Avsnitt 22 植物園でデートする
日曜日はエメリと神代植物公園でデート。
小田急永山駅で京王相模原線に乗り換え。調布駅で下車して、駅前のバス停からバスに乗り目的地へ。
「春が一番見応えあるらしい」
「今は?」
「バラがまだ見られるのと、アジサイを見られると思う」
「日本のアジサイって種類が豊富だよね」
他には温室で熱帯スイレンも見られるらしい。
暫しバスに揺られながら目的地まで会話を交わす。バスの座席って狭いから、結構密着するんだよね。なんかこれもいいなとか思ったり。
バスを降りて植物園まで少し歩くけど、下車した途端に腕組んでるし。これもいいんだけど。
正門前まで進み受付で入園料を支払う。
ここでもやっぱりエメリは自分の分をしっかり支払ってる。たまには奢りもあっていいと思うけどなあ。
今日は天気も悪くはない。晴れ渡った空とは行かないけど。
いわゆる花曇りって奴らしい。強い日差しに照らされないから、花を見るには適した状態だとか。写真に収めるのもいいらしいけど。
ゲートをくぐり、園内に入ると左右に道が分かれてる。
「どっち側から行くの?」
「右側に行くと温室とバラ園。正面につつじ園と左へ進むと売店とか休憩所」
「じゃあ右からだね」
覚えてるわけじゃない。パンフレットを見て答えただけ。一度しか来たこと無いし。
つつじの多くは終わってるから、今見ても種類は少なく、緑が生い茂る状態でしかない。
早々にエメリの腕が絡んで散策路を進むけど、結構な人出があって。
「わりと年配の人多いね」
「まあそうだろうなあ」
「若い人って関心ないのかな」
「分かんないけど、渋谷とか吉祥寺とか」
ゴミゴミした場所が好きなんだろう。俺もエメリが相手じゃ無かったら、たぶん新宿とか渋谷に行こう、なんて言ってかもしれないし。
自然大好きエメリだから、こう言った場所になるんだよな。
木陰になる散策路を進むと、視界が開けて温室が目に入る。それと同時にバラ園も。
「先にどっちから見るの?」
「温室にしようか」
バラ園には多くの人が集まって、じっくり見てるし。
温室にも流れ込んでるけど、混雑度合いはバラ園の方が上だな。まだ見ごろなのかもしれない。
温室に入ると湿度と温度が高い。熱帯植物のコーナーを抜けて、その先に進むと熱帯スイレンの池がある。
「Näckrosor är vackra」
「えっと」
「スイレンってきれいだね」
神秘的な美しさがあるとか言ってる。
池の淵まで近寄って、少し離れた位置で咲いてるスイレンを見ようとしてるけど。
「落ちそうだよ」
「Ingen fara!」
ちゃんと聞いてんのかなあ。覗き込んでるから、今にも池ポチャしそうだっての。
でも、無事に見終わったようだ。落ちたりしたら目も当てられないし。
次に蘭室に進むと、よく分からない花とか、鉢に植わってたり、吊り下げられてたり。
「スウェーデンでも蘭は栽培されてるんだよ」
「寒いのに?」
「温室とか室内で。夏は外でも栽培できるよ」
「そうなんだ」
ただ、総人口が少ないから愛好家の数も少ないそうだ。日本のように人口が多い国なら、多くの人が栽培して楽しんでるんだろうと。
蘭を見終わり次いでベゴニア室へ進む。
赤、オレンジ、黄色、白。特定の色彩に偏った感じはあるけど、花は意外と見応えある。
「大輪ベゴニアか」
「Vad trevligt!」
「いいよね」
ベゴニアを見終わり、さらに次へ進む。
小笠原植物室とか言う奴だ。ほぼ地味なんだよね。でもエメリは割と熱心に見てた。植物自体が好きなんだろうな。
ざっと見て最後に乾燥地植物室へ入ると、サボテン。
「Kaktus」
「発音がそれほど英語と変わらないんだ」
「似たような発音の言葉は多いよ」
サボテンの他には多肉植物もある。
「Vi säljer många suckulenter i Japan」
「日本で何?」
「多肉植物がたくさん売られてる」
「愛好家が多いんじゃないのかな」
百均にもたくさん並んでるとか言ってる。確かに小さいのがいろいろあったな。
興味無いからスルーしてたけど。
多肉植物を見終えると外に出て、バラ園に移動するんだけど。
「Ska vi Fika?」
「まだ温室見ただけよ」
「一気に見て回らないで、ゆっくり回ろうよ」
バラ園を突っ切ると売店がある。そこに向かってバラを横目に移動した。
少し気温も上昇してきて蒸し暑さもある。エメリも暑そうな感じだけど。
「暑くない?」
「暑いからFikaなんだよ」
まあそうなんだろうけど。
売店に到着するとバラのソフトクリームとかある。
「バラソフトだって」
「Bra!」
と言うことで、ソフトクリームは売店で買って、飲み物は自販機で買った。
バラ園テラスにあるベンチに腰掛けて、庭園を見ながら休憩することに。
淡いピンク色のソフトクリームを食べると「バラの香りがする」とか言ってる。
「そう言えば、少ないけど外国人も見に来てる」
「どこから来てるのかなあ」
「アメリカとかオーストラリアとか?」
「スウェーデンからは居ないんだろうな」
日本に移住してるスウェーデン人は少ない。観光目的で来る人も少ない。そもそも人口が少ないから。中国人は大挙して押し寄せてるし、住んでる人もやたら多いらしいけど。
休憩を終えると、そのままバラ園の散策を続ける。
当然だけど腕はしっかり絡んで、手も繋がれ寄り添うように歩いてる。ちょっと暑さも感じるけど心地良さも。なんか無駄に意識する自分が居て、エメリも同じなのかななんて思ったりも。
のんびり見ているけど。
「まだたくさん咲いてるね」
「そうだね」
「バラはね、朝の早い時間に一番香りが強くなるの」
「へえ、そうなんだ」
午後になると薄まるから、花と香りを同時に楽しみたければ、早朝がベストなんだとか。
ここのバラ園、沈床庭園とか言う奴らしい。周囲より低い位置に左右対称の花壇とか噴水が配置されてる。フランス式整形庭園とも言うとか。そこにバラが咲き乱れて、噴水が演出を加える感じ。
「英語でSunken gardenとかSunk gardenになるの」
「スウェーデン語だと?」
「Sänkt trädgård」
色とりどりのバラを見て、次へ移動する前に。
「お昼だし、休憩所でなんか食べる?」
「Ja. Jag är hungrig」
来た時の道を戻り正門を通り過ぎると、植物会館があって、その隣にガーデンビューローって言う、休憩所兼軽食喫茶とか売店がある。
中に入ると結構混雑してるんだよなあ。昼時ってのもあるけど。
少し待つと席が空いて腰掛けると暫し放置。店の人が少な過ぎるからか、オーダー取りに来ないし水も出ないし。
「遅い」
「そうだね」
五分も待たされてやっと水。来たついでにさっさとオーダーを済ませた。
で、頼んだものが出てくるまで、やっぱり待たされて、二十分後にやっと食事ができた。
カレーライスにこんなに時間掛かるんだ。売店でラーメンでも食べた方が早かったかも。
食事を済ませて会計もまた暫し待って済んだら。
「どこ見る?」
「Hortensia?」
「咲き始めだと思うけど」
「見てみよう」
あじさい園に向かうことに。
野草園を横目に散策路を進み、なんとなく森林浴風。花壇の前を右手に曲がり、突き進むと宿根草園があり、その先にあじさい園がある。
「まだあんまり咲いてないね」
「六月中旬くらいがシーズンかも」
とりあえず見て回ると、つつじも少し咲いてるから見ようとなり、つつじ園に向かう。
「Kolla!」
「こら?」
「あ、見てって意味」
「なんか……」
怒られてるみたいな。
指さす方向には、まだ咲いてるつつじがあった。
「大盃、秋月、松島、八咫の鏡。四種類あるんだ」
「きれいだね」




