20話 大声大剣使い芸人、覚醒
前回までのあらすじ
織田信長を殺すという目標のためにまずは栄えた場所へ行くことにした一行。だが主人公の相馬、相棒の朝日は仲間のアンシェール(ロボ)の治療のため武器を素材に変えてしまう。武器を新たに作るために素材を取り行くがそこで敵に遭遇してしまう。しかも川で。
川。水が流れている。ならアンシェールは戦えない。俺らは武器がない。
「これどうすんの?!他に人もいないし。」
巨大なサイが目の前にいる。今か今かと戦闘を待ち侘びているみたいだ。
「逃げるわけにはいかないですよね。」
そうだ。朝日の言う通りここから逃げればサイが町に出る。被害は凄まじいだろう。
「ねえ二人!レベルも敵はそんな高くないし、このサイ倒せると思うよ!あれ使えば。」
あれ?なんのことだ。俺が持っているものを探る。素材とマップ、まあ色々あるがそれらしきものはないな。
「相馬さん、なんもないです!アンシェールなんのことですか?」
アンシェールは途端に顔が曇り出す。
「あの、エジソンから貰った薬だって!」
そうだ!あの薬。めちゃくちゃ強くなる薬。そうだ!臭すぎて一回預かってもらったんだ。
「でもあれ今エジソンが持って、グッ!!」
サイが朝日に突進する。だが俺にはどうにもできない。武器を持たない今の俺にはこの景色を見ることだけしか。誰かに助けを求めてもどこからも声がしない。
〜純連雪〜
時間は経って夜になる。近くの洞窟付近で相馬たちが困っているとは知らずこの町は夜の町へと変貌を遂げる。
「おい!ここ通れねえぞ!素材集めたいのに!」
相馬たちが洞窟へ行くための道はなぜか封鎖されている。誰かに仕組まれたように。
「ああ、寝てたのか。よし、警備のために洞窟行きますか!」
だが封鎖された道の中に一人の青年がいた。
◇◇◇◇
「エジソンに連絡した!だからある程度耐えて!」
耐えるって、逃げることしかできねーぞ!
巨大なサイに追いかけられながらも薬の到着を待つ。そしてその時が来る。
「みんな!待たせたわね!」
「キュデン!お前薬持ってきたのか!」
深く頷くキュデン。だが、まだ問題はあったのだ。
「はい!これ。」
俺に渡されたのはただ一つの薬だった。ここにいる三人に分けることすらできない、ただ一つ。そうなれば問題は一つ。
「俺のだぞ!」
「僕が食べますよ!」
「君たちは武器ないじゃん。僕だよ!」
ゴニョゴニョ喧嘩する俺たち三人。だが痺れを切らしたキュデンがあり得ない行動に出た。
「もういい!これ受け取りなさい!」
宙を舞う薬。これ取らないといけないって言うのか!?高すぎる!だが、これを取れば俺が覚醒するんだ。一心不乱に薬に向かう。
「「「うおーーーー!」」」
パクッ!
「まずっ!!!」
取ったのは、俺だった。だがすぐに後悔をした。あり得ないぐらいまずい。これのために仲間内で喧嘩してたのか。だがいい。
「これでサイ!お前と戦える。」
突進してくるサイに向かってこっちも突き進む。
「うおおーーーー!」
ドンッ!
ズドーーーン、グシャッ!
体が潰れる感覚。だが実際にはまだ生きてるし動ける。だが生命が尽きる感覚が体に染み渡る。俺のパンチは確かに強くなっていた。だが覚醒したとは言えねえだろ!
「でも、まだ動けんだよ、日本の武士は強いんだよ!」
まだ俺は生きてる!生命が続く限り前進あるのみだ!
グオオオ!
ズドン、バキッ!
目の前にツノがある。俺はサイを倒そうとした。だが倒した感覚なんてないぞ。もしかして、俺の波動で倒したのか!覚醒した甲斐あった!
「なんか力が湧いてきたと思ったら、こんなに強くなってるなんて、俺つえーーー!」
誰だこいつ!俺が覚醒して倒したんじゃないのか?しかもこいつが強くなったって、どう言うことだ。
「あの、誰ですか?あと強くなったってどう言うことですか、何か薬食べました、横取りしました?」
朝日がガン詰めする。戸惑う青年。なんか可哀想に見えてきた。
「いや、別になんも食べてないよ!あの人の声が聞こえて、それでここにきたらワンパンってわけよ!」
「俺の、声?」
俺の能力、ビッグボイスイズジャスティスは大声を出すと自分の攻撃力がアップする、と言う能力だ。
「もしかしたら、俺の能力が覚醒したのかも。俺だけじゃなく周りも強くなる、そう言う能力に進化したんだ!」
ビッグボイスイズジャスティス。オラベルという敵を倒すと入手できる能力の中で大剣使いが得られる能力の中の一つ。大声を出すとその分強くなる能力。5種類の能力の中で一番所持率が低いらしい。




