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SEED  作者: 泣きピエロToY
第七章「STAY GOLD」
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第45話 あいつらは戦友なんだ


スタジオでは、flagshipのメンバーと達磨、大地が音を合わせていた。


一曲演奏し終えると、最後の音がゆっくりと消えていく。


「ありがとうございました!」


ギターが頭を下げると、そのまま笑顔で口を開いた。


「そろそろ正式加入してくださいよ。」


達磨はペットボトルの水を一口飲み、苦笑する。


「すまん。まだそんな気にはなれない。」


少しだけ申し訳なさそうに笑った。


「助っ人でやらしてくれ。」


大地も頷く。


「颯太が最後まで解散反対してた。」


あの日のことを思い出すように天井を見上げる。


「絶対なんかあいつやらかすと思う。」


そう言って笑った。


「だからやっぱ助っ人がいい。」


「ほんと仲良いですよね。」


ギターが羨ましそうに笑う。


「羨ましいです。」


達磨は首を横に振った。


「そんなんじゃねぇよ。」


少しだけ真面目な表情になる。


「あいつらは戦友なんだ。」


その一言には、何年も同じステージで戦ってきた重みがあった。


「簡単に切り捨てられねぇ。」


大地は苦笑する。


「こいつ、これで人一倍人情家だから。」


「うるせー。」


照れ隠しのような返事に、スタジオは笑いに包まれた。


笑いが落ち着いた頃、ギターが思い出したように口を開く。


「そういえば、JJの『ONI』って始めからあんな感じだったんですか?」


ギターを構え、イントロを弾く。


ギュイィィン――。


重く鋭い奇怪なリフがスタジオに響く。


「この雰囲気……間違いなく天才ですよ。」


達磨は懐かしそうに目を細めた。


「あれは奏が作って、颯太がアレンジ。」


大地も続ける。


「んで、ライブでぶち壊されてさ。」


思い出すだけで笑えてくる。


「即興で合わせたら、ああなった。」


達磨と大地は顔を見合わせ、同時に笑った。


「あの日はライブ後が大変だった。」


達磨が笑いながら言う。


「姫は楽屋入った瞬間寝ちまうし。」


「俺なんか放心状態だった。」


大地も負けじと笑う。


「俺は身体中痛かった。」


ステージで暴れ回った代償だった。


「奏くんと颯太くんは?」


ギターが興味津々に尋ねる。


達磨は少し考えてから答えた。


「疲労感はあった。」


大地も頷く。


「でもな。」


少しだけ笑う。


「二人とも物足りなさそうな顔してた。」


達磨は遠くを見るような目になった。


「まだ弾きたそうだったな。」


しばらく誰も口を開かなかった。


あの二人を知る者だけが分かる空気だった。


達磨がぽつりと呟く。


「あいつらは怪物だよ。」


誰も否定しない。


「あんな奴らとバンドやってたんだ。」


その声には、誇らしさが滲んでいた。


「だからよ。」


達磨はメンバー全員を見回す。


「あれ以上じゃなきゃ、正式加入しねぇからな。」


その言葉は冗談ではなかった。


達磨自身が、その景色を知っているから。


ギターは感心したように呟く。


「本物の鬼みたいですね。」


達磨は静かに笑う。


「そう。」


少しだけ間を置く。


「ギターの鬼。」


その一言で、スタジオには再び静寂が流れた。


達磨は天井を見上げ、小さく呟く。


「またいつか……あの景色みてぇな。」


そして、優しく笑った。


「あいつらと。」


大地は腕を組み、ニヤリと笑う。


「それなら俺たちがレベルアップしなきゃだぞ、達磨。」


達磨はすぐに言い返した。


「うるせぇ。」


胸を張り、いつもの調子で言い放つ。


「俺は天才だ。」


その一言に、張りつめていた空気が一気に和らぐ。


スタジオには、久しぶりに心からの笑い声が響いていた。

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