【Day 1】午後1:00:ジャンクパーツの城
【Day 1】午後1:00:ジャンクパーツの城
アレンが最初に向かったのは
スーパーマーケットではなく
街の片隅にあるうらぶれた電子部品店とホームセンターだった。
食料や水はいずれ暴動が起きれば奪い合いになる。
しかし、ギークの彼が本当に必要とする「武器」は
誰も見向きもしない棚に眠っているのだ。
「おい、アレン。そんなに大量のインバーターと
ディープサイクルバッテリーをどうするんだ?
自家製の発掘マシンでも作るのか?」
顔見知りの偏屈な店主が
カウンターに積み上げられたパーツを見て眉をひそめた。
アレンは無言で、ハッキングで得た出所不明の
プリペイドカードを差し出した。
彼が買い漁ったのは、以下のアイテムだ。
• 高出力のソーラーパネル用インバーター
• 街の防犯カメラの同軸ケーブルに割り込むための
映像キャプチャボード
• 広帯域の無線トランシーバーの予備パーツ
• 長さ60センチの、重量感のある工業用スチール製バール
店員や周囲の客は、大きなバックパックに
重いバッテリーを無理やり詰め込むアレンの姿を
「奇妙な引きこもりの大荷物」として
冷ややかな目で見ていた。
アレンはその視線を受け流しながら
心の中で冷徹に呟いた。
(笑っていられるのも、今のうちだ)




