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首都アテネ訪問

首都に入ります。神国ですから領主一族とありますが、王国なら王族と同義語です!

翌朝。いつもの様に窓を開けて。


 海が見えるのは同じだが、既に街は人が行き交いざわついている。

普段通りと思うが、こうして仕事や用事をする人の様子は日常の光景なんだ。

昔の会社に通う記憶を思い出す。


「おはようございます。今日もいい天気ですかね?」


 振り向いて金髪、メイド服のフューリをじろじろと見る。

「ど、どうしましたか?化粧が濃いいの。。バレました?日焼け止めを塗り過ぎたかしら。。」


おろおろと頬をさするフューリはかわいい。


「いや。いい世界だなって。今日もフューリはかわいいよ?」


「や、止めてくださいまし!早くお支度を。。むーからかってますよね?」



◇◇◇


 朝食を終え、既に3台大型の馬車が待つ。

馬も大きく重装で豪華になり、8人は入れそうだ。

迎えにはトランポ公爵と名前も知らない小さな息子、旅籠の従業員が皆で見送ってくれる。


「それでは(いず)れ王宮で会いましょう。行くぞ」


「旅のご無事を。ヘルメースの導きによる良き旅の祝福を」


公爵の息子が、指輪から緑の灯りが「ポッ」と上がった。

安心したような表情に。


「某方にもメルクリウスの運の加護がありますように」


お返しにゆっくり近づき、来るっと廻る。

袖の長い神殿服より金箔が舞いふっと消えた。

祝福のお返しに驚いていた。


『行ってらっしゃいませ』


 蹄の音と共に進む。揺れの少ない馬車で立って外の景色を見る。


「ぼっちゃまは景色が好きですね。そんなに面白いですか?」

「ワクワクしませんか?知らない土地を見るのは!」

「はぁ。。祝福を見れば神の子ですのに。。喋らないでくださいまし。はいはい、こちらに」


 膝上にポンと乗るとソムがぷぷっと笑ってる。久々に島から出るので、ソムには親族がいる首都に連れてきた。2年もずっとレグザで働いてるし、休みを与える。いい主なのだ。


「ソムも久しぶりにゆっくりできますね」


「はい。お気遣いありがとうございます。アテネは綺麗でいい所ですよ」


 お父様が領主になり30年は首都アテネに戦乱はない。

安定すると産業が育つ。

農作物は弱いが、大理石が比較的取れやすいので商人も多くおり財閥と友好な関係にある。やるじゃん父上。

すぐ着くほど首都との距離は近くはないので。

がたん。ポヨン。と揺れつついろいろアテネの様子が聞けれた。

揺れが気持ち良く、ウトウトして高山に入る頃には寝ていた。


ガッ、ガガッ。ポヨン。


ガガッ、ガコ!


ん?どこだここ?起きて窓を見ると。。うぁ〜。。


「な、何ですか!あの石壁!」

外を見ていたソムが声に気づき、笑顔で答えてくれる。


「もう山の出口に近いので驚いたでしょう。この道は大理石を砕いてできた道ですよ?」


簡単にいうが、空が見えないほど白い岸壁が極め立つ。すげー300mは全部大理石の壁だ。。ん?くーくーとかわいい音がする。


「フューリも寝てますよね?結構揺れるのに」

「はい。とてもかわいい寝顔ですよ?」


結構揺れるのに器用に寝てる。

でも手はしっかりと僕を支えてくれてる。


ソムと顔を合わせてシーと合図した。起こすのはやめよう。



□□□


「なるほど。でかい。。」


「首都アテネ。40万人の市民と商人が行き交い。西方一番の都市と言ってもいいでしょう」


 大きな門には二本の月桂樹の枝に囲まれた青い盾に白い十字の紋で形成されている。青空、海、そして神を示す十字紋。

門には多くの人々が混み合い大通りを進んでいく。


「ラインストーン王子!無事の帰還心より!」

「うむ。王宮までの手続きを頼む」

「ハッ!」

伝令の馬がすぐに走り出した。

ロンツォが事務を代理で行い、暫し休憩だ。


「シューリヘト様。とても大きな街でございますね」

「クリスタ様。長くの旅路お疲れでございました」

「とても有意義でしたわ。・・大理岩壁は怖かったですが。すごい迫力でした」

「私も初めて見ました」

既に伍の刻を迎えようとしていて門の周辺は忙しそうだ。


「お待たせ致しました。まず王宮へ入り、リュフォーリル様の別邸に滞在します。側使えの方々は準備をして下さい。その後王宮にて領主と謁見を行い晩餐へ招待という流れでございます」


「分かりました。よろしいですね?アレンツァは王宮内の注意の確認を。リアはお手紙とお土産の準備をお願い」


「「ハハッ」」



 大型の馬車なので街内も問題なく進む。近衛の騎馬が前後ついていてくれてる。大国からの賓客を改めて知る。

王宮のある位置は丘を上がり中央より西ある。

南門は商人街らしく大きな家が続いた。

丘の上には綺麗な白い柱も群も見えた。


…あれが中央神殿だろうか?マシュー厶師匠もあそこにいるのかな?

中央に近づくに連れ貴族街に入った。人通りが落ち着き大小の馬車が行き交う。

王宮の入口はさらに装飾が掘られた、白で統一の大理石だ。

奥に入り母上の別邸へ向かう。


「お帰りなさいませ。お待ちしておりました」


直属執事のビスフェノと紹介され、各自案内され部屋に入る。

ビスフェノは既に白髪目立つが、どこか親近感もあった。んーどこかで見た様な?

「父上、お久しぶりでございます。息災で何よりです」

アレフレッドがスッと礼をした。

それに対してビスフェノは簡単にあぁ、としか答えてない。


「ビスフェノはアレフレッドの父なのですか?」


「はい。愚息がいつもお世話になります。シューリヘト様はよくボリネスク様に似てらっしゃる。金色の眼は魔力大きさを現し吉兆とされます」


「そうなのですね?」


「私は昔ボリネスク様の側使えをしておりました。この別邸で何かあればお聞きください。ぼっちゃま」


フューリ以外からぼっちゃまと言われると。。変な感じだなぁ。

でも、味方が首都にいるのは嬉しい。

にこにこと笑顔をかえし、お茶会に向かう。


別邸は大きくないが、高級感漂う造りだ。

島の屋敷にないテラスあるし、シャンデリアも大きい。

テラスには既にクリスタが座っており、僕も向かう。

窓辺から見える王宮特徴の目の前の柱の大きさ、柱頭にある渦巻き模様や重厚感は圧倒される。首都に来たな、と感慨深い。


「シュー様。ごきげんよう。風が入り、気持ちいい場所ですわ」

「クリスタ様もごゆるりできていますね。しかし私、初めて見るのですが。。柱凄いですね」

「全く。1000年以上の歴史の重さ感じますわ。ゴードは300年程の新しい歴史しかないですもの」


ラインストーン兄上が文官を連れて茶会参加する。


「クリスタ様ごきげんよう。ゆっくりと過ごしください。シュー。残念だが王宮の謁見は留守番だ。まだ洗礼前だしな」


うっ。。お留守番か。まぁ仕方ないか。

「まあそんなに落ち込むな。大臣を含め上級貴族に目を着けられるのを防ぐ為だ。晩餐は参加できそうだ。そうだな・・神殿服のほうがいい」

「神殿服?派手ですが。。余計目立ちませんか?」

「晩餐は立食なので背の低い某方は目立たん。中央神殿関係者も来るので、挨拶して交じってろ」

「・・そんなもんですか。分かりました。父上は島に返ってでも会えますし」


「父上は滞在中に会えるはずだ。聞きたい事があると言ってたしな。それより親族の名は最低限覚えておけ。第一王子、第三王妃は必ず接触する」


あ、そうか。母上第三夫人なので、第一夫人、第二夫人は王宮にいるのだ。もちろんその子供もいる。


 全然。。知らないのですが。首をコテンとフューリを見る。

フューリは苦笑し、アレフレッドに視線を送る。

事務に関せばポンコツメイド。まさかの丸投げだ。


「一通りの領主一族をまとめております。晩餐まで叩き込めましょう」


ありがとう。アレフレッド。しかし、ううぅ…ここまで来て勉強か。

「頑張ってくださいまし、シュー様♪」クリスタは満面の笑みで応援してくれ準備に戻る。

帰り際にいいか、目立たず大人しくするんだぞ!とラインストーン兄上から釘を打たれた。。



□□□


 なるほど。アナソフィア様が第一夫人、フリーデリケ様が第二夫人と。第一子アレクシオス王子。第三子アリステイデ姫はアナソフィア様の子供。。第五子シャンタル姫がフリーデリケ様か。

思った通り覚える事多いです。領主一族。。


「この表を見ると第二夫人は女性が多いですね」

「はい、第二夫人フリーデリケ様は嫁いですぐに小宝に恵まれせんでした。なので急遽リュフォーリル様を迎えた形なのです」

 

 母上は魔力も高く比較的すぐ子供もできたそうだ。

婚姻後すぐに兄二人出産し王妃して認められる。

その反面、フリーデリケ様はプルトゥゲザ王国よりの嫁ぎだ。

待望の男子は幼くして長男を病気で亡くし、娘二人のみ。

他国より嫁入りという事もあり、肩身が狭いだろう。


 そして第一夫人のアナソフィア様は実権を王宮で握っている。長男、長女と共に最年長だし、元々伯爵一家なので貴族にも顔がきく。ふむふむ。

 母上は特殊で政治に口出さない、王宮に籠もらない条件で婚姻している。政変もあり、中央とは距離取っている。また一番子供が多く愛されているのが良く分かる。妹のちびっ子を入れ五人だ。母上もいろいろあったのだな。しかし、子供の条件に魔力が関係するなんて。。


「アレフレッド、裏話までありがとう」


「はい。表立って事は起さないでしょうが、次期王戦としての睨み合いは現在もあります。貴族の対応もご慎重に」


「は?私もですか!領主なんて興味ないです!」


「まだ洗礼前ですが、第六子の存在は首都でも知られています。興味ある無しに関係なく血族しか領主になれません。男子は特に。今一番次期領主に近いのはラインストーン様ですから」


おったまげた。あれ第一夫人、長男のアレクシオスではないのか?


「騎士としての実績。また性格が真っ直ぐなのでラインストーン様の影響は貴族からも大きいのです。アレクシオス様はいろいろと事件起こしてますし。この内容は市民の噂程度で捉えください」


うぅ。。貴族、、王戦、、面倒事にしか思えない。ふと横見ると私には関係ないわ、と美味しそうにフューリが紅茶飲んでる。


「他人事ではありませんよ?私が領主になればフューリは領夫人ですかね?」

「ぶっ!!、ぼ、ぼっちゃま、何を。。」


うん吐き出した。最近からかい甲斐があるな。


ソムがにこにことこぼれた床を掃除してくれた。

王宮の鐘が鳴り響く。クリスタの謁見は上手くいけばいいな。


 より重厚な柱を見つめていた。

今まではあまり実感が無かった。

ただこの王宮の別邸、初の首都を見聞き、改めて領主一族なのだ、と。

毎日投稿していく予定です。


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