恋の馬車バトル
馬車の攻防。ドキドキ・・
カーテンを閉める神父は泣いていた。
あれ?やり過ぎた?
ふぅ〜と一息ついてフューリを見る。
大泣きだ。あれ?
「えっと。フューリちゃん?どうしました〜?お腹痛い?」
「ぼっちゃま。。神の子でしたのね。。ううっいままでずびぃませんでしだぁ。。」
「はいはい泣かないの。ヨシヨシ。母様の所に戻るよ?」
「あ゛ぃ」
僕が戻る頃には民衆も興奮しながら教会を出ていく。
何かみんな話してないのだけれど。
うーん祝福は成功はしたと思うし?
「皆様、恥ずかしい所をお見せしました。楽しんで頂けばよろしいのですが」
部屋に戻って挨拶をかけると部屋にいる皆が一斉に片膝を躓き胸に手を当てる。ビクッ!とした。立っているのはお母様だけで困ったわーのポーズ。
「神の子シューリヘト様。神儀式お見事でございました。まるで天使が祝いの舞をしているが如く幻想的でした」
ロンツォ。。覚えておけ。
「私も初めて神の奇跡を見ました。シューリヘト様ありがとうございます」
えっと。賓客のクリスタ様だよね?
今躓いているの?
母様を見ると更に困ったわ〜のポーズ。
・・角度がより横に倒れているのだ。
「どうぞお立ちください。皆様もお顔を上げ。。アレフレッド、お茶の準備を」
ナイスと母様の角度が浅く戻る。やれやれ。
お茶会になればさすがに皆落ち着いた様だ。
だがしかし。皆さっきの光景を神々しく貴族らしく言い合っている。
「天に登る柱はまさにメーべの誕生神話の様でした」
「光輝く間に天使がいました」
「まさに天国がこの様な風景かと」
「民衆は神の加護を受けた事を話さない!と誓ってました」
「シューリヘト様の髪も精霊様のよう輝いていました」
……いろいろ褒められてるので成功したのは良かったけど、褒め称えるほどは嫌味に聞こえる。。はぁ。大袈裟だよ。
ポリポリクッキーを食べて無言を通す事にした。
向かいのリアさんも食べたそうなのでフューリより数枚渡させ、二人でポリポリと聞かない様に食べる。
□□□
賓客がいるので簡単な食事とは行かない。一度馬車で屋敷に戻り昼食事を取る。護衛の便宜を考えても良いらしい。夕方には灯籠祭があるので、この日の食事は時間通りいかないのだ。馬車に乗り込む時に、クリスタが近づいてきた。
「シューリヘト様。宜しければ一緒の馬車で参りませんか?」
「はい。いいですよ?」
眼をキラキラさせてクリスタは喜ぶ。後で聞いたのだが、貴族の馬車の相乗りはまずない。護衛も兼ねているし、何より狭い空間で男女は年齢関係なくNGらしい。乗り込むと好意を示す行動になるのだ。
知らないよそんなの。島育ちだもん。
四人乗りなので基本護衛騎士か側使えだ。
僕はいつもの様にフューリの上に乗る。。よいしょっと。あれ?フューリがぷるぷるしてる。隣はアレフレッドが来て通常通りだ。
クリスタは入る時驚いてたけど、側使えに指示をだし、ロメスリードを載せ、リアの膝上に僕のように乗る。まあ大きさは似たもの同士だから馬車内の広さは問題ない。ゆっくりと馬車は走りだす。
「・・シューリヘト様は好みの異性はございますか?」
超どストライクの質問が来た。側使えの皆が固まる。
「はい。いますよ?」
「・・どの様な方かお伺いしても?」
「はい。今乗っている側使えのフューリです!」
エヘンという。フューリはまたぷるぷると震えだした。ちなみに顔は真っ赤かだ。
「なるほど。長くいる側使えは妾になる事もあると聞きますが。どの様な所が好みか参考に?」
「はい。ちょうど良い胸が好みです。今揺れる時もポヨンと当たり気持ちいいです」
その言葉に沈黙が。
久々に貴族の禁句を踏んだ気がした。
フューリは半泣きしているのがわかる。
もう何も言うなと睨まれる。
コソコソとリアとロメスリードと3人で話して何か納得行く答えができた様だ。
「分かりました。ありがとうございます。私、シューリヘト様の事をもっと知りたいのです。今後ともお側において貰って宜しいでしょうか?もちろん時期が来るまではお互い健やかに、それぞれの土地で成長する事でしょう」
これは何て意味かな?うーんと首を傾げる。
フューリは固まって動かない。半分口が開いてるよ?
アレフレッドが耳打ちをし「クリスタ様は婚約し嫁ぎに来ますと申してます」
・・マジか。
確かにクリスタの頬がほんのり赤い。
良く言ったとロメスリードが満足そうに頷いている。
何か答えないと確定しそうな予感が。。
頭をフル回転させた。
「ご好意ありがとうございます。ただ私もまだ洗礼式前の子供です。男女の機微はわかりません。なのでお互い知り会える。。そうですね取り敢えず、お友達でどうでしょう?」
上手く逃げれたかな?
上を向くとフューリは微妙なラインの顔。
アレフレッドは「いいお返しです」と呟く。
「分かりました。シューリヘト様、クリスタと呼んでくださいませ。今後お友達で宜しくお願いします♪」
「あ、リアさん聞いていいですか?祝福は皆驚いた感じですが、リアさん普通だったので」
「はい。シューリヘト様はとても凄い祝福で驚きました。が私もレグナム神国の出身。そして私の洗礼式にはリュフォーリル様が行ったのです。ですからショックは少なく。初めは驚いてましたが」
なるほど。合点行った。
僕も初めて祝福はマシュー厶だし、基本はでかいかどうかより、奇跡かどうかなのだ。
「リアに何度かレグナム神国の話を聞きました。2、3日こちらに滞在しますが、アテネも楽しみです」
「そうですね長旅の休息も必要でしょう。明日以降はゆっくりできると思いますので」
そんな感じで屋敷まで他愛のない話をして戻る。
◇◆◇
ぴゃー!部屋に戻るとフューリは怒だった。。
「ぼっちゃま!あの様な場所で好きだの胸など好き勝手言って!心臓止まるかと思いましたわ!」
「ふむ。奥方様へ報告が大いにありますな。しかしクリスタ様の好意はシュー様のせいではない。フューリは側使えとして良き主に使えたと思いなさい」
「だってポヨンとか・・」と言いながら半泣きだ。反抗は諦めたらしい。ヨシヨシと慰める主の僕は優しいのです!
アレフレッドに言わせば馬車での戦いはドロー。稀に見るやり取りと褒めていたが、フューリはいろいろ気が気でなかったらしい。最後に奥方様へ報告をまとめる事。側使えとして職務を行うように。アレフレッドに言われていた。がんばれフューリ。
◆◇◆
料理の準備ができるまでお待ちくださいと客間を一つ借りる。身内で集まるので反省会はこちらでも。筆頭側使えのニルネットが仕切る。
「うぐぐっ……」
「安心しなさいませ。クリスタ様。上手く躱されましたが上々です」
「しかし驚きました。馬車の中でその様な事になっていますとは。。クリスタ様。お覚悟はできてますでしょうね?」
「もちろんです。祝福だけでそうポンと惚れるほど甘くありません。少なくともシューリヘト様は神の使いなのです!」
・・言ってることはあんぽんたんだが、目がもうダメな感じだ。
「ロメスリード、某方はどう反応見る?いつもクリスタ様と一緒だろう」
「はっ。クリスタ様はともかく、シューリヘト様には好感が伺えたかと。あの場で即破断もありましたから。まず、異性の興味は誰でも通り過ぎる身近の年上の胸が好きという至極単純なこと。クリスタ様がお父様と結婚したいと言うレベルです」
「なるほど。神の子といえ精神は年相応。その判断でよいか?」
「間違えないと思います。が、まだ情報が少ない部分を踏まえ、帰るまでの時が大事です」
「聞いての通りだ。皆少しでも情報だ!姫様の初恋を成熟させてこその取巻きだ!分かったな」
「「おー!姫に神の子を!姫を女神に!!」」
「あ、あまり大袈裟にしないで下さいまし!」
その後、少し遅めの昼食は貝がメインの焼き物が多くありました。側使え同士の交流で、魚は極力苦手という情報が入ったのでしょう。
ホテテのバター焼きを姫様は気に入り、沢カニのサラダなど満足行く様子でした。
姫様は離れていても目はシューリヘト様へ。。
思った以上に本気でしたのね。
初々しく結構ですわ。
側使えことリアは懐かしい郷土料理ほっこりでございます。
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