【Day 1】午後5:00:『作戦本部』の構築
【Day 1】午後5:00:『作戦本部』の構築
自宅のガレージに戻ったアレンは
一切の猶予を排して作業に取り掛かった。
まずはホームセンターで手に入れた
頑丈な防腐木材と木ネジを使い
ガレージと1階のすべての窓を完全に内側から塞いだ。
電動ドライバーが刻む、チュイーン、チュイーンという
鋭い音が暗い室内に響く。外から見れば
この家は完全に「空き家」か「放棄された家」に
見えるはずだった。
次に、屋根の上に静かにソーラーパネルを展開し
昼間買い込んできたバッテリー群と接続する。
「世界が崩壊すれば、真っ先に変電所が落ちる。
電気の途絶は、僕の目と耳が潰れることを意味する」
アレンは自室のトリプルモニターの前に座り
独自のスクリプトを走らせた。
マルドローの主要交差点、スーパーの前
そしてガソリンスタンドに設置されている
公衆防犯カメラのIPアドレスを次々とスキャンし
認証を突破していく。
画面が次々と切り替わり
街のリアルタイム映像がモニターを埋め尽くした。
カメラ1:平和な交差点。
カメラ2:まだ買い物客が行き交うストア。
カメラ3:ボブのいるガソリンスタンド。
ボブは何度も激しく咳き込み、しゃがみ込んでいる。
「よし……これで街全体の『汚染度』を視覚的に追跡できる」




