〇月2日1
### 午前8時00分
外の物音で目が覚めた。
(……今日やることは……)
そんなことを考えながらベッドを降り、いつも通り朝の支度をする。
簡単に身なりを整え、朝食の準備を終えると、机についた。
「いただきます」
昨日作っておいたご飯とパン、そして玉子焼きを口に運ぶ。
世良はすでに起きており、どうやら先に出かけたようだった。
食事を終え、
「ごちそうさまでした」
と一言つぶやく。
歯磨きなどを済ませた後、朝日はスマホを手に取り、ある人物に電話をかける。
「もしもし……はい……お願いします。では10時に合流ですね。
はい、ありがとうございます。それでは失礼します」
通話を切ると、すぐに外出の準備を始めた。
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### 〇〇視点
「……分かった。10時に会おう」
そう言って電話を切る。
なぜ、あの事件のことを知っているのか。
それを確かめるためには、直接会うしかない。
――あの忌まわしい事件。
怪異事件を……。
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### 朝日視点
準備を進めていた朝日は、ふと依頼人のことが気になり、スマホを手に取った。
プルル……プルル……
『おかけになった電話は――』
――ガチャ。
(……何かあったのか?)
一瞬、嫌な予感が胸をよぎる。
だが、忙しいだけかもしれない。そう自分に言い聞かせ、深く考えるのをやめた。
カバンを持ち、バイクに跨る。
向かう先は、約束の場所だ。
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9時30分。
指定された場所に到着する。
(……思ったより早く着いてしまったな)
そう思った次の瞬間、背後から声がかかった。
「よう……着いたか」
「すいません。もう来ていたんですか」
「いや、気にするな。それより――本当にいたというのか?
……あの、戸西が」
「はい。ですが、戸西朝広という名前を聞いたとき、
なぜあんなに驚かれたんですか?岸亜刑事」
「だから“刑事”は付けるなって言ってるだろ。
もう警察の人間じゃない」
一呼吸置き、低い声で続ける。
「……それに、だから俺を呼んだんだろ。
俺が何か知っていると思った。
そして、契約違反にはならないと判断した」
「……はい。ですが、戸西朝広には何が――」
「その前に聞く」
岸亜は、鋭い視線で朝日を見据えた。
「本当に良かったのか?
俺が警察に何か言う可能性だって、ゼロじゃなかったんだぞ」
「でも……岸亜さんが、そんなことをするとは思えなくて――」
「甘い!」
強い声が、その場の空気を切り裂く。
「それじゃ駄目だ。依頼人が――
……いや、すまない。今は気にするな」
一度、深く息を吐く。
「だが覚えておけ。
探偵としてじゃない、人としての忠告だ」
岸亜は、はっきりと言った。
「人の秘密を、その人が知らないうちに他人に教えるな。
それだけだ」
そして、話題を切り替える。
「……話が逸れたな。
とにかく、知っていることを教える」
「はいっ!」




