〇月3日5
窓を蹴り破り、俺はそのまま敵の中へ突入した。
目の前の男を――
本で殴り、
蹴り飛ばし、
床に沈める。
それを、何度も。
何度も。
何度も――
だが、それだけでは足りなかった。
相手は銃を持ち出し、
数を増やし、
確実にこちらを追い詰めてくる。
(……くっ……このままじゃ……!)
そう思った瞬間。
鈍い衝撃が身体を貫き、
俺は床へと倒れ込んだ。
(……もう……ここまでか……)
視界が暗くなりかけた、その時――
**ドォンッ!!**
爆発音が建物中に響き渡った。
「おっと、その人は倒させねぇぜ!」
その声に、はっと目を見開く。
そこに立っていたのは――
**依頼人**だった。
「……っ……!」
彼はすぐに駆け寄り、俺の肩を支える。
そのおかげで、何とか立ち上がることができた。
「……ありがとう……」
「いいってことよ!」
彼は笑いながら言う。
「それにアンタのあの呪文みたいな言葉のおかげでな。
体の中の“何か”が消えて、記憶も戻った」
そして、胸を張る。
「ほら、この通り。ピンピンしてるだろ?」
「……そうか……」
安堵する間もなく、俺は言った。
「……だが、今は逃げるぞ!」
「おう!」
二人は並んで走り出した。
途中、何人もの追手が現れたが、
避け、かわし、振り切り――
そして、ついに。
**謎の建物の出口を飛び出した。**
---
――その後の記憶は、ほとんど残っていない。
気が付けば、
互いに礼を言い合い、
それぞれの道へと別れていた。
依頼人は、一人で新しい生活を始め――
そして、俺は。
「……ただいま」
「……お帰り」
変わらない日常へと、帰っていった。




