〇月3日4
俺は床に落ちていた謎の本を拾い上げ、中を開こうとした。
――だが、開かない。
表紙をよく見ると、目立たない位置に**鍵のような文様**が刻まれている。
「……鍵付き、か」
舌打ちしながら、周囲を見渡す。
「しかし……ここはマジで何なんだ?」
電車で村に辿り着いたはずだった。
それなのに、気が付けばこの建物へ導かれ、
依頼人の顔をした化け物に襲われ、
意味不明な言葉で何とか生き延びた。
「……訳が分からなすぎる」
それでも。
それでも、進むしかなかった。
「そうだ……進んで、進んで……」
拳を握りしめる。
「……依頼人と一緒に、帰るんだ」
自分に言い聞かせ、次の扉を開けた。
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――次の部屋には、**何も無かった**。
壁。
床。
天井。
「……何なんだ、この部屋は……」
一瞬、張り詰めていた気が緩む。
――その瞬間だった。
背後、左右、正面。
**気配が、増えた。**
「……っ!」
反射的に動く。
正面の一人を殴り倒し、
背後の一人には頭突き。
怯んだ隙に蹴り飛ばす。
だが――
左右から来た二人までは、捌ききれなかった。
「……っ、ぐ……!」
衝撃と共に床に倒れ込む。
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「ふん……まさか侵入者が現れるとはな」
低い声が聞こえる。
「だが、丁度いい。生贄が必要だったところだ」
誰かが言った。
「こいつを連れて行け」
抵抗する力も残っていない。
意識が遠のく中、
俺は引きずられ――
どこかの部屋へと投げ込まれた。
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「……う……く……」
呻きながら、身体を起こす。
ここは――
**周囲すべてがガラス張りの部屋**だった。
床には、明らかに異常な**魔法陣**が刻まれている。
(……まずい……)
その瞬間。
床が淡く光り、
魔法陣の中心から――**何か**が現れた。
「……っ!」
本能が叫ぶ。
――危険だ、と。
だが。
俺は、歯を食いしばり立ち上がった。
怪物を睨みつけた、その瞬間。
――持っていた**本が光り出した**。
「……なっ……!?」
鍵の文様が砕けるように消え、
本は自然と開かれる。
そして――
眩い光と共に、
**一丁のハンドガン**が、本の中から現れた。
「……本から……銃……?」
一瞬の困惑。
だが、すぐに理解する。
「……武器、か」
手に取った瞬間、不思議と恐怖は消えていた。
「……よし」
銃口を怪物へ向ける。
「……これで、終わりだ」
引き金を引く。
――一発。
怪物は、抵抗する間もなく消え去った。
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ガラスの向こうで、ざわめく気配。
「……次は、お前らだ」
俺は助走をつけ、
**窓を蹴り破って飛び出した**。
――反撃が、始まった。




