
神殿は健康的ですが、味が薄く美味しくはないのです。
そっかークリスタ姫様が来国してるからこんなに集まってるんだ。ふむふむ。
「よろしければ一杯いかがですか?」
「申し訳ございません。見ての通り、神に仕えしもの。酒の類いはダメですの」
うん。営業スマイルでうまく躱わせました。
お酒より料理ですよね?
うん。もぐもぐ。そういえば最近レグザに居たからか魚が恋しいわ。
あの屋敷の料理は美味しいのよね。
シュー君は頑張ってるかしら?うふふ♪
げ、神殿長が来た。。バレない様に。。話が長いんですよね。
ん?あれ?シュー様。。?いやいや。まだ別れて三月もたってないし。気のせいね。まして領主様の周りじゃないし。もぐもぐ。
ん〜?神殿長と。小さな神殿服。。
えい魔眼!(視力がよくなっただけ)
げ、やっぱシューリヘト様。。神殿服意外と似合うわね。
…祝福。挨拶かな?
しかし嫌な予感が。。あ、あの光。運命の糸!?
うわー綺麗に祝詞通ってるなぁ。へーこんな風になるんだ。ふむふむ。キャッ、眩しい。。。え?弾けてから。。上がるの??
うぁー理解し難い。。けどあの子らしいな。。目立ち過ぎだし。。う?私、被害がきそうかな。。うぐぐ。
「ちょっと、一杯頂けるかしら?」
「へ?あ、はいどうぞ。コホン」
ぐびぐび。あーワイン美味しい。どうせ呼ばれるんだ。。
今のうちに食べるだけ食べて、飲んでやる!
「あらら。おかわり頂けますか?」
「!気づかず、すみません。どうぞ」
ぐびぐび。あー美味しい。
綺麗なもの見れたし。
良かった良かった♪神に感謝を!
◇◇◇
「ラインストーンよ。。シューをそこに隠しておけ。近衛、暫し食を取る。面会は近づけるな家族もだ」
「ハッ」
うむ。。これはいかんな。どんどん。くるわな。あれ見れば。
ふと横を見るとロンツォとヴァシリキが話し込んでおる。対策だろう。うまく行くのか?否!バレない訳があるか!
「領主様、ご提案が」
「うむ話せ」
「申します。既に皆知ってる通り祝福は誤魔化せません。なら逆に利用すべきと思います」
「ほぅ。手はずは如何にする?」
「シューリヘト様をこの場で紹介し、神の子と大々的に知ら示すのです。足りない様でしたら、紹介後にもう一度祝福させればよろしいかと」
「ふむ。しかしリヘトにまだ魔力に余剰があるのか?こやつは結構出していたぞ?」
「ロンツォの話だと余裕かと。また、下手に隠せば神殿長や神殿派の取り合いになる可能性があります。ならば、領主六子とうち出せば貴族も手がだせないでしょう。洗礼式前ですが、先にお披露目するチャンスと捉えます」
ふむ。中々筋が通っておる。
既に目の前にはアナソフィア、フリーデリケがおる。
親族へいちいち説明も全て済む。
神殿長は直近で見ておるし誤魔化しがきくまい。
「良し!僅かの時で良くまとめた。某方に感謝せねばな。早速行う」
「ハッ!」
「リヘト。魔力はまだ大丈夫か?」
「は、はい。気付けにワインを一杯いいですか?」
何言っておるんだこやつは。。
「ほれ飲め」んぐんぐ。。プハー美味ぇ〜
「サッサと終わらましょう。父上」キリッ!
……こやつ酔っておるな。はぁ・・大丈夫か?
「静粛に!領主様より発表がある」
ヴァシリキの甲高い通る声で場は収まる。
押しかけてた貴族、家族も止まった。
「うむ。少しばかり時間を取らせた。改めて紹介しよう」
リヘトを腕に持ち上げ周囲を見渡す。存外軽いもんだな。
「第六子であり、我が妻リュフォーリルの三男。シューリヘト・オズベルタス・レグナムである!」
『オーーー』
全体に再び歓喜が起こる。
「そして先程の祝福を見た通り!レグナム神国唯一無二。。『神の子』である!称えよ!」
『ウウウウウオーーー!!』
歓声はしばらく続き、静まる時に父上がつぶやく。
(シューリヘトよ。皆に挨拶を…少々派手でも許す)
父上の腕からテーブルに降ろされ。
ふぅ・・と目を閉じる。
「アテネの民よ レグナム神国の誇りよ 我が名はシューリヘト」
眼をゆっくりと明け両手を上にかざす
すると光の柱が(ズドーン!)と落ちてくる
『海の神ネプトゥヌスの加護を給えたもう』
―初めて教わった祝詞だ。 間違えるはずはない。 光の柱を吸い込み手に収まる。 祝福をシャボン玉へと変えた―
―――いけぇ!シャボンレインボー!!
ゆっくりと蕾の様な手を開く
虹色の泡が一斉に手から弾け飛ぶ
その幻想的な泡は『青い間』の光を吸収し
深青の幻想をその空間に降り注ぐ
当たれば消える儚き泡
これが『神の子』誕生の瞬間だった。
ゆっくりとテーブルから降り、姿が消える。
ふと視界が遠のいて・・
「シューリヘト様!いかん、意識が!失礼致します」
アレフレッドが倒れる前に受け止めてくれた。
僕は朦朧する記憶を最後に意識がなくなる。。。 ヒュン
毎日投稿していく予定です。
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