19話 音波のパワー、音波ワー
急に静電気が来た。それと同時に怒りが湧き上がる。
「さっきまでお前が持ってても起こらなかったじゃねえか!なんで急に静電気が起きんだよ!」
朝日が大笑いをする。全てをわかっているから笑えるんだ。こいつはいつも上からでマジでムカつく。
「そんなのもうわかってるでしょ。アンシェールはさっきバチバチって言ったじゃないですか。だからバチッ!て音がする静電気が起きんです。」
そう言うとそれに重ねて次はアンシェールが笑う。なんかスカッとするな。
「それは少し違うよ。このメロディアスファイアは静電気を受けた感覚を与える。実際に静電気が起こったのとは違うんだよね。」
さっき貰ったばっかのくせにこいつも偉そうだな。
「ちょうどあそこに敵がいるでしょ。ウッドンかな?まあいいアサピ。火の矢で撃って。」
そう言われ嫌そうに撃つ朝日。
「まあ燃えますよ。」
そう言われ満足げにメロディアスファイアに声を出すアンシェール。
「ボウッ!これを言って棒を当てると?」
ボウッ!
ウッドンは喚いている。だがどこにも火は見当たらない。
「これでわかったでしょ。この武器の能力。」
感覚を与えるんだ。わかってたなら静電気マジでやめて欲しかったんだけど。
足を進めること20分。ようやく栄えている町を目の前にした時だった。
「すいません。さっき喰らった弾丸が原因で体が壊れそうなんです。」
アンシェールが熱を出しながら訴えかけてくる。できることなら治してやりたい。
「どうすればいいんですか?」
朝日も同じ気持ちらしい。
「あげた武器の部品ください!」
「「無理無理無理無理!」」
俺と朝日は同時に声を上げる。そりゃそうだ、レーザーが出て回転する大剣。矢が分裂する弓。どちらも手放したくない。だが、、、
「これからのためにアンシェールは必要だ。よし、俺の大剣使ってくれ!」
「なら僕も、弓あげます!」
原っぱを背景にしてロボが自分で自分を治す。そんな光景を見るとは思ってなかった。
武器を無くしての到着となったが、誰も欠けることなくここに来れた。
「この町の名前は、純連雪。なんかいいですね!雪降ってないけど...」
細かいことは抜きにしていい場所だ。人が歩き回り忙しくもどこか情緒がある。でもどこか機械のように精密で理想的すぎる、そんな疑問が浮かんでしまうほど思い描いた通りの昔の町だ。
「そんなことより武器ですよ!」
本当にその通りだ。このままじゃここで敵にあったらすぐに死んじまう。
「素材ないよー。出直してきな。」
終わった。ここから鉄取るのにどんだけの時間がかかる。レーザー出したいよな。
「ちなみにあのレーザー出るやつもう作れません。」
終わった。あれが目標なのに。どうすりゃいんだよ!
「待たせたわね!」
声の主の方を振り向く。そこには可愛いカエル、キュデンがいた。
「うおーーー!!」
また癖でドロップキックをしてしまった。直したい癖だがしょうがない。
「で、何をしに来たんだ?」
「ドロップキックしといてよく言えるわね!まあいいわ。素材集めにおすすめの場所を教えてあげるわ!そこはここから近く、まああなたたちなら余裕ね。」
「うるせえクソガエル!お前はエジソンの隣にいろ!」
アンシェールが突然の暴言を吐き出す。こんな子じゃないのに!
「あら!可愛いわね!アンシェールちゃん!また今度会おうね♡」
これはしょうがないか。
◇◇◇◇
キュデンのいう通り草むらを抜けると、本当に近くに素材が大量にある洞窟がある。他のプレイヤーも行く途中にいたが、それにしても減っているようには見えない。
「木もあるし鉄もある。本当に神スポットだぜ!」
ブオオオオオー!!!
浮かれている俺たちに現実を突きつけるかのように唸り声が鳴る。
洞窟と草むらを繋ぐ川に巨大なサイが現れる。
「あれ?俺ら武器ないぞ!アンシェール頼む!」
「僕ロボです。水イケると思いますか?」




