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SEED  作者: 泣きピエロToY
第八章「遠く遠く」
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第56話 真実を掴みに行くぞ


曲は出来た。

スタジオに流れていた達成感は、もう次へ向かっていた。

次は対バンを申し込みに行く。


大地は携帯を取り出し、ライブハウスの番号を押した。

三人は何も言わず、その様子を見守る。


「そちらの箱で『Re:』がライブしてると聞いたのですが、対バンを申し込みたいです。」


一呼吸置いて続ける。


「一曲だけで良いです。『poison girl』で来てください。」


その言葉に、颯太の視線が真っ直ぐ前を向く。


「こちらは『spicy girl』で行くと伝えて下さい。」


『かしこまりました。折り返しはこの携帯でよろしいですか?』


「はい。大丈夫です。」


通話が切れる。

静寂が流れた。

返事を待つしかない。


大地は携帯をポケットへしまう。


「あとは相手の反応だな。」


約三十分後。

震えるように携帯が鳴った。

四人の視線が一斉に集まる。

大地はすぐに通話へ出た。


「はい。」


短いやり取りが続く。

そして、大地の表情が少しだけ変わる。


『受けて立つそうです。』


三人は黙って聞いている。


『リーダーのXさんからです。』


大地へ相手の言葉がそのまま伝わった。


『どっちが本物か勝負だ。』


『以上です。』


「宜しくお願いします。」


通話を終え、大地は静かに携帯をしまう。


「わかったことが一つ。」


全員が大地を見る。


「『poison girl』は確信犯だ。」


「あいつらは初めから、こうなる事をわかってたんだ。」


偶然じゃない。

曲名も。

この勝負も。

全部、最初から繋がっていた。


「真実を掴みに行くぞ。」


誰も返事はしない。

姫希がぽつりと呟く。


「Xって誰なんだろ。」


「奏じゃないよね?」


達磨は肩をすくめた。


「そんなダセェ名前、Zくらいしかいねえだろ。」


颯太は悔しそうに呟いた?


「かっこいいのに。」


四人はライブに向けて、『spicy girl』を何度も演奏した。

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