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SEED  作者: 泣きピエロToY
第二章「flower」
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第7話 勧誘だ!


高校二年の昼休み。

昼休みのチャイムが鳴ると同時に、教室の後ろへ人が集まり始める。


窓際に腰掛けた奏と、その隣に立つ颯太。

二人がギターを手にすると、教室は自然と静かになった。


誰かに頼まれたわけでもない。

昼休みになれば二人はギターを弾き、クラスメイトはそれを聴く。


いつしかそれは、このクラスの風物詩になっていた。

演奏が終わると拍手が起こる。


「今日も良かった!」


「新曲?」


そんな声が飛ぶ中、教室の入口から見覚えのある制服が近付いてきた。


軽音部だ。

相変わらず勧誘は続いている。


「そろそろ入ってくれてもいいだろ?」


「うちなら文化祭もライブも出られるぞ」


何度断っても諦めない。

最近では少し迫力のある三年生まで勧誘に来るようになっていた。


奏はギターケースを閉じながら笑う。


「悪いけど、コピーはやらないんで」


二人がやりたいのは、誰かの曲をなぞることじゃない。

自分たちの音楽だった。


勧誘が去ると、颯太がぽつりと口を開く。


颯太

「軽音部には入りたくないけど、ライブやりたいよな」


奏

「曲も溜まってきたしな」


少し沈黙が流れる。

二人とも、同じ景色を思い浮かべていた。


奏

「あの腹に響く感じ、スタジオじゃ味わえないじゃん」


颯太

「分かる。音が体を突き抜ける感じ」


奏

「照明が反転する瞬間とか、めちゃくちゃかっこいいし」


颯太

「でかいアンプで大音量。考えただけで最高」


奏は笑いながら頷いた。


奏

「ライブに必要なものかぁ」


颯太

「うん?」


奏

「まさかインストライブやるわけじゃないだろ」


颯太

「あっ……歌詞がない」


奏

「誰が歌うんだよ。俺は歌わないぞ」


颯太

「俺もギターに集中したい」


二人は顔を見合わせる。


奏

「じゃあ、ボーカル探すか」


颯太

「イメージは?」


奏

「曲を聞き直してから考える」


颯太

「中学の時作った『DIVE』あるじゃん。俺、あのイメージのままずっとアレンジしてるよ」


奏は少し考え込む。


奏

「……パワフルな女性ボーカル?」


颯太

「うん。そのくらいの声じゃないとギターに負ける」


奏はニヤリと笑った。


奏

「探してみるか」


ギターケースを肩に掛ける。


奏

「次の休み、ライブハウス行こう」


颯太

「決まりだな」


奏は拳を軽く握った。


奏

「勧誘だ!」

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