朝の剣術と説教
前回に続きほのぼの回です☆
今日は雲ひとつ無いいい天気だ。
体を動かすには持って来いの練習日和と思う。
「丁度、西ゴード王国の護衛騎士長もいらっしゃる。よろしければ。少し手ほどきをお願いできますか?」
「うむ。少しレグナム神国の腕もみたいしな。暫し打ち合うか」
ラインストーン兄上とアレンツァは互いに向かい合い組み手初めた。こういう時は特殊能力使わず、剣術のみで戦う。
初めて見る兄上の斬撃は早く、また打ち込みも重い。対してアレンツァは半身を退け斜めに入って行く。時に低く、また時に肩でパリィして懐から攻める。何度か打ち合いで兄上倒されていく。
「筋は悪くないが、まだ足が揃っておる。力入れるだけでなく踏み込むならその倍低く構えよ」
「わーい」「ハッ!もう一度お願いします!」
近衛の女性騎士もロメスリードと打ち合いを始めだした。
「うょー」「きゃっきゃっ」
他の騎士も互いに相手を見つけ「らー」組み手をしだす。「ドカーン」
「「「うるさい!」」」
「シューは子供と何してるんだ!」
うっ、す、すみません。みんなに睨まれる。
「クリルとリリルが遊び道具を出してと。。『ぷにスラトランポリン』を出して遊んでます」
みんなが見ると、大きめの遊具と思ったのだろう。
単純に『ぷにスラ』を5mの円体に大きくし、ぷにぷになのでトランポリンみたいに乗れば弾いて飛ぶ。仕組みは単純。まぁ大きなビニールプールと思って良い。
そこに幼女二人がポヨーンポヨーンと空に舞う。
「これも。。魔法で出したのですね?」
「はい。妹達用の遊具です。面白いですよ」
クリスタはドキドキしながらエイッ!と飛び込む。ボヨーンと力に反発するから結構飛ぶ。うむ3m。
「きゃあ!」すっと行って地面に落ちる前にキャッチ。
「大丈夫ですか?意外と飛ぶので難しいです」
「あ、ありがとうございます。あの小さな子達は大丈夫ですか?」
「飛び上がる前に魔力で少し抑えているんですよ。よく見て下さい。手から降りてるでしょ?」
クリルはくるっと回って手のひらをスライムに当て、ポヨーンと上がる。空間でまた体幹を使い、違う場所に落ちてポヨー。顔は楽しんでるが、結構キツイはずだ。
丁寧にクリスタを下ろして見本を見せる。トゥ!とジャンプし足から落ち、足に魔力調整で5mくらい飛び、くるっと向きを返し手に魔力。再び飛び上がり、そのまま斜めに飛んで、リリルを抱えて着地。おーと歓声が上がる。リリルはこっち見てコテンと首を倒す。
「結構キツイので10回できれば凄いですよ」
組手に飽きた騎士はボヨーンと『ぷにスラトランポリン』にチャレンジし、見事吹っ飛んだ。じりじりと人が増える。
・・鎧ある分反発強いんだろね。受け身取れるから大丈夫だろ。
大人の遊び場になったので、小さな元祖『ぷにスラ』を出してクリルリリルに渡す。柔らかバージョンなので粘土と思っていい。
「ありがとーにぃにぃ」とちぎったり、丸めて遊びだす。
手も汚れずいい遊具だ。
クリスタがその光景に目をパチパチしてたので、『ぷにスラ』で大きめのクッションを出しどうぞ。と。
「す、座れるのですね。あぁ冷たくて気持ちいいですね」
「元々はこのクッションでした。遊び道具で改造してたので。お茶でも飲みますか?ソム、お茶の準備をー」
同じくクッションを出して座る。
ソムから冷たい紅茶をそれぞれ飲む。優雅だ。
「シューリヘト様は不思議ですね。魔法とはもっと野蛮なイメージがありました」
「そうですね。僕も怖いイメージが強いです。でも師匠から想像が大事と教わりました」
「なるほど。いい師匠ですね、ふふふ。あ、紅茶も美味しいです。さっぱりします」
そんな感じで僕らの場所は訓練というより休憩場所なってしまった。
庭には組手や素振り、『ぷにスラトラ』で疲れた人に紅茶を出しておもてなし。あ、剣術してないや。
□□□
昼食はピザを出す。丁度兄上に頼み、トメトを多く買って来てもらってたので簡単なピザだ。チキンと魚貝、野菜の3種類。落ち着いたらお茶会が始まる。
「なるほど。クリル達がすぐ大人しく昼寝したのはそういう理由があったのですね」
「しかしシューはなんていうか。。あの『ぷにスラ』は何でも変えれるのか?」
「何でもよりは何かに変えれるでしょうか?うーん便利なのですけど、他の魔法はさっぱりです」
それを聞いてみんな大笑いだ。むー。
「この島でできる事は限らますし、明日には船が出るのでしょう?」
「そうですね。。あ!シューリヘト様も一緒に行きませんか?如何でしょう?リュフォーリル様」
「私は構いませんが…」
母上が困りましたわのポーズだ。誤魔化せと。うん。
「クリスタ様、僕はこの島から出た事ないのです。首都アテネはさっぱりなのですが・・」
「是非、姫様もこうおっしゃってます。側使えが側に入ればご安心でしょう。もちろん私も護衛致します!」
スッ、としゃがみ敬意を示すロメスリードは。口元がニヤケてる。
う、パンツの恨みか。
「いいじゃないか。元気になったしのぅ。シュー坊もいろいろ見れるじゃろう。だが、魔法は街中で禁止じゃ。分かったかの?」
「はい。お婆様が言うのなら。。」
クリスタはキラキラした目をしている。
母上が皆が言うなら…まぁいいですと。手紙をおくっておくので、父上の言う事を聞き迷惑かけない事、と伝言を受けた。
こうして僕は明日予定にないアテネに訪問に付きそう事になった。
□□□
「あら、どこ行きますの?シューリヘト様」
「シューでいいよ、クリスタ。昨日の片付けに神殿に行こうと思うのだけど」
祭事の後の片付けも毎年している。特に灯籠祭の後は海が汚れるので、イレーネにもこっそり手伝って貰ってる。
「神殿行くのですね?私もよろしくて?」
イレーネはあまり人を近づけないでと言われてるし。。うーん。
「…ダメですか。外は危ないものですものね」
そこまでがっかりされると辛い。まぁ一人くらいなら。。
「分かりました、ただし約束してください。大事な事です。絶対に合った事を言わないこと。後は誰も連れて来ないこと」
「分かりました!誰にも言いませんわ!」
ではこっそり行きましょう。
とクリスタを抱き上げ、トンッと飛び上がる。
ちなみに神殿迄は遠くない。
(はっ。何ですの?いきなり抱き抱えられました。。以外と積極的ですわ。。ポッ♡え?ええー!ちょ、ちょっと速いきゃー無理、マジ無理ですわ!)
「シュー様ゆっくりと、こ、怖いですわ!」
森の木々の間を抜け、飛んだり跳ねたりし、あっと言う間に神殿につく。神殿の噴水にクリスタを置いて休ませ、口笛吹く。
「はぁ〜い。昨日はにぎやかだったわね。海はキレイにしといたわ」
「ありがとうイレーネ。んと、一人友達紹介したいのだけど・・」
キリッと睨まれたけど、遠くに見えるクリスタ様子を見て口が開く。
「もう。あんまり関わりたくないのに。分かったわ。その変わり大勢呼んだり、見世物するならもう来ないから!」
「助かるよ。じゃあ呼んでくる。あ、これ今日のお弁当」
バスケットにあるのは料理人テムに教えて作って貰ったツナサンドイッチ。僕はクリスタを呼びに戻る。
・・・
シュー様に手を取られ、緩やかな岸に向かう。岩はボコボコして歩き難い。そこにグリーンの綺麗な髪した。。え?人魚がサンドイッチ食べている?
「あのーシュー様、あちらは人魚では?」
「そう、イレーネ。僕の友達だ。内緒にしてね?」
気がついたのかイレーネはこっち手を振る。
少し私を見て顔をしかめたが、諦めた様に話しかける。
「イレーネよ。騒いだら食べるから!」
「た、食べないでくださいまし!」
ぎゃー食べられる。。ガクガク。。人魚はいるとは聞いていたが、もはやおとぎ話存在だ。いわくその歌声は綺麗だが船を沈める。。集団でいるの見るとその後は天災に合う。うぅ。。
シュー様はこら、とイレーネのサンドイッチを奪いじゃれている。
頬を膨らます人魚さんの眼は赤く、大きな乳房には薄い胸当てがあり、よく見たらとても綺麗だった。
少なくともお姉さんだ。
「うー。シューがいるから食べないけれど・・あなたお名前は?」
「く、クリスタです!シュー様の婚約相手で、お友達で、お世話?になってまし!」
あ、何か変な目で見られてる。。
ハッ!王妃らしい挨拶すらできてない。
まだ私の頭は混乱してるみたいだ。
クリスタとイレーネはその後打ち解け。気がついた時には『ぷにスラ』で遊んでいた。
「胸当ては今度準備しますね!サイズ合ってませんし」
「あら助かるわ。シューは乙女心分からないもの」
「シュー様は変な魔法ばかりですから。でも神の祝福は凄いですよ?」
「確かに変わってるわね」
…女性って怖いよね。
イレーネが集めてくれた灯籠のゴミを燃やす。
その程度は火を起こせる様になってる。
火の番しながらキャッキャッ騒ぐ二人はなんとも。。手伝う気がないな。はぁ。
一刻ほど掃除をし、また来るねーと神殿を出て歩いて変えるとき、アレンツァとロメスリードが顔色を変えて走ってきた。
「姫様!勝手行動するのは止めてください!皆心配してます」
「シューリヘト様も!逢引はよろしいですが、二人だけの行動は控えてくださいまし!」
「「ご、ごめんなさい」」・・逢引はいいの?
もちろんお屋敷に戻ればお母様とお婆様、側使え一同に近衛騎士も構えていた。無事と分かるとホッとされたが説教タイムだ。
次から次に説教は続いていく。。庭に正座された。
「ぼっちゃま。それでどこまで行きました?口合わせなど‥ふふふ♪後で教えてくださいまし」
朝から神殿服を持って、下町に戻しに行っていたフューリは、買い出しなどして今帰ったのだろう。暇してた分しつこい。
「・・来年には僕の子ができるかもね?」
「んまぁ!破廉恥な!」
・・んなわけないだろう。せめてもの反抗だ。
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